昨日の夜は、なんとはなしに、今年の夏の新宿三丁目のユニクロのオープンに密着した「坂上、指原のつぶれない店」を見ながら夕食を食べていたのだが・・・・
カスタマーセンターでSNSのコメントまでもチェックし、問題があれば対応するというのは「今時だな・・・」と思いながら見ていたのだが、新宿三丁目のお店の戦略の中に「接客力の大幅アップ! 店員がコーディネートを提案」が入っていたのを見て、正直心底驚いてしまった。
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40年近く前、婦人服小売業の事務スタッフとして私の社会人人生は始まった。
基本的に店舗での接客はなかったけれど、セール中には応援要員で終日お店に立つこともあった。もちろん基本は、棚から滝のように崩れてしまったセーター等を畳む、いわゆる『おたたみ要員』や、段ボールから新しい商品を取り出して棚に並べる『品出し要員』だったけれど、「接客5大用語」を覚え、試着を迷っていそうなお客様へのお声がけ、アウターを手に持ち店内を見て回っているお客様へは「ボトムはあちらにありますからご覧ください」などと見様見真似の接客も行っていた。
コーディネートの素敵なアドバイスは出来なくても、ちょっとした声掛けは購入を迷っている人の背中を優しく押す事が出来るというのは実感したし、一人でショッピング中、誰かにちょっとしたアドバイスを求めたいというお客様が一定数はいらっしゃる事は肌で感じた。
更に接客のプロの同僚たちが、レジにセーターを持ってこられたお客様に、「このセーターと対になるようなボトムも何着がございますがご覧になられましたか?」ともう1点の購入をお勧めする言葉をかけている所を見て、その一言で客単価が上がるケースが上がる可能性があるということもひしひしと感じた。
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10年ほど前、元同僚がユニクロでアルバイトをしていた際「仕事は品出しとレジ打ちのみで、接客はしたことがない」と言っていたのも聞いていたし、私自身もユニクロで接客してもらった事は一度もないので、「ユニクロはコーディネートの選択が出来るような多様な商品展開はしても、コーディネートの直接判断はお客様自身に任せる」というスタンスなんだろうか・・・」と思っていた。それが今回この番組で「コーディネートのアドバイス」が最大戦略になっているのを見て、一体、何周位回って、今そこが大きなポイントになったのか・・・」と心底驚いてしまった。
ここは驚く所ではなく、今まで、接客に注力せずとも、巨大になったユニクロが凄いと思った方がいいんだろうか・・・