BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

七つの魔剣が支配する 第12巻 感想: フリーハグが消えた剣花団は、いつまで剣花団のままでいられるのか?

2023-08-29 14:35:17 | 七つの魔剣
まさかよりにもよってガイが呪者の道を歩むことになるとは思っていなかった。

これ、少なくともしばらくの間は、ガイは剣花団のみんなに触れることが出来なくなるってことだよね? 呪詛を移さないために。

もちろん、ガイ以外のメンバーは今までと同様フリーハグをすることは可能だけれど、でも、あれだけ仲の良かった彼らが、ガイだけ除け者にして互いに触れ合うことを選ぶとは思えない。

同じタイミングで、ピートがオリバーを実質的に襲った、という状況もあるわけで。

簡単にいうと、もう以前のようには、純真な気持ちで互いにふれあい、思いあうことはできない、ということだよね。

さすがは四年生、上級生編の始まり、って感じ。

むしろ、ここから先に生じる「気まずさ」を描くために、剣花団のこれまでの疑似家族のような無垢な関係が描かれてきていた、ということなのだろうな。

いやー、作者の構成の妙に脱帽だよ。


もともと剣花団の6人は、魔法使いとしてすでに達人組のオリバー、シェラ、ナナオと、凡人組のカティ、ガイ、ピートの2グループに実力的には分かれていた。

だから、作中で「成長」を描くとしたら、必然的に、カティ、ガイ、ピートの3人がその役を担わざるを得ない。

凡人組の3人こそ、逆に、魔法使いとしての伸び代があったことになるから。

その中で、カティは当初から人権派の急進派としてやばい奴として頭角を表していた。
一方、ピートは普通人出身であるにも関わらずリバーシという魔法使いの誰もが羨望する希少能力を発現することで、将来性の高さを示すことになった。

だから3人の中でガイだけが特殊な能力を示さずにここまでやってきた。

むしろ、気のいいナイスガイとして、いわば剣花団の良心の象徴して、不動の位置を占めていた。

それがここに来てまさかの呪者だもの。

彼の魔法植物を愛する心が、まさか呪詛を引き受ける才能と直結するとは思わなかった。

その意味では、本巻の構成は相当サディスティック。

なにしろ、冒頭で、わざわざガイの実家の和気あいあいとした様子を示した後での、ガイの自ら選択しての闇落ちだもの。

まさに、太陽から日蝕への転落。

生命をすくすくと育てる側にいたガイが、一転して、生命を腐らせる側に身を寄せたのだから。

ある意味で、これまでで一番の驚き。

でもこれで、剣花団の全員が、いつでも魔に呑まれる可能性を持つキンバリーの上級生になってしまった。

もうここから先は、多分、ひたすら下降の一途をたどる鬱な展開がずっと待っているんだろうな。

いままで一応、闇の部分はオリバーの復讐劇パートが請け負い、代わりに剣花団は光の部分として扱われてきていたけれど、もうそのきれいな二分法も期待できそうにない。

逆に言うと、いつでも剣花団が、オリバーの裏の顔である〈同志〉になる可能性がでてきた。

今までの感じだと、ピートとカティは〈同志〉に加わる可能性が高いと思っていたけど、もしかしたらガイも仲間入りするのかもしれない。

一方、シェラとナナオは〈同志〉の世界に踏み入らず、むしろ敵対する側に属しそう。

いや、実際にありそうなのは、

ピートとカティが〈同志〉となり、
ガイとナナオが中立の立場をとり、
シェラが敵対する、

という感じかな。

なんにせよ、オリバーの望みを無条件に叶えようとするものと、そうでないもの、むしろ、オリバーの復讐を積極的に阻止しようとするものが出てくる。

なんにせよ、遠からず剣花団は瓦解し、互いに敵対するようになる。

厄介なのは、今回のガイが特にそうだけど、剣花団のメンバーにはそれぞれに縁を結んでしまった友人・知人が同級生をはじめとして多くいるということ。

そのため、剣花団の分裂はそのまま同級生や下級生、あるいは上級生まで巻き込んでの対立を生み出しかねないこと。

というか、今回の終盤にあった、ガイたちの救出に、同級生たる4年生の猛者たちがみな参加していた姿を見ると、本当にそう思う。


そういう意味で、今回から、リバーシの大賢者ロッド=ファーカーがキンバリーに登場した意味は計り知れないくらい大きい。

キンバリーの流儀とは全く異なる、完全なる外部の存在だから。

キンバリーが大々的に二分化されるとしたら、それはエスメラルダと同格のファーカーが本格的にキンバリーを変える意志を示したときだろうから。

物語装置としてのファーカーは、きっと、キンバリーとはなにか、について、外部からの批判を含めて論じ考えるための機能に違いないだろうから。

一見すると、ファーカーは学生想いの良識人に見えるけれど、きっとそれは魅了の権能を効率的に使う上で有効な戦略だからそうしているだけのこと。

彼の言動から考えて、ファーカーは圧倒的なパターナリズムの実践者。

でもそれも仕方ないよね、彼から見たら学生はもとより、ほとんどの魔法使いが自分よりも格下の、それゆえ庇護すべき対象なのだから。

多分、ファーカー本人は他意なく、それが力あるものの責務だと考えている節もある。

ただ、その結果、ひとたび、ファーカーの傘下に入ったら、もう逃げ出せない世界になる。

そんなファーカーがもたらす世界は、彼を頂点とした一種の宗教組織、ファシズム体制だよね、たとえ、彼にそんな意図はなかったとしても。

それに対して、キンバリーは真逆の徹底した自由主義体制。

自由を得るためには力が必要だ、というのがキンバリーの立場であり、その点では、エスメラルダ以下キンバリーの教師陣の発想は変わらないのだと思う。

いわゆる自主独立の精神。

その結果、魔に呑まれる学生が後を絶たない、という弊害を伴うわけだけど。

それゆえ、魔に呑まれないためにも、個人の技能のみならず、集団としてのレジリエンスを維持するために、自由闊達を校風にしている。

きっと、そういうことなんだろうな。

そして、この路線をキンバリーが選んだ背後にもそれなりの歴史があったのだろうな、単に地下に迷宮があるから、というだけでなく。

となると、この先一番ヤバいのは、フォーカーが気まぐれにキンバリーを変えようと動こうとした時に、真っ先にオリバーを抱き込もうと動きそうなこと。

フォーカーからしたら、たらし込む目標第1号であるピートの傍らにいるのがオリバーなのだから目をつけないはずがない。

その意味では、オリバーの母クロエが、異端狩りのエースだった頃にフォーカーと接する機会があったのかどうか、がとても気になる。

きっと、この先、そのような話題も出てくるのだろう。

なぜなら、今後、主人公のオリバーに成長らしい機会があるとすれば、それは無条件に崇めている母クロエとの対決ならびに決別にほかならないだろうから。

母クロエを超えない限り、オリバーを蝕む「自分の力はすべて借り物」という自己意識を捨て去ることが出来ない。

その助力をするのがナナオであり剣花団であり、キンバリーの同級生だった、というときれいなんだけどなぁw

でもきっとこの作者はそんなお花畑は描かない。

ともあれ、父殺し、ならぬ、母殺し、を達成したとき、はじめてオリバーは自由な大人として独り立ちすることができる。

それは終盤の重要なテーマになるはず。


ということで、12巻は、オリバーたち剣花団にとってターニングポイントとなるエピソードだった。

続きは気になるけど、これ、4年生編は簡単には終わらないよね。

最低でもあと3-4冊は必要な気がする。

となると、剣花団が最上級の7年生となるまで物語が続くとすると、あと最低でも10冊から12冊は必要になりそうw

それはそれで楽しみだけどね。

その一方で、5年生くらいですべての決着がつくとなると、大体第20巻くらいで本編に決着が付きそう。

それくらいがいい感じがするけどねぇw


あ、そうそう、本巻の実質的な主人公だったガイだけど、カティだけでなく後輩のリタからも慕われていることはわかっていたけど、まさか、そこに第3極として、アニー=マックリーまで加わることになるとは思わなかったw

これはあれだね、オリバーではわかりやすいラブコメをやれないので、代わりに天然いいヤツのガイが、ラブコメパートを引き受けるということなのだろうなw

なんだったら、ヴァロワの従者のバルテ姉弟も加わりそうw

キンバリーがヤバいのは今回のピートの一件で解禁されたように、異性愛だけでなく同性愛も、さらには近親愛もありな、もう性愛のフリーランドなところだよな。

その中心にガイがおかれそうで笑えるw

ということで、今回はガイを巡るラブバトルの開始!も裏テーマだった。

にしても、マックリー、完全にツンデレだよなw

あ、あと、リヴァーモアも卒業生だけど教員といういい味を出すようになったw

むしろ、その中途半端な立ち位置が、今後、オリバーやテレサにとって望ましいものになるのかもしれないw

しかし、ホント、この作者、キャラの出し入れが上手いよなぁ。。。

その代わり、いつ誰が死んでもおかしくない怖さがあるのだけどw

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七つの魔剣が支配する 第8話 『挑戦者(ライバルズ)』 感想:やっとロッシとオルブライトが登場かw

2023-08-26 18:48:56 | 七つの魔剣
ようやく同級生の威勢のいい奴らが登場。

この作品のいいところは、往年のジャンプ方式で、ライバルズがちゃんと敵からよき協力者になっていくところ。

やっぱり学園でのできごとなんだからそうあってほしいよね。

そういう意味では、ハリポタが参照先になっているのは、そういう「素直な学生」たちを導入できていい。

ロッシみたいな関西弁のお調子者はムードメーカーとして大事だし。

ただ、最後にオリバーがロッシにかけた声は本心だよね。

自分の手にあるのはすべて借り物だ、というところ。

ただ、その借り物が、ロッシからすれば流派を極めた達人に見えたのだから、どっちもどっちw

とまれ、ロッシとオルブライトがでてきたのはよい。

一方、ナナオの相手のほうは、ホントに噛ませでしかなくてご愁傷さまとしかいえない。

だって、剣で魔法をいなして回避するナナオってマジでチートだからw

グウィンが言っていたように、やっぱりナナオには、オリバーの死んだ(殺された)母で天才魔法使いだったクロエの影が見えるということだよね。。。

しかし、これ、尺的には原作第3巻のオフィーリアの悲劇までやれるのかな?

ちょっと心配になってきた。

まぁ、そこまでいかないとあんなにオフィーリアが出張ってきた意味がないから大丈夫だとは思うけどw

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七つの魔剣が支配する 第7話 『両極往来者(リバーシ)』 感想: ようやく魔法使いの世界っぽくなってきたw

2023-08-19 17:22:22 | 七つの魔剣
なるほど箒は魔法生物だったのかw とか、

両性具有ではなく、性の両極を行き来する者としてのリバーシなのかw とか、

ようやくハリポタっぽい世界になってきた。

単純に世界設定の話だけれど。

で、ピートをそのリバーシにしたのは、巧いこと、考えたな、と、この先の展開を知ったものからするととても思う。

彼/彼女が、普通人として最も属性がなかったところで、一気に希少物件になってしまったw

当然、オリバーへの気持ちも微妙になる。

でも、魔法の世界において、性は昔から重要な要素なので、それをこういう形で持ち込むのはナイス、って感じだよね。

しかし、いくら後々、オリバーの仇になるからといって、先生方のCV、大物を使いすぎなんじゃない、って思うくらいの豪華さだったw

セオドールが無惨様って美味しすぎるでしょw

エンリコも御大だしw

ということで、この先が楽しみだが、さすがにVSエンリコ戦までは今期ではやらないだろうな、と思って、ちょっと残念。

で、次回は、いよいよロッシの登場か。

今回のステイシーとフェイも含めて、少しずつオリバーたちの学友の紹介も増えて、そのまま世界が広がっていく展開だね。


あ、そうそう、よく見たらOPの最後がちょっと変わっていて、オリバーが仮面を拾って身につけるところで終わるようになったけど、これ、前のままのほうがよかったね。

仮面だけを見せて終えるほうが余韻があったのに、もったいない。


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七つの魔剣が支配する 第10巻 感想: シリーズの折返しとしてオリバーの過去をはじめ様々な秘密が解禁された重要かつヤバい巻!

2023-08-15 13:55:35 | 七つの魔剣
前巻の最後で魔に飲まれかかったカティをどう守るか、その検討を始めるところから始まった第10巻だったけど。。。

冒頭のカティの幼少時のエピソードも凄ければ、終盤のオリバーとシャーウッド兄妹の話も凄いw

魔法使いという存在が人外であることを示したエピソード。

ていうか、両腕を餌の代わりに魔物に差し出したカティって、幼少時においてすでに片足、魔に踏み込んでいるようなものじゃないの?

いくら魔法で「手が生えてくる」からといって。。。

やっぱりこれはカティが真っ先に魔に呑まれるんだろうなぁ。

でもきっとそれを救うのはオリバーではなく・・・となりそうで、今から切なくなる。


で、そのカティの逸話を軽く一蹴する後半のシャーウッド家のエピソードの凄惨さといったら。。。。

これはもう、Fateの間桐家そのものじゃないかw

魔道に堕ちた一族の末路。

シャーウッドのお館様とその奥方様の非道ぶりといったらない。

いま、常軌を逸している、と書こうとしたのだけど、でも、どうやら彼らには「常軌」なんてものが最初からないのだろうなと気づいて書くのをやめた。

それくらい、めちゃくちゃ。

忘れないうちに書いておくと、シェラの実家であるマクファーレン家も似たりよったりなんだろうな、きっと。

エルフの血をとりこむくらいなのだから。

とにかく、「血筋」に対する執着が凄い。

今で言えばその実体は遺伝子/DNAってことになるのだろうけど。

お館様の執着もとどのづまり、それに帰着する。

その結果、歴史によくある近親相姦ってことになってシャノンの悲劇が繰り返される。

ただ、ちょっとだけ疑問に思ったのは、あんなお館様の下で育ったにもかかわらずグウィンとシャノンが最初からオリバーに好意的だったのが不思議だった。

彼らが、それこそ常識的に人権派になっていたところがね。

自分たちがお館様の暴挙を受けたからなのか、

それとも、身内に、クロエという自由な魔法使いの象徴のような存在がいたからなのか、

あるいは、そのクロエの両親の代で、個々の魔法使いの尊厳や人権に配慮する必要が説かれる何らかの歴史的事件があったのか。

そのような魔法使いの世界を震撼させる出来事があった、お館様の代との間に断絶をもたらすような出来事でもないと、ちょっとあのグウィンとシャノンの常識人ぶりは逆に理解しにくいかも。

まぁ、オリバーの父のエドガーが謀反を起こす際の組先に親戚の人たちもいたということだから、お館様夫妻が狂人過ぎただけなのかもしれないけれど。

ともあれオリバーが幼少期を過ごしたシャーウッド家が生地獄であったことはよくわかった。

クロエがいたらどうなっていたのだろう。

逆に、あの場にシャノンがいなかったらエドガーとオリバーは門前払いで終わってたんだろうな。

魂魄融合の恐ろしさ。

さっきFateの間桐家って書いたけど、この魂魄を扱うあたりは、むしろ『魔法科高校の劣等生』の四葉家の方が近いのかも。

そう思うとオリバーって意外とお兄様たる司波達也に境遇がちょっと似てる。

となると、オリバーもいつか達也みたいに、超凄い魔法使いに目覚めたりするのかな?

つまり、これまでの魔法使いの尺度としては測れない存在として。

ナナオがそうなるとばかり思っていたけど、このあたりのオリバーの動きからすると、そうした超変化もあるのかもw

今回、デメトリオを倒すこともできたし。

エンリコを倒したときのように、次巻以降、またオリバーの基礎能力が底上げされる描写があったりするのだろうか?

まぁ、あったとしてもそれは、前回の経験から、今度は黙々とオリバーが自己調整を図るだけかもしれないけれど。


それにしても、VSデメトリオ戦は、実質的に、オリバーの過去を明らかにすることに使われてしまった。

しかも決着自体、ユーリの助力という裏技をつかっての勝利だったし。

ちょっとエンリコのときとは違った。

もちろん、同志の間でまた貴重な先輩たちを失う羽目になってしまったわけだけど。

今回、ミリガンとカティの名が、同志の勧誘先として挙がっていたけど、どこかのタイミングでそれもあるのだろうな。

だってこのままだと同志だってどんどん死んでしまうだろうし。

てか、前から思っていたけど、教師への復讐の際、これだけ在学生の同志がまとまって亡くなったら、学園側もおかしいとは思わないのだろうか。

一応、全員、迷宮に潜って未だ帰還せず、という失踪者扱いされるだけなのかもしれないけど。

そのあたり、グウィンがどうやって学内情報を操作しているのか、ちょっと気になってきたw

もちろん、それ以上に、どうやって勧誘しているのかも。

だって、ルルーシュみたいに、オリバーが直接、幹部候補を勧誘しているわけでもないじゃない?

となると、勧誘の殺し文句は何なのか?

しかも命を散らすことも辞さずに超格上の魔法使いである教師たちに挑むとか。

死にたがりの集まりでもないとそれは無理なんじゃないかな、と。

それくらい、魔法使いの社会が歪んでいて、そのことに心底辟易としている学生が多い、ということなのかね?


それにしても、今回はいつものほぼ倍近くのページ数があったので、中身も濃かった。

特に中盤の、オリバーとナナオをめぐる剣花団の面々のエピソードや、敬愛する君主を汚されたと激怒したテレサの暴走とか。

そりゃ、相手がナナオじゃ、テレサの敗走の一択だよねw

でもまさか、ここで意気消沈するテレサの前に現れるのが、リヴァーモアと例の亜霊体生命体、どうやら「ウーファ」という名をつけられたようだけど、その「半霊」だったとは。

この出会いは全く想定外だったので、この先、テレサとサイラス&ウーファの繋がりにも注目だな。

でも、ウーファって、絶対「ファウ」の裏返しだよねw

サイラス、おまえさー、意外と可愛い所あるじゃないw

それに、サイラスがやたらとテレサのことを「小さな肉」と呼んでいたところは相変わらずだな、と思って笑ってしまったw

そういう意味ではサイラスにも何らかの心境の変化が起こっているのかもしれない。

とまれ、テレサが、オリバーでもグウィンでもなく相談する相手が出来たのは面白い。

まさか、こんな形でリヴァーモアがオリバーの圏域に入ってくるとは思わなかったけど。


で、そのオリバーの圏域ということでいえば、今回は今後の剣花団を占う大きな動きが目白押し。

まずは、肉食系女子であるナナオが遂にオリバーを射止めた・・・といいたいところだったけど、シャノンとの間の意識のない不幸な初体験で性交に対して過剰にピュアになっているオリバーとは、最後までは行かず、オリバーとナナオの距離は縮まり、安定化したけど夜伽の話はまたこれからということで。

ただ、この二人の行く末を思うと、それが最後までお預けのまま進みそうな気がとてもする。

そして、そんなナナオとオリバーの危うい関係をなんとか維持しつつ剣花団を守ろうと誓い合うシェラとピート。

確かにピートはちょっと暴走気味だけど、リバーシという両性具有的存在の彼/彼女が、今後、オリバーとどういう距離をもつかも注目かも。

ていうか、すでにオリバーも魔に半分くらい堕ちてるでしょ。

考えることが過剰なまでに合理的すぎる。

同様に、シェラもね。

彼女についてはおいおいマクファーレン家の闇とともにあれこれ明かされるんだろうな。

友愛こそを大事するにするシェラはシェラで、愛情の向かう先や表現方法が少しズレてる感じがするし。

一方、オリバーとナナオの接近にヤキモキするカティとをそれをなだめるガイ。

ピートがリバーシというレアキャラになってすっかり霞んでしまってモブ落ちしそうなガイだけど、ここに来てチームのまとめ役として良心の塊みたいになってきたけどどうなのだろう。

それ普通に考えたら、イイ人属性からの早死にフラグだよね?

この作品に限って、そんなテンプレ展開はないと思いたいけど、だったらガイはどういう役回りになるのだろう?


ということで、内容が濃すぎて本巻は困る。

まだまだ書き足りないこともあるし、そもそも本巻は、ユーリが登場した6巻以後の展開をまとめる「中締め」的役割も濃い。

なので、ちょっとまた思いついたら別途書くかも。

ということで、デメトリオを討った後のオリバーたちを描くであろう11巻へ。

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七つの魔剣が支配する 第9巻 感想: とにかく最後の「異界」にすべて持っていかれた!

2023-08-15 12:32:47 | 七つの魔剣
前巻では一休みしたオリバーたちの決闘リーグもいよいよ決勝リーグへ。

その全てで示されたのがオリバーの非凡な能力。

ユルシュル=ヴァロワといういかにも目がいっちゃってるクーツ流の騎士の猛攻を、彼女のクーツ流の根幹を見極めるまで耐えに耐えて、最後はむしろそれに合わせて斬り伏せた。

しかも「見極め」に重点を置いた結果、「情報戦」とまでいう始末。

つまり、オリバーの視点にたてば、彼自身もまた板状の駒に過ぎない、ということで。

戦局を見極め、最終的には勝利する、ということは、「決して負けない」戦略を遂行する。

それも半ば体に染み込ませた習慣として、無意識のうちにも。

同じことは、決勝のアンドリューズ戦でも起こっていた。

ただし、こちらはアンドリューズが終始、そのオリバーの「不敗の剣」に痺れながら、とにかく一太刀入れたいという思い(想いw)でいっぱいのラブラブな剣筋だったw

ヴァロワの剣がずっと、最強の流派クーツ流を極めた天才のアタクシが、凡夫のくせに何故か人気の地味男オリバー=ホーンを今すぐ潰したくて仕方がない、という逆恨みで駆動されていたのとは正反対w

こういう対象的な描写も面白かった。

まぁ、ヴァロワ戦を経てのアンドリューズ戦、という流れで行けば、ヴォロワ戦の狂信ぶりは、続くアンドリューズ戦をより尊いものとして演出するための布石だったようにも思えるけどw

でも、とにかく、このVSヴァロワ戦ならびにVSアンドリューズ戦を通じて、オリバーは彼の剣技がいぶし銀のものであることを示したわけで。

その「老練ぶり」は、多分、一流の魔法剣士でしかわからないという点で、教師であるルーサー=ガーランドやセオドール=マクファーレンには気づかれてしまったようだけど、この気付きは、例の「ダグラス/エンリコ殺害犯」探しにおいて何らかのヒントになってしまうのだろうか?


・・・と、もっぱら、オリバーのいぶし銀の勇姿が描かれた9巻だったのだけど、そうしたオリバーの姿にもう体が火照って仕方がない、という反応をダイレクトに示してきたのがナナオw

そりゃ、目の前で「相愛の剣w」を交わしているオリバーとアンドリューズを見たら、いてもたってもいられなくなるよねw

真剣の殺し合いを半ば性交のように甘美なものと感じているナナオからすれば、オリバーとアンドリューズの剣技のやり取りは、もう目の前でBLがくりひろげられていたようなものだったのだろうな、とw

ある意味、ナナオ、台無しだろ、それじゃあw

と笑うしかないくらいの、ナナオの肉食系女子的なオリバーへの接吻攻撃だったw

これ、単純に猛烈な壁ドンだし、さらにいえば半分くらい逆レイプに及んだようなものだけど、大丈夫なのか?

どう考えても、この後、ナナオとオリバーの間で一波乱は避けられない。


・・・と思っていたのもつかの間、このナナオの蛮行wを覆すように起こったのが、異界からの襲撃と、その異界からの「渡り」とまで交流を図ろうとフラフラとその「渡り」との接触を断行したカティの狂気w

いやいやいや、そこまで追い打ちかけるか?というほどの急展開で。

しかも、そのカティをギリギリのところで救ったのが、本巻の冒頭ですっかりオリバーにたらしこめられてしまった、女装癖のボクっ娘で毒殺魔という多重属性持ちのティム先輩だったというオチ。

そのティムから、気をつけろ、魔に呑まれるぞ、と警告されることの恐ろしさ。

しかもそのカティを案じて箒でタンデムを決め込んだオスカーが耳にした、カティの「神様の声を聞いた」という一言。

確かにその時、カティがどんな顔をしていたのか、直視しなくてすんだのは、カティとの関係を継続させていく上では、偶然とはいえ決定的だったことだろう。


ということで、決闘リーグすげぇ、オリバーすげぇ、と思っていたのは、いわば本巻の盛大な長い前フリに過ぎず、その後に、ナナオとカティからの猛攻と追撃が待っていた、という超展開w

最後にカティが魔に飲まれる可能性が言及されていたけど、見かたによってはナナオの死合い待望ぶりも、すでに魔に片足持っていかれているようなものだよね。

となると、オフィーリアとサイラスの2つの事件を経て、いよいよ剣花団も魔に呑まれる危機に直面していく、という流れなんだろうなぁ。。。


あ、そうそう、決闘リーグの祝勝会で、テレサたち二年生たちも参加していたのだけど、彼らもこれからオリバーたちと学園でやり取りするようになるのだろうか?

特にテレサは、隠密であるにもかかわらず表舞台でもオリバーのそばにあるというのはどうなのか?

テレサはテレサで異様なまでにオリバーを慕っているのが気になる。

これまではシャノンとグウィンが緩衝材になっていたけど、直接オリバーとつながるとなると暴走しそうだよな。

まぁ、テレサの同級生チームもオリバーたちとお近づきになったので、今度は彼らが緩衝材になるのかもしれないけれど。。。

ともあれ、いよいよ魔に呑まれる頃合いか・・・

という怖さをつのらせながら、10巻に向かう。

いよいよユーリとの対決?みたいだけど、どうするオリバー?!

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七つの魔剣が支配する 第8巻 感想: サイラス=リヴァーモアが意外と信念の男だった件w

2023-08-15 11:42:44 | 七つの魔剣
前巻の引きで、まんまとゴッドフレイから胸骨を奪い取ったリヴァーモア。

今巻は、そのリヴァーモアの計画の追求が中心となる回。

なのでオリバーたちの決闘リーグは一旦おやすみ。

こういうところ、ホント、物語の構成がうまい。

決闘リーグだけ続けたら、物語が単調になることは必至なので、一旦、それは棚上げにして、学生の総力戦でリヴァーモアが奪ったゴッドフレイの胸骨を奪還する作戦が組まれる。

もっとも、総力戦といっても、ゴッドフレイを慕う者たちだけなので、この奪還作戦への参加を通じて、親ゴッドフレイ派と反ゴッドフレイ派の色分けもされる、という展開。

こういうところもうまいよね。

学園モノでの生徒会選挙って、あまりにも定番で、それだけで退屈になるところなのに、この作品では、決闘リーグという祭りを被せることでその退屈さを払拭している。

それだけでなく、決闘リーグを通じて、主には旧家系の学生の家の事情を明らかにすることで、彼らが年齢とはあまり関係のない強欲や狂信を帯びていることもわかって、彼らがただのガキではないことがわかるのも面白い。

武家生まれのナナオに合わせて言えば、多くの学生がすでに元服済みの新成人のような存在で、だから、多くの学生が、生き急いでいるように描かれる。

でもその、若干背伸びした大人ぶりっぽさに違和感を感じないのがいい。

そういう存在の典型が、実は今回の主役?であったリヴァーモアということ。

本巻を通じて描かれるサイラス=リヴァーモアは、ひたすらリヴァーモア家の悲願を達成させようとする老人のようでw

いや、彼もまだ10代のはずだけどさw

それでも家の悲願を背負い込むとそれだけで言動がすべて老けてしまうという不思議w

しかもその悲願は、リヴァーモア家の悲願だけでなく、どうやらサイラス個人の願いでもあった、という、まさかの純愛展開w

まぁ、そうは書かれてないけど、でもそうだよね。

かつての古代魔法文明の知恵の継承のために、若くして殺され、そのまま一種の死霊として数千年?を超えてきた女子「フォウ」に対して、彼女の責務をきちんと果たさせ、それによって笑って成仏させる、というのが、ファウの眠る棺を継いだサイラスの願いだったという話。

他人の骨を奪って回るというサイラスの蛮行もそのための所業であったということ。

それが判明したことで、あれ、こいつもしかしていいやつ?とか思ったし。

実際、サイラスの行動を見て、最終的にサイラスの儀式の死守を誓うオリバーというのが、まさに読者の印象の代弁で、これはそれだけで燃える場面w

あ、そうそう、今回の胸骨奪還作戦では、ゴッドフレイの腹心である上級生たちが、オリバーたち下級生にメンターとして付く、というチーム編成をしていたのだけど、それによって、上級生と下級生の間の交流が自然に描かれていたもうまい。

しかも、その交流を通じて、オリバーは上級生、特にティムまで魅了してしまうのだからw

オリバーという人物がどれだけ人たらしの、その意味では生粋のリーダータイプであることもついで描いてしまう。

そんなリーダー体質だからこそ、裏稼業である復讐劇で上級生を従える「ロード」までできてしまうのだな、と思う。

要するにオリバーにはカリスマがあるということで。

そして、その魅了の能力は、どうやら最後にはサイラス=リヴァーモアにも有効だったようだしw

これはゆくゆくサイラスがオリバーに力を貸す、という展開もあるなぁ、とw

憎まれっ子だったと思われたキャラが改心して主人公サイドに付くというのは、少年漫画の王道だけど、まさにそれを地で行ってる感じw

実際、本巻のロッシやアンドリューがそれだったしw

彼らもなんだかんだいって、もはやオリバーに口説かれ落とされるからねー。


ともあれ、そんな感じで、最初はサイラス=リヴァーモアの討伐として始まった物語が、いつの間にか、サイラス=リヴァーモアを救う話になっていたw

多分、これは、オリバーたち的には、3巻のオフィーリア戦のやり直しなんだろうな、とも思ったり。

あのときは、未熟ゆえオフィーリアを救うことはできなかったけど、その後の経験を経て、今回のリヴァーモアについては救うことができた。

それもまたオリバーたちの成長を示している。

なにしろ「魔に呑まれる」はキンバリーでは当たり前のことだから。

「魔に呑まれる」危機をいかに救うかは、キンバリーで経験する最大の試練。

で、今回はその試練に勝てたということ。

それにしても、異界に続き、古代魔法文明まででてくるとはw
盛りだくさん。

その古代魔法文明の生きる異物(いわばオーパーツ)で、サイラスとフォウの子どもwである「亜霊体生命体(アストラルライフw)」は、間違いなく今後の物語の鍵を握るのだろうな。

どう見てもこれ、魂魄融合の魔法と近い存在でしょw

霊体だし、アストラルだしw

こういう物語の「運命」を導く存在が、ああいう形で登場するのはロマンだよねw

そういう意味では、その運命を切り開いたのが、オリバーの決断だった、ってこともw

あのオリバーの徹底したギリギリまでの寛容の精神は、正直化物じみてきたけどw

でも、すでに復讐劇を通じて少なくとも2人も殺めているのだから、オリバーもすでに「魔に呑まれる」瀬戸際にいるのだろうな。

それもきっとこの後の物語の鍵だよね。


ということで、決闘リーグからの逸脱も含めて、全く予想を超えた一冊だったw

ともあれ、決闘リーグが描かれるという9巻に臨むw

なんかこのサクサク読める感じにちょっと感動してきているw

ホント『エイティシックス』とは大違いだw

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七つの魔剣が支配する 第7巻 感想: ハリポタ世界の天下一武闘会、遂に開催w

2023-08-15 10:54:40 | 七つの魔剣
前巻でも予告されていた、剣花団以外のオリバーの学生仲間を、決闘リーグという、なんちゃって天下一武闘会wを通して紹介していくシリーズの第1段w

どうやら9巻までこの決闘リーグ・シリーズは続くようだけどw

で、この決闘リーグでは、剣花団の面々が微妙にシャッフルされたのも見どころのひとつw

オリバーとナナオのペアは盤石として、そこに今回は家族の事情から強者の学生とは組めないという判断をしたシェラが抜け、代わりにて、胡散臭い転校生のユーリが加わった。

といってもこのユーリ、前巻である6巻の最後で、デメトリオの分魂、つまりは「密偵」であることが判明していたので、いやがおうにも緊張は高まる。

といっても、ユーリの場合は、本人にスパイをしているという意識がないので、密偵というよりも「隠し撮りカメラ」のようなもののようだけど。

それがあとあとどう効いてくるのかw

で、では、今回、オリバー&ナナオの剣花団実力者組から抜けたシェラはどうしたかというと、血縁上の妹のステイシー&フェイ組に合流。

で、このチームでの戦いを通じてステイシー&フェイのバックストーリーに触れていく流れになる。

こういう自然な流れで背景情報を明かしていくところが、この作者のうまいところなで、設定情報を地の文でダラダラ書き連ねるし脳のない『エイティシックス』の作者とかは、爪の垢を煎じて飲ませてもらうべきw

あと、今回もうひとつ面白かったのは、剣花団の残りの3人、カティ、ピート、ガイが、オリバーたちとは別口でパーティを組み、決闘リーグにエントリーしたこと。

そして、意外なまでにカティたちも善戦したこと。

まぁ、この物語がハリポタも参考にしているというのであれば当然といえば当然で、それは、オリバーやシェラ、ナナオの勇姿に惹かれてモチベが上がっている3人が、彼らの背後でちゃんと成長していく、その様子を描くのも大事だということ。

で、それとの兼ね合いで行けば、キンバリーはあくまでも魔法学園であって、魔剣学園ではない、ということ。

そのため、決闘といっても魔法剣士のように、魔法を使いながらも最後は剣で切り合うのだけが主流なわけではなく、とにかく剣を使おうが使うまいが、魔法を使って相手をねじ伏せれば価値である。

だから、決闘リーグの半分以上は、いかに自分たちの魔法を使って戦局をうまく進めるか、その戦略性にかかってくる、ということ。

まぁ、要するに、いわゆる異能力バトルでかまなわない!ってことで。

当然、ちゃぶ台ひっくり返し系の戦略もあるわけでw

その点で、カティ組の戦い方はユニークだった。

そういう意味では、魔法の幅の広さを伝える回でもあった。

まぁ、オリバーとエイムズの剣闘は完全に達人どおしの対決だったけど。

で、その過程で、オリバーが、母クロエの教えを思い出して視覚を捨てて相手の攻撃に合わせるところは、いかにも魔法剣士っぽかったけどw

てか、ここだけみると『ハリポタ』というよりも『ネギま!』っぽかったけどねw

そうやってとりあえずオリバーたちの予選が終わって、次は、え?同じペースで上級生の決闘リーグも描くの、それはさすがにたるいなぁ、って思ってたら、最後に一波乱あって次巻に続くw

リヴァーモアがゴッドフレイから胸骨を抜き取って終わり、というびっくりな終幕w

まぁ、リヴァーモアの所業については、本巻の冒頭でエピソード的に描かれていたので、いきなりというわけでないのも、作者のうまいところなんだけどw

ホント、構成が上手だよね、この作者は。

なので、サクサクと読み進められる。

ということで、8巻に進む。

ホント、ページターナーとして出色な作品w

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七つの魔剣が支配する 第6話 『顕現(アライズ)』 感想: 今後の物語の展開に必要な設定の大枠が示された重要回だった!

2023-08-12 16:48:31 | 七つの魔剣
今回は盛りだくさんだった。

カティをミリガン先輩から救い出す流れからの、いきなりのダリウスへの復讐の敢行。

しかも、その間に、ナナオによる第7の魔剣の「顕現」があったかと思えば、その次には、オリバーによる、母譲り(で一応いいよね?)の第4の魔剣が振るわれた、という。

なんかもう、一気に詰め込んできたな、という感じ。

で、最後には、クロエ殺害に復讐を誓った「同志」たちが参集し、彼らの君主としてオリバーが君臨する。

ついでいえば、ダリウスの口から、この時点で、異界からの魔物?襲来の話もされていた、ということで。

この先の物語まで知った上で今回の場面をみると、なんていうか、物語の大きな枠組みはこの時をもって、おおかたしめされていた、ということだったんだな、といまさらながら思った。

その上で、この場面でナナオが言った

「復讐の剣は楽しからず、相愛の剣こそ楽しけれ」

という言葉まで引かれるのだから。

どう見ても、この物語の終幕は、復讐の剣を振るうオリバーを、相愛の剣で止めようとしてナナオが介入し、両者の「死闘」の結果、どちらかが死んで終わり、というものしか想像できないのだけどw

うーん。

しかし、これも後の復讐劇の中身を知った後で思ったことだけど、ダリウスって雑魚だったんだな、って思ったよw

だって、オリバー単身で一発で仕留めてしまったのだから。

いくら、魂魄融合の果てのクロエの魔剣を使ったからだとしても、後の死闘に比べれば全然余裕な感じ。

つまり、ダリウスは、いわゆる「あやつは四天王の内で最弱!」ってやつだったってことだよねw

いや、復讐の相手はエスメラルダを含めて7人だけどさw

この後、どんどん復讐成就のハードルは上がっていくしね。

あと、これは未だに疑問なのだけど、あの「同志」たちは一体どうやって集めたのだろう。

このあとの復讐劇で少なからず同志の死傷者もでてくるわけだけど、一体、どういうつながりでオリバーの復讐劇に与すると決めたのだろう?

あと、そのための勧誘とかもね?

あれだけの人数がいたら脱落して逆に密告するものだってでてもおかしくないと思うのだけど、そこは、魔法で縛りを設けているということなのか?


ともあれ、今回で、物語の先々で重要になる設定の大方が出揃ったということで、ここから先は、表の凡夫オリバーによる裏のロードの復讐劇が始まるわけで、このさき、末永く続けてくれるといいのだけどなぁ。。。

あ、そうそう、クロエって結構小さかったのねw

後輩のエスメラルダよりも全然、背が低くて結構びっくりw

それも含めて、オリバーって全然似てないよな。

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七つの魔剣が支配する 第6巻 感想: ダークなハリポタ世界が舞台であることがはっきりした回

2023-08-06 19:32:12 | 七つの魔剣
引き続き『七つの魔剣』を読んでいて、6巻を読了。

5巻で広げられた風呂敷があまりに大きすぎて、その展開には大いに巻数がかかる、ということを思い知らされた回。

ひとつには、前巻のエンリコとの決戦における魂魄融合で心身ともにボロボロになりながらギリギリのところで死の淵から生還したオリバーが、しかし、その後遺症で、もしかして魔法使いを廃業?というところまで追い詰められたエピソード。

今ひとつは、そのオリバーの対となる存在であるナナオが、箒競技のエースとして学内はもとより他校も含めて活躍していくのが確定したエピソード。

この2つが織りなす物語、というのが第6巻の構成。

正直、当初、箒競技の話は、その競技内容も含めて今ひとつわかりにくかったのだが、最後まで読むと、なるほど、箒競技とナナオの関係は、復讐劇とオリバーの関係とも対になっているんだな、と。

オリバーが復讐劇の中でもがき苦しみながら、まがい物のクロエ・ハルフォードを目指していくのに対して、

ナナオは、まさに天賦の才に導かれて、クロエの再来となる道を歩んでいく。

ナナオがクロエの再来だというのは、クロエの相棒であった箒がナナオを選んだと頃でもわかるし、クロエの箒がナナオと飛ぶ様子を微笑ましく眺めるエスメラルダの姿に象徴されている。

つまり、ナナオは天然の原石。

対してオリバーは、ただクロエの魂魄を使ったまがい物、というのがエンリコの評価だったわけだけど、今回、オリバーを襲った心身の急変化をみると、本当にそうなのか?と疑問に思えてくる。

もちろん、心身の急変化は、オリバーが魂魄融合でクロエの技能を取り込んでいくために不可欠だと、彼自身の魂や体が判断したからで、そのために寿命という名の彼の生命エネルギーを前借りして心身増大が図られた、ということなのだけど。

でも、この解釈って、単に自己評価の低いオリバーがそう思っただけなんだよね。

だから、可能性としては、実は、魂魄融合を繰り返すうちに、スタート地点では凡夫だったオリバーが、実は少しずつ本当にクロエのような才人へと、自己を改造している、という解釈も可能に思える。

要するに、成長している、ということで。

で、そう考えたほうが、物語の結末に用意されている、ナナオとオリバーの一騎打ちにかなうと思うのだよね。

どちらもキンバリーでの生活を続けていくうちに成長し、ともにクロエの再来と呼ばれるに近い存在になっていく。

もちろん、ナナオは天才として、オリバーはドーピングの果ての身体改造の果てに、ということになるだろうけど。

でも過程はどうあれ、同等の能力をもった二人として対峙する。


なんかそういう展開が待っていると思うのだよね。

そう思うと、箒競技は、ナナオにとって、まさにオリバーたち以外の人たちと修練を積む場になる。

オリバーについても、鬼滅における柱たちの痣のように寿命を縮めて極限の力を得ている、という形にはならないんじゃないかな、と。

まぁ、そうでないとさすがにすくいがなさすぎるからなのだけど。

てか、シャノンの回復魔法こそが鍵になっているように思えるのだけどね。

むしろ、寿命を削ってるのはシャノンではないかと。。。


ということで、勢いに任せて7巻に進むつもりw

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七つの魔剣が支配する 第5話 『蛇眼(グレアー)』 感想

2023-08-05 18:37:17 | 七つの魔剣
そうか、ここからミリガン先輩の蛇眼との対決になるのか。

物語的には最初の山場だな。

なんといってもナナオが魔剣に開眼する。

もうすっかりオリバーとナナオがセットだなw

カティがヤキモキするのもお約束だが、それにあわせて、さらっとシャノンまで登場していたし。

こういうあくまでもある状況のついでにさらっとあとで重要人物になるキャラのお披露目を済ませてしまうのが、この作者のうまいところだよな。

しかし、冒頭から結構、カティってオリバー☆ラブ!が明白だったんだな。

ナナオの手前、難しいと思うけどw

でも、物語的には、終盤で、オリバーとナナオがそれまでの因縁を含めて、ナナオからすれば念願の「殺し合い」がなされるのは必至なので、もしも、そこで生き残れた場合、オリバーの傍らにいるのがカティというのも可能性がゼロというわけではない。

悲恋の果て、というオチが、この作者ならなくはないから。

もっともその場合、シェラも候補者となる資格があるけどね。

現在、原作を読んでいる最中だけど、確かにこれは、ギアスとハリポタを足して2で割ったようなところがあって、ドラマ性は思っていた以上に高いので、2期といわず3期など、長く続けてほしいと思うのだけど、難しいかなぁ。

ただ、今回、そういうところがあったけど、前回みたいなアクションがグリグリ動いた回の後だと、思い切り作画も脚本もへたるので、心配ではあるのだけど。

どうなるかなぁ。

ともあれ、次回、ナナオの剣技の炸裂に期待。

ガルダ戦以上のキレを希望するw

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