BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

PSYCHO-PASS サイコパス 第15話 『硫黄降る街』

2013-02-02 19:30:16 | サイコパス
1クールの終わりくらいの、槙島の免罪体質が明らかにされるあたりは、おぉ、そういう抜け道があったのか、と思って、へぇ、ちょっと面白いかも・・・、と思っていたのが。

でも、今回のサイコハザードの発生、暴動、シビラシステムへのいらだち(適性管理)、それらを囮にしたシビラシステム本体へのアタック、という流れになって、あーあ、また、こんな展開かー、ととても残念になった。

せっかく虚淵玄が加わってるのに、こんな陳腐な話に落としこんでしまったのか、と。

だって、これ、単純に、情報監視社会×格差社会×サイバー革命×暴動・テロ×・・・・、みたいな話で、過去に何度も見せられた話のコピーに過ぎないじゃない。

もの凄い既視感がある。

『攻殻機動隊』のSACの2クール目にやったこととほとんど同じ流れ。
あるいは、『東のエデン』の映画と同じ。
不満を持った若者が体制側に対して反乱を起こす、というのでは『ギルティクラウン』とも似ている。
あるいは、警察が総動員されながらも掌の上で踊らされて本丸を襲われる、って流れは『踊る大捜査線』のまんま。

プロダクションIGだからなのか、フジのノイタミナ枠だからなのか、わからないけど、このワンパタンはものすごい。

槙島がもっともらしく、オーウェル(『1984』)ではなく、ギブソン(『ニューロマンサー』)でもなくディック(『アンドロイドは電気羊の夢を見るのか』、ただし、『ブレードランナー』じゃない)とか、言ってるのも、なんだかなー、と。
お前が演じてるのは『攻殻SAC』の話と大して変わらんじゃない?と突っ込まずにはいられない

近未来の情報化された世界での物語というと、どうして、こうも判を押したように、反体制・革命、その裏返しとしてのナショナリズムみたいな文脈でしか物語を作れないのだろう。

もはや、これ、IGにとっては、『攻殻』の呪いとしてしてしか思えないのだけど。

これじゃ、虚淵玄を抜てきした意味がないでしょ。
彼には、イデオロギーっぽい臭さがないところがいいところなのに。
黒いなら徹底的に黒くなって、物語を集結させるだけの力量があるのに。

新OPが何やら不穏な雰囲気を漂わているのは確かだけど、攻殻以後何度も見せられた、つまらないサイバーテロ、みたいな話で終わるのだけは勘弁してほしいな。

いい加減、エヴァも攻殻からも離れた物語が見たいよ。

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