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白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

絶園のテンペスト 第20幕 『フーダニット(誰がやったか)』

2013-03-02 09:41:31 | 絶園のテンペスト
あー、やっぱり、そう来たか。
愛花が絶園の魔法使い。

とはいえ、これは今までの展開からすれば十中八九そうだろうと思っていたので驚かない。
それに、前回も書いたように、この話が文字通り、テンペスト(とハムレット)を下敷きにしているなら、今、現実の時間で吉野を慕っている葉風と愛花がマッチアップしないと、悲劇にも喜劇にもならないからね。

となると、愛花の死については、愛花自身の自害か、葉風による殺害か、二つに一つ。

・・・なのだけど、今回の愛花の「私にとって都合の良い展開・・・云々」のセリフからすれば、やっぱり愛花の自害なんだろうね。

だって、そうでないと、愛花の死をきっかけに、真広を介して吉野と葉風が繋がらないから。既に、絶園の魔法使いと名乗った愛花であるならば、ここのところフライラインが述べていた、始まりの木と絶園の木の関係や、それらと人類の関わり方についても、彼女なりの理解があったと考える方が妥当だよね。

そして、再三再四、愛花が、ハムレットではなくテンペストを強調していたのなら、放っておけばハムレットのように悲劇に向かってしまうシナリオを、無理やりねじ曲げてテンペスト的展開にするために、自害を選択することで、始まりの木が登場以後の世界で、真広と吉野に躊躇なく行動する動機を与えた、ってことなのだろう。

というか、真広が葉風を知るようになるきっかけ自体も愛花が仕組んだことなのだろうな。

まぁ、そうして本来の絶園の魔法使いが消えたところで、その力がどうして他の人に継承されたのか、は不明なところだけど、そこにも何らかの計らいがあるのかもしれない。

それに、こうなると、フロイラインの役割も際立ってくる。

次回そういう話になるのだろうけど、愛花は葉風の力量を戦いの中で計ったところで、彼女が絶縁の木の真意を葉風に告げて、簡単に言うと、愛する吉野と真広が生き残れる世界を用意するために、葉風と取引をして、自害を決行するのだろう。

でも、きっと、その話を葉風は今の時代に戻ってもそのまま真広や吉野に伝えられない。で、そこでいろいろと悶々とした動きがあるところを、「女心としては・・・」なんて講釈を垂れることで、葉風の真意、そして愛花の真意を、視聴者に伝える語り部の役割をフライラインが果たすんだろうね。

だって、もう、葉風、真広、吉野、以外は、基本的にその他大勢の脇役だから。
なにしろ、関係者一同が既に同じ屋根の下にいるわけだからw

ということで、いい意味で、岡田麿里的展開でここからのラストスパートで示されるといいなぁ。

にしても、この物語がマジでシェイクスピアをなぞった演劇展開になるってわかったところから、作中のキャラだけでなく、それを演じているCVの人たちの存在感が大事だ、ということに気がついた。

で、そう考えると、葉風=沢城みゆき、愛花=花澤香菜、という配役がいかにこの終盤で重要か、ってことに気づいた。二人の大物感、が締めには大事、ってことだよね。

いや、正直、序盤というか1クール目の頃は、どうしてこの二人をキャスティングしたのか、疑問だった。特に花澤さん。だって、愛花って物語にどう絡むのか、よくわからない。そもそも物語時間では既に死去しているわけで。

しかし、それが、最後の最後で、葉風とのマッチアップとして存命中の愛花が登場し、しかも、その時点で、葉風は愛花亡き後の世界で吉野を思慕している、という構図で相対するのだから。この終盤があればこそのキャスティングだったわけで。

そういう意味でも演劇的。

いやー、途中どうなるかと思ったけど、これはいいお話になりそうで、ホント、ラストスパートが楽しみだよ。

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