BLACK SWAN

白鳥のブログ - 日々の世界を徒然と

処刑少女の生きる道 第6話 『【回帰:記憶・魂・精神】』 感想: アカリによるループミステリーであることはわかったけれど、これ、ちゃんと完結できるのかな?

2022-05-07 19:19:27 | 処刑少女
なんかいろいろとこの物語全体の仕掛けが明らかにされた回だった。

要するに、アカリが、まどマギのほむほむよろしく、「時間」の純粋概念の導力を駆使して、何度もループを繰り返している、ということ。

どうやら、そのループの繰り返しをさせている統合人格のアカリと、各ループごとにメノウとのやり取りを行うプレイヤー人格が入れ替わる仕組みのようなのだけど、そもそも、その仕掛けは誰が設計したのだろう?

背景はわかったけれど、むしろ、あれこれと「ラスボス」的「黒幕」的なものの存在を意識しないではいられない構成なんだよね。

アカリがループを続けている根本的な動機は、同じ殺されるならメノウに殺されたい、ということからのようだけど。。。

で、そのアカリの意志にメノウも気づいてしまったので、ここから先は、殺しても自動再生してしまうアカリの殺し方を探して、一緒に旅をする、ということなわけね。

なんていうか、確かにダークだよなぁw

でも、これ、とりあえず原作はまだ継続しているわけだから、アカリの完全殺害方法はまだ見つかっていない、ということだよね?

うーん。

物語的に期待してしまうところはある一方で、このラノベ的な引き伸ばし作戦がはたして、そうした緊張感をどこまで維持できるのか、ちょっと心配だなぁ。

この先、アカリが、どうしてメノウに殺されたい、と思ったのか、という「始まりの事件」がどこかで語られることもあるのだろうけど。

でも、なんとなくだけど、そもそも、

アカリにメノウに殺してもらいたいと思わせることでループを繰り返す

ことをアカリに強いているゲーマスのような上位存在がいるんじゃないかな、って気がするんだよね。

つまり、アカリがループを繰り返すことで何らかの利益を得る存在が、別にいるのではないか、ということで。

でないと、これ、アカリの死にたがり願望のループから抜け出すことができないじゃない、きっと。

合わせて、「なぜメノウなのか?」という問いね。

こうした大きな問いがガツンと残ったまま、この先は小さなエピソードがずっと続けられるのだろうなぁ、とは思うけど。

作者は、この物語、『Darker than Black』を模範にした、というけれど、でも、この「終わるはずのない終わり」を求めて旅をし続ける、という構図は、むしろ『ベルセルク』みたいだなぁ、と思ったり。

モモやアーシュナといったバイプレイヤーがキチガイばかりなのも含めてね。


でもさ、『ベルセルク』はもとより、『Darker than Black』にしても、すっきりした終わり方をしてないじゃない。

運命に弄ばれている者たちが最後に反抗する対象といえば、もうそれは、世界の創造神でしかないはずで。

そうなると、この物語は、この捻れた人間関係と捻れたループ構造をどう昇華させるのか、で、この先、相当苦労しそうな気がする。

面白いとは思うのだけど、はたして作者にそこまでの力量があるのかどうか。

むしろ、完結しない可能性すらあるなぁ、と。

その点で、今回のアニメ化を通じて、中途半端に人気が出て、商業的に成功して、作者の実入りがよくなったりしないほうがいいなぁ、と思ったり。

『涼宮ハルヒ』や『東京レイヴンズ』とか、世の中には中途半端に人気が出た結果、作者の執筆インセンティブが極端に下がった結果、いつまで待っても続編が出ないことは多いので。

この作品もそうならないとは言い切れないので。

そういう意味では、クリエイターの人たちは皆、『鬼滅の刃』を参考にして、ちゃんと終わらせることの美学や潔さを肝に命じてほしいなぁ、と思う。

作品的には面白い、と思った一方で、ものすごく先行きが不安になってもきた。

杞憂で終わるといいのだけれど。

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サマータイムレンダ 全13巻(全139話)感想3: なぜ、潮ではなくウシオが、慎平のパートナーとして活躍できたのか?

2022-05-07 17:53:03 | サマータイムレンダ
感想1感想2から続く)

この作品の面白いところは、キャラの配置がものすごくよく考えられているところ。

メインは
慎平
潮 ウシオ
澪 ミオ

朱鷺子
南雲ひづる 竜之介
根津
凸村

このチーム慎平に敵側の
ハイネ
シデ
が対峙する。

あとはバイプレイヤーとして
雁切
菱形
アレン
らが名を連ねる。

でも、そうしたサブキャラにしても、舞台が「離島」であるため、少数に特定されてしまっても違和感はない。

基本的にタイムリープを繰り返すため、関わってくる人物も最初に出てくる人たちでほぼ固定される。
そのかわり、それぞれのキャラのバックストーリーも深掘りされていく。

アメドラっぽい構成。

上手いなぁと感じたのは、その各人のバックストーリーが、何らかの形で、影や、島といった背景事情の説明につながっていること。
そうして新たな情報が開示されると同時に、新たな「状況」が生まれる。
このあたりはミステリー風でありながらホラー風でもある。

まぁ、昔あった『ひぐらし』とかのノリに近いんだけど。
でも、それが今風に、というかSF的に洗練されている。

よく指摘されるように、影がデジタル風にバグっているところとか。
実際、あの描写だと、読んでる最中に、あれ、この作品ももしかして「ゲーム内世界」のデジタル世界だったりする? とか邪推してしまったりw
最後まで読むとそうじゃないことがわかるわけだけどw
でも、物語の途中でその可能性もあるかも?と思わせるところは、ちょっとズルいが、これも上手い。

その上で、ハイネの「最善・最良」の部分の分身が、実はウシオの中にあった、という設定によって、最後には、ハイネもピュアな心で浄化される側に立つようになっても不自然でないこと。
そういう意味では、我欲の追求にだけ走ったシデが一番たちが悪い、ということになるのだけど。
でも、裏返すと、シデが変な気を起こさなければ、ウシオが死ぬこともなかったんだよね。


この物語の一番のポイントは、(潮ではなく)ウシオこそがすべてのカギを握るワイルドカードだったということ。

なにしろ、結局、ひづるを島に戻らせたのも、慎平にハイネの右目の能力を与えたのも、すべて、最終局面で、常世でシデに勝利したあとの、そして、ヒルコの島への漂着を「なかったことにした」あとに、ウシオが時間を超越して行ったことだから。

その意味では、ウシオが本当の主人公であって、慎平は、いわゆるプレイヤーキャラとしての進行役にすぎなかったといえなくもない。

まぁ、「潮」がもう死んでしまっていて手を下せないから、代わりに慎平が、影のウシオの手を借りて、問題解決にあたる、という形式を取らざるを得なかったわけだけど。

もう少し正確に言うと、
影であるウシオが、
ハイネからは、常世の世界から世界を眺めることができる右目を
オリジナルの潮からは、慎平に対する恋心と、島のみんなを救おうとする勇気を
それぞれ引き継いでいたことが大きかった。

その結果、ウシオは、ハイネやシデにも挑むことができる特異な影になることができた。
そうなった理由が明らかになったとき、スムーズに納得できるだけの描写の蓄積もなされていた。

もちろん、その特異なウシオを、影ゆえに躊躇せずに、ある意味使い魔のように使役した慎平の度胸もすごいのだけどw

ただ、見ようによっては、潮と瓜二つのウシオを「使役する」ところに慎平の異常さが現れているようにも思える。
もっとも、それにしても、当初から彼の性格として「俯瞰する自分」をもつという特性が示されていたため、こちらもそれほど違和感がなかった。
むしろ、「俯瞰する自分」という、慎平の「人格」があればこそ、右目を最大限に利用することができたように思えたので、途中から、右目がしかるべき人物に移植された、と納得もできた。

ともあれ、こうした設定の組み立て方、ならびに、物語の流れに沿った読者へのプレゼンの仕方が、とてもうまかったんだよね。

そのため、慎平が、ハイネとシデというラスボスを正確に認識し、彼らを倒して島のみんなを守る決意に至った3周目の最後以降は、物語を読む速度が加速度的に速まっていったのは確か。

最初に紹介された人物たちが、途中で裏切ることがなく、むしろ、多くの人がともに戦う仲間になっていくところも、ストレスなく最後まで物語を読み進めることができた理由だったと思う。

その意味では、影のミオを仲間に引き込んでからの展開は実に秀逸。

ウシオだけでなく、影ミオや、ひづるのなかの竜之介、あるいはトキちゃんのゴズ?たちのように、影の能力をもつ者たちを仲間に引き込めていけたのも大きい。

その一方で、ハイネが慎平をトレースできるようになったことも。

なんだかんだいいながら、ハイネとの間で勢力が均衡しながら勝負が進んでいくのだから。

そりゃ、頁を繰る手も速まるというものだよねw

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かぐや様は告らせたい -ウルトラロマンティック- 第5話 『「藤原千花は刻みたい」「早坂愛は話したい」「四条眞妃は頼りたい」』 感想

2022-05-07 17:14:05 | かぐや様
アハハ、今回はすごいね!

3つのエピソードが全部キレッキレだものw

前々から、この漫画、ラップが好きだな、とは思っていたけど、今回はもう、それで全部押し切った、という感じで。

しかも、その合間に、あっさり、ハーサカ、てか、早坂の本音まで語らせるのだからw

で、ラップ話で2話、駆け抜けたかと思ったら、最後に、前回からの続きのように眞妃の話をはめ込むのだからw

いやー、素晴らしい。

絵も動きも話も面白いけど、それ以上になんだかシリーズ構成にも力を入れている様に見える。

ちょっとビックリだよ。

なんか、3期は、全部が吹っ切れてる感じがして凄い。

シリアスかぁ?と思わせておいて、ちゃんと落として来るしw

とにかく笑いっぱなしだった。

このままで3期は一気にいってほしいところw

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