近くにこのようなお墓もありました。よく見てください、十字架がありますね。そうなんです。現在トラジャ人の多くはキリスト教徒なのです。トラジャ人固有の宗教は「アルク」と呼ばれる多神教アニミズムでした。20世紀になりキリストの教伝来と、敵対するイスラーム教徒ブギス人に対抗するためにキリスト教徒になったと考えられています。現在固有の宗教はアルクトドロ教と呼ばれ人口の6%の少数派になっています。
これはレモ村の洞窟墓です。手前の舟形は遺体を運んだ「霊柩車」で朽ち果てるまでここにおかれます。少し見にくいですが、人形が並んでいます。故人の象徴です。タウタウといいます。この奥の洞窟に遺体があります。このようにタウタウが作るのは金持ちだけだそうです。
基本的にはこのされる、水牛、豚は故人の家が出すものですが葬儀の参加者からのものもあります。ウィキペディアによればこれらは故人やその家族から借りた負債の返却のためとあります。この人たちも負債の返却ですかね。肩にかけている竹筒にはお酒が入っていました。この人が匂いを嗅がしてくれました。ウィキペディアによればされた水牛、豚の血を竹筒に入れると書かれていますが、これがそうかもしれませんね。
この村では葬式に出会いました。「死ぬために生きている」といわれるほどトラジャ人にとって葬儀は費用の点からも、最も重要な儀式です。
写真の手前を見てください。動物がされています。水牛が一番のようですがここでは豚のようですね。 いや水牛かな。
トラジャ人はスラウェシ島の中部山岳地帯に住む独特の文化を持つ先住少数民族です。(2010年7月5日の地図をご覧ください)人口は65万人です。 本来はヴェトナムのトンキン湾付近に起源をもつ海洋民族でしたがこの地にたどりついた後、周辺の民族に圧迫され山岳地帯に住むようになったと文化人類学者は考えているようです。
トラジャという名前は自称ではなく彼らと対立関係にあったブギス人が「田舎者」「愚か者」という意味で名付けたブギス語に由来します。 なお、コーヒーにトラジャというブランドがありますが、この地のコーヒーからきています。
1970年代ころから、珍しい文化を持つトラジャ人ということでインドネシア観光の目玉となりました。ただ日本人の観光客は少ないそうです。何しろ拠点になるマッカサル空港からバスで10時間という交通の不便さがあります。 トラジャ人居住区(タナ・トラジャ タナは土地という意味)に入る所に写真のような歓迎のアーチがありました。
この写真はバリ島のウブド(2010年7月5日の地図)のティルタエンプルという聖なる泉で沐浴をするヒンドゥー教徒です。西暦962年に発見され魔法の力があるとされています。現地ガイドのカルマナさんも何度かここに来て沐浴をしたことがあるそうです。
ヒンドゥー教徒は沐浴が好きで本場のインドではガンジス河のベナレスでの沐浴が有名です。(2005年10月27日に紹介)
ヒンドゥー教ではお墓が無いと思っていたのですが、現地ガイドのカルナマさんは有るというのでいろいろ尋ねているときに、車窓から写真のような光景に出会いました。カルナマさんは運がよかったと言って説明してくれました。これは5年に一度の行事でお墓に埋葬していた遺体を5年に一度掘り出して火葬にして遺灰を川に流す準備をしている場面だというわけです。したがって、5年分の遺体を一括して遺灰にする準備をしている所というわけです。5年前の白骨化したものと最近の生々しいものと一緒に火葬にするということです。ただしお金持ちの場合すぐに火葬にして流すこともあるそうです。というわけでカルマナさんの言うお墓とは最長5年間の仮?埋葬の所というわけでした。
2010年3月1日にアフリカのモザンビークでのヒンドゥー教徒のお墓に関して疑問を書きましたが、その墓とされているのもこのバリ島と同じく仮?埋葬地と考えれば合点がいくようです