だいぶ前のことですが、福井の母方の実家のお下がりということで、蒔絵のお椀を貰いました。
「紙がすごいから見てごらん」 という母からの連絡。
包み紙を広げてみると・・・
折角綺麗なお椀なのに、しまっておくしかできないのは勿体ないです。
片付け本を読んでいると「修理する予定のない電気製品が納戸にありませんか?」などというお説教が書いてあるし。
漆は修理出来ると聞いたことがあります。
他にも大分古くなったお椀があるので、一緒にまとめて問い合わせてみることにします。
他、というのはこちら。 |
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赤と黒のセット。 |
ネットで漆器修理を受け付けてくれそうなところを探し、いくつか問い合わせしてみた結果、山久漆工というところにお願いすることにしました。
各社から正確な見積もりを出してもらった訳ではなく、箇条書き形式の私の質問に、箇条書きに従って丁寧に回答して下さった、というのが理由です。
おそらく技術レベルはどこも問題ないでしょうし、お値段もそれほどは違わないと思いますので、素人の質問に丁寧に答えてくださる、相談しやすい方がいらっしゃるところに決めました。
写真を見せて相談したところ、結婚祝いの赤と黒の方は、拭き漆仕上げの上からまたたっぷり漆を塗って、つるりと滑らかなお椀に塗り直すことになり、かなり高い修理代になるとのこと(漆のお椀を一個まるまる塗り上げるくらいの手間かも?)。
迷いましたが、修理は諦めることにしました。
これにさようならして、結婚××年記念に、また新しいものを買うのも楽しみですよね。
祖母のお下がりの方は、実物を送って見て頂いた結果、
・縁金
・蓋と親の内側
という項目で修理をお願いしました。
所要期間はおよそ3ヶ月・・・。ほよ。忘れてしまいそう・・・
そういえば?とふと思い返した折りに、丁度修理が終わって帰ってきました。
●業務連絡:お母さんへ
お正月にお雑煮用に使いますか?持っていきますけど。
■参考情報
漆器修理の相談にのって貰えるところ。
たまたま調べた結果ですが、福井県鯖江市に工房が多いようです。(他の地域にもあると思います)
(1) 山久漆工 福井本社
916-1222 福井県鯖江市河和田町20-4-6
TEL 0778-65-0101 FAX 0778-65-2373
URL http://www.yamakyu-urushi.co.jp
SHOP http://www.rakuten.co.jp/kasane
▼お直しご依頼~完成までの流れ
http://www.yamakyu-urushi.co.jp/custom/
今回お願いしたところです。
(2)くらしを彩る「雅乃」
(株)山崎漆器商会
〒916-1114 福井県鯖江市磯部町6-9
TEL 0778-65-0500 FAX 0778-65-0490
URL http://www.yamazaki-j.co.jp/
(3)株式会社ヒロセ
〒916-1223福井県鯖江市片山町6-1
TEL 0778-65-0103
FAX 0778-65-2030
漆器修理サイト http://shikki-shuuri.jp/
(4)藤井漆工芸株式会社
東京都足立区足立1-29-18
TEL 03-3848-2141
FAX 03-3889-3227
URL http://j-fujii.com
「達筆過ぎて読めなかった」とありますので、実に余計な御世話ですが、このブログの掲載部分だけ勝手に謄本を解読しました。( )内の記述は、写真には映っていない部分を、前後の文脈から推察したものです。
ご関心無ければ、削除なさって下さい。
《謄本原本の末尾3行》
右謄本ハ戸籍原本ト相違(無キ事ヲ認ム)
大正拾参年壹月(x日)
今立郡庁
多分、上記の通りでしょう。「壹」とは、「壱」の繁体字であり、漢数字の誤読や誤用を防止する為に使用されます。
それにしても上等な和紙ですね。90年も前の製品とは信じられない品質です。凄い!
お元気で。
本当に「エステ帰り」という雰囲気ですね。なんだか今すぐ実家に駆けつけ、納戸を探索したくなりました。こういうの、きっと眠っていると思うのです。
謄本も、解読してもらえちゃって、よかったですね!読者の私ですら、もやもや感が晴れ、すっきり致しました。
解読ありがとうございます!
ブログをやっていると時々こうやって天使のように教えて下さる方があらわれて、感激です。
毛筆の古い文字と和紙にお詳しいということは、Yozakuraさんは、書道をされているのか、もしくは古文書(日本史)がご専攻でしょうか。すごい~。
何はともあれ、ありがとうございました!!
しかも、欠けていないものがあるのではないでしょうか。
ステキなものが出てきたら、是非(写真で)見せて下さいませ~。
「壱」でも滅多に見かけないのに、更に古い「壹」があったとは知りませんでした。
天使か魔法使いがいて、時折、しゃらりーん、と謎を解いてもらっているようです。
(以前、お菓子のラベルのポーランド語のときも天使があらわれました)
http://blog.goo.ne.jp/fujika_0000/e/1e5e3c8c850fb37fa22f76bed474f99f
縁があってよかったです。
謄本の紙は90年も前とは思えないですよね。数枚あったのでどれもとってあります。
私はせいぜいパソコンやゲーム機くらいですが…。
そういえば、国産の漆で直してくれるところがありますよ。
http://waurusi.sblo.jp/
車を直して売る『名車再生』という番組はご存じですか?
私は全く車に興味はないのですが、直す様子が面白くてこの番組は大好きです。魔法みたい。
家具とかPCとか、他にも修理のTV番組があったらいいのにな。
国産漆の情報ありがとうございます。
古い寺社建築の建具など、国産漆でないと耐久性が数段劣ると聞いたことがあります。
今回は、里帰り修理でそれはそれでよかったのですが、新しい大きめお椀が欲しいな、と思っているので、こちらのネットショップをじっくり見ているところです。
どこかのデパート出店などで手にとって見られたらいいなあ・・。
「余計な御世話かな?」と懸念しつつ投稿したのですが、御好評を戴いた模様で何よりです。で、またまた余計な御世話で恐縮です。
ネット上の某所に、130年前の書簡が展示されている場所があります。文豪が、後輩に送った日常書簡の一部ですが、手紙の用紙や封筒も鮮明に読みとれます。
御関心のある向きは、以下の要素で検索なさってみて下さい。用心のため、連結先は表記しません。
[ベルリン中央駅、山根寿代さんのこと(3) - 森鴎外からの手紙 -]
およそ130年ほど前に取り交わされた書簡でしょう。和紙の品質は抜群ですね。お元気で。
ハガキにも収まりそうな文章の量ですが、(おそらく)大きな字でサラサラっと和紙に書くお手紙、いいものですね。
手紙に使われている和紙にも、全然古さを感じませんね。
現代の文豪の手紙は、おそらくほとんどEメールになってしまっていて、書簡という形で後世に残すのは難しいかもしれませんね。内容は残るとは思いますが。