熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ユビキタス、しかし、UNIVAC 120に息を呑む

2005年06月08日 | 経営・ビジネス
   少し前から、下火になっていたユビキタスと言う言葉を、相変わらずオウム返しのように繰り返している総合家電のトップが多いが、今回、久しぶりに、この道の権威達の集まったフォーラムで聞いた。

   日本ユニシス主催の”BITS 2005"フォーラムのユビキタス・サミットが、全日空ホテルで開催され聴講した。
   第一部が、「先端知の供創…U-JAPANの展望」 第二部が、「新たなビジネス領域の創造…ポテンシャルと多様性」であったが、総則、一般論の議論展開であった。

   まず、興味を引いたのは、フォーラムではなく、入り口に展示されていた”UNIVAC 120"の勇姿である。
   日本で始めて導入された汎用ビジネス用コンピューターで、612個の懐かしい真空管がむき出し。高さは人間より少し高いくらいで横幅2メートル、奥行き1メートル足らずで、横幅1メートル程のプログラムを入力していたプログラム・ロード(?)が並んでいる。
   1955年の2月、初めて、東証と野村に納入されたとか、あれから、もう50年になるのである。
   REMINGTON RAND UNIVAC 120 の文字が光る。
   IBM のワトソンJr.が、ペンシルバニア大学で開発されていた巨大コンピューター「ユニアック」の価値を認識できなくて、レミントン・ランドに先を越されて地団駄踏んだ曰く付きの機械である。

   ユビキタス社会は、ヘーゲルの弁証法的な螺旋状態の発展をしている。例えば、教育にしても、画一的な集合教育ではなく、個別の教育、寺子屋教育がE-ラーンニングに変わっている。
   しかし、IT革命により楽になるのではなく、遥かに高度な能力が要求されるポテンシャルの大きな社会に代わり、益々、複雑系の要素が加速されてきている。唯の過去への回帰ではない。
   
   最高の利便性が確保できれば出来るほど、社会の脆弱性が増す。
   従って、経済社会を結びつける核は、信頼であり、信頼が重要なビジネス資産となる。真にGOOD BUSINESSを行う企業だけが、GOOD COMPANYとなる。

   IT革命は、情報主権の革命。為政者や権力者が握っていた情報が、消費者、生活者に移りパワーシフトした。
   IT革命は、価値創造面だけ見るのではなく、価値防衛面を注視すべきである。個人情報の保護、企業情報の保護、知的財産の保護は勿論のこと、IT産業は、人間生活への配慮や社会性の欠如、モラル面等への無関心など問題を置き去りにして発展して来たが、ユビキタス社会の抱える複雑な問題に正面きって対処すべきである。

   ユビキタス社会の健全な発展の為には、産官学民の協力が必須。
   特に、ユビキタス社会のインフラ整備には膨大な費用と長い時間を要するので、官のイニシャティブと力の投入が必要である。
   アメリカは、巨大な軍事および国家予算を投入してインターネットを構築してインフラ整備に貢献した。
   日本は、現在豊かな成熟した消費文化を持つ高齢化社会に入っているが、日本政府が主導権を取って世界に冠たるユビキタス・インフラを開発・構築して世界に貢献できないであろうか。
   
   面白い話が展開していたが、坂村健先生も、独演会ではなかったので、格調の高い迫力のある坂村節が、少し鈍っていたのが惜しかった。
   しかし、モデレーターの尾中昭文氏他、9人の卓越した講師の話は、夫々随分興味深く、久しぶりに素晴らしいフォーラムに参加できたと思っている。
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ホタルブクロ

2005年06月08日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   何年か前に植えたホタルブクロが、宿根草になって、毎年、勢い良く背丈が伸びて青紫の花をたっぷり付ける。
   最初は、小さな堅い蕾だが、開くと急に大きくなる。
   わが庭には、白と赤色系統の花が多いが、青い花は夏には有難い。
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