ソニーの株主総会を通じて、ストリンガーCEOは、ソニーの新経営陣の最大の使命は、「利益と株主価値の向上である。その為に、現在検討中だが、9月に、新しい戦略を打ち出して発表する。」と言い切った。
世界に冠たるソニーブランドとレピュテーションを持ち、世界屈指の技術集団を誇っているソニーの苦境を救う為には、利益率をアップして株主の信任を得られるような株主価値を生み出す以外に道がない、と言うストリンガー氏の決意は、当然過ぎるほど当然。
しかし、巨艦ソニーの舵取りは極めて難しく、グローバル企業と言いながら、日本のDNAが充満したまだ元気なソニーの方向転換は至難の業、倒産の危機に瀕していたニッサンのカルロス・ゴーン氏の場合の様にフリーハンドを与えられていた経営改革とは全く違う。
もう一つの不安は、ストリンガー氏のキャリア。放送通信、メディア、エンターテインメント等の世界では実績豊かだが、異文化の製造業には経験が浅く、ブラジル、アメリカ、フランス、ベルギー等で苦境のグローバル企業の再建建て直しに経営者として百戦練磨の経験を積み重ね自動車業界を知り尽くしていたゴーン氏とは、経営者としてのバックグラウンドが違いすぎる。
井深、森田、大賀、出井と続いたカリスマ級の経営者に牽引されてきた余りにも日本的なグローバル企業ソニーが、ストリンガー氏のバックにある英米的な思想や経営哲学を吸収して、抵抗なくスンナリと価値ある新しいコーポレート・カルチュアを作り出せるのか、大きな課題である。
中鉢COOは、
卓越したソニーの技術が、カスタマーの目線に合わずそのニーズを満足させ得なかった。カスタマービューポイントに立って消費者との十分なコミュニケーションを確立して、ワクワクするような感動を与えるような商品を開発して、商品で応えて消費者の信頼を回復したい。
成長領域にリソースを集中して経営を革新し、ニュービジネスを開拓したい。と言う。
しかし、消費者がソニーに期待しているのは、予想だにしなかったサプライズ商品、これを忘れてはならない。コモディティとしてのTVやDVDレコーダーなら、ソニーがウツツを抜かしているエレクトロニクスではないと言うことを。
昨日のブログで、出井氏の隕石と恐竜滅亡の話に触れたが、ソニーの病根は、恐竜のように余りにも経済社会環境に順応しすぎて、トップ企業の座に安住し埋没してしまった経営の過剰適応にあったこと。
アバナシーやクリステンセン流に言うなら、プロセス・イノヴェーションに注力しすぎて余りにも確立しすぎたバリューチェーンに酔いしれて、プロダクト・イノヴェーションを怠ったジレンマにあることを忘れてはならない。(出井氏の言うそんな高邁な話ではない、だから足をすくわれたのである。)
ソニーにとって大切なのは、創造的イノヴェーションによる創造的破壊。生産ラインの2つや3つスクラップにしてでも、革新的な技術と商品を開発して、原点に戻って、ソニー本来のイノヴェイティブなDNAを呼び覚まさない限り復活は有り得ない。
AP電により、The New York TimesもWashington Postも、
ストリンガー氏は、コンシューマーエレクトロニクス商品の下落する最悪の時期に、技術優位を確立する為に膨大な追加投資をし、コストカットなしに成長戦略を打たなければならない。
キイロールは、エンターテインメントとエレクトロニクスビジネスとの戦略的リンクの確立である。と報じている。
しかし、その程度のことなら、ソニーは十分にやってきたし対応できる。
問題は、余りにも恐竜の様に大きくなり過剰適応しすぎて、その呪縛から抜け出せなくなって業績が悪化したソニーが、いかに創造的破壊を起こして、イノヴェイティブな経営革新を導入することによって蘇ることが出来るのかなのである。
9月発表の新経営戦略構想が、アッと驚くような革新的新鮮なものであることを祈りたい。
新鮮な期待は、日本最高のグローバル企業経営と欧米文化の架け橋を構築できる経営者小林陽太郎氏の取締役会会長就任。
素晴らしいコーポレートガバナンスを期待したい。
世界に冠たるソニーブランドとレピュテーションを持ち、世界屈指の技術集団を誇っているソニーの苦境を救う為には、利益率をアップして株主の信任を得られるような株主価値を生み出す以外に道がない、と言うストリンガー氏の決意は、当然過ぎるほど当然。
しかし、巨艦ソニーの舵取りは極めて難しく、グローバル企業と言いながら、日本のDNAが充満したまだ元気なソニーの方向転換は至難の業、倒産の危機に瀕していたニッサンのカルロス・ゴーン氏の場合の様にフリーハンドを与えられていた経営改革とは全く違う。
もう一つの不安は、ストリンガー氏のキャリア。放送通信、メディア、エンターテインメント等の世界では実績豊かだが、異文化の製造業には経験が浅く、ブラジル、アメリカ、フランス、ベルギー等で苦境のグローバル企業の再建建て直しに経営者として百戦練磨の経験を積み重ね自動車業界を知り尽くしていたゴーン氏とは、経営者としてのバックグラウンドが違いすぎる。
井深、森田、大賀、出井と続いたカリスマ級の経営者に牽引されてきた余りにも日本的なグローバル企業ソニーが、ストリンガー氏のバックにある英米的な思想や経営哲学を吸収して、抵抗なくスンナリと価値ある新しいコーポレート・カルチュアを作り出せるのか、大きな課題である。
中鉢COOは、
卓越したソニーの技術が、カスタマーの目線に合わずそのニーズを満足させ得なかった。カスタマービューポイントに立って消費者との十分なコミュニケーションを確立して、ワクワクするような感動を与えるような商品を開発して、商品で応えて消費者の信頼を回復したい。
成長領域にリソースを集中して経営を革新し、ニュービジネスを開拓したい。と言う。
しかし、消費者がソニーに期待しているのは、予想だにしなかったサプライズ商品、これを忘れてはならない。コモディティとしてのTVやDVDレコーダーなら、ソニーがウツツを抜かしているエレクトロニクスではないと言うことを。
昨日のブログで、出井氏の隕石と恐竜滅亡の話に触れたが、ソニーの病根は、恐竜のように余りにも経済社会環境に順応しすぎて、トップ企業の座に安住し埋没してしまった経営の過剰適応にあったこと。
アバナシーやクリステンセン流に言うなら、プロセス・イノヴェーションに注力しすぎて余りにも確立しすぎたバリューチェーンに酔いしれて、プロダクト・イノヴェーションを怠ったジレンマにあることを忘れてはならない。(出井氏の言うそんな高邁な話ではない、だから足をすくわれたのである。)
ソニーにとって大切なのは、創造的イノヴェーションによる創造的破壊。生産ラインの2つや3つスクラップにしてでも、革新的な技術と商品を開発して、原点に戻って、ソニー本来のイノヴェイティブなDNAを呼び覚まさない限り復活は有り得ない。
AP電により、The New York TimesもWashington Postも、
ストリンガー氏は、コンシューマーエレクトロニクス商品の下落する最悪の時期に、技術優位を確立する為に膨大な追加投資をし、コストカットなしに成長戦略を打たなければならない。
キイロールは、エンターテインメントとエレクトロニクスビジネスとの戦略的リンクの確立である。と報じている。
しかし、その程度のことなら、ソニーは十分にやってきたし対応できる。
問題は、余りにも恐竜の様に大きくなり過剰適応しすぎて、その呪縛から抜け出せなくなって業績が悪化したソニーが、いかに創造的破壊を起こして、イノヴェイティブな経営革新を導入することによって蘇ることが出来るのかなのである。
9月発表の新経営戦略構想が、アッと驚くような革新的新鮮なものであることを祈りたい。
新鮮な期待は、日本最高のグローバル企業経営と欧米文化の架け橋を構築できる経営者小林陽太郎氏の取締役会会長就任。
素晴らしいコーポレートガバナンスを期待したい。