脚本と監督が、三谷幸喜の作品、軽いノリの毒にも薬にもならない面白い映画。
国民からは、史上最悪のダメ総理と呼ばている第百二十七代内閣総理大臣(中井貴一)。大衆への演説中に、観客から石を投げられて倒れて、病院で我に返ったが、記憶喪失で、何も覚えていない。総理の記憶喪失は、トップシークレットで、真実を知るのは、秘書官3名のみ。
最高権力者の総理大臣だと言うことは分かったが、進めている政策や内閣の実情は勿論、自分の妻の様子や息子の名前さえ覚えておらず、何故だか分からずに愛人にホテルで迫られ困惑し、記憶にないことでタブロイド紙のフリーライターにゆすられ、とにかく、はちゃめたな日常を、3人の秘書官の操縦宜しく、どうにかこなしながら、過去を一切捨て去ったリセット状態になって、真っ当な政権運営に目覚めて行くと言う話。
こんなアホナ!と言うことの連続で、これが、総理大臣で、これが、政治だと思うと、眉唾物だが、普通の人間が、もし、何かの拍子に総理大臣になったら、そんなものかも知れないと思わせるところが、カリカチュアを通り越した狂言紛いの物語で、非常に面白い。
傍若無人に「記憶にはございません」と総てを突っぱねて悪政を敷いてきた支持率2.5%のダメ総理が、暴漢の石つぶてを受けて記憶喪失となって、真っ当な総理に変身して行くと言う奇想天外なストーリーだが、あくまで、フィクションだと字幕にかかれても、今の政治と重ねて見てしまうのが、庶民の悲しさなのであろうか。
さて、まず、主なキャストだが、簡潔な説明で要を得ているので、公式HPから引用すると
(・・・)は私が記入
主人公の記憶喪失の総理大臣・黒田啓介に、中井貴一。
総理を支える怪しい首相秘書官・井坂に、ディーン・フジオカ。(総理のブレイン)
熱き事務秘書官に小池栄子、(総理に徹頭徹尾忠実な秘書官)
総理の訳ありの妻・聡子に、石田ゆり子。
マイペースな官邸料理人に斉藤由貴、(大統領への総理の手作り料理を黒衣で代理)
政界を牛耳る邪悪な官房長官・鶴丸に、草刈正雄。
総理をゆする謎のフリーライター・古郡に、佐藤浩市。
米国初の日系女性大統領に木村佳乃、
白いスーツの野党第二党党首に吉田羊、(総理の愛人)
総理の恩師に山口崇、(記憶喪失の総理に三権分立などを講義)
職務熱心な警官に田中圭、(病院を抜け出した記憶喪失の総理の世話)
あこぎな建設会社社長に梶原善、(国会議事堂の隣にビル建設を計画させ献金)
石を投げるのが得意な大工に寺島進、(石を投げ総理を記憶喪失にした元凶)
キャスター役のジャーナリスト・有働由美子
NHK朝ドラ「なつぞら」で、渋い感動的な老人を演じた官房長官鶴丸の草刈正雄が、様変わりの政界の悪の権化として登場し、この悪人を、秘書のフジオカの助言で、総理の中井貴一が、ヤクザ紛いのフリーライター古郡の佐藤浩市を遣って、鶴丸の悪事を暴かせて、追放に成功する。
この時、同時に、解決金を払わなかったので、総理は、古郡に、自分の妻聡子の石田ゆり子と秘書井坂のフジオカとの不倫を暴かれて窮地に立つ。
ところが、この解決に、秘書の助言で、安易な記者会見をせずに、野党の女党首の吉田羊の助けを借りて、国会の委員会の代表質問の回答時間を利用して、場外の妻にこれまでの不忠を詫びてアイラブユーの連発、復縁を懇願すると言う挙に出る。
官邸に飛び込んできた妻と抱き合うと言うハッピーエンドだが、何とも言えない大人の茶番劇で、これだけ、茶化すと、総理と政治の世界もホームドラマになる。
総理の中井貴一は、NHKのサラメシの語り口でもそうだが、コミカルタッチの芝居も上手い。それなりの風格を示しながら、無理なく笑劇に誘い込んで行く芸の冴えは抜群で、硬軟取り混ぜての芸達者ぶりである。
ディーン・フジオカは、NHK朝ドラの五代友厚よりも、「空飛ぶタイヤ」の営業課長と言うか能吏的な役で自分の能力を存分に示すと言ったキャラクターが素晴らしい。
佐藤浩市は、親父さんに似てきて、芸に渋みとコクの深さ、味が出てきて凄い。
夫々は書けないが、男性陣の脇役の層の厚さは、大変なもので、非常に楽しませてもらった。
ところで、野党党首の吉田羊は、総理の愛人と言う設定で、記憶喪失後に激しくアタックされるので、総理の中井貴一はタジタジ、実に、魅力的な女優で、是非、舞台で観たいと思っている。
チャーミングでコケティッシュな感じのアナウンサー有働由美子の一寸斜交いに構えた語り口が、中々魅力的である。
「空飛ぶタイヤ」の週刊誌記者でも感心したのだが、総理に好意的で献身的な小池栄子の好演は見逃せない。
米国大統領を演じた木村佳乃は、芸達者で、風格と洒脱の妙を見せて流石である。
総理夫人の石田ゆり子だが、若く見えて総理夫人と言うよりもフジオカの愛人と言った方が似合う感じだが、総理が、何度も私のタイプだと強調していたから、その魅力が分かる。
とにかく、2時間、非常に面白かった。
国民からは、史上最悪のダメ総理と呼ばている第百二十七代内閣総理大臣(中井貴一)。大衆への演説中に、観客から石を投げられて倒れて、病院で我に返ったが、記憶喪失で、何も覚えていない。総理の記憶喪失は、トップシークレットで、真実を知るのは、秘書官3名のみ。
最高権力者の総理大臣だと言うことは分かったが、進めている政策や内閣の実情は勿論、自分の妻の様子や息子の名前さえ覚えておらず、何故だか分からずに愛人にホテルで迫られ困惑し、記憶にないことでタブロイド紙のフリーライターにゆすられ、とにかく、はちゃめたな日常を、3人の秘書官の操縦宜しく、どうにかこなしながら、過去を一切捨て去ったリセット状態になって、真っ当な政権運営に目覚めて行くと言う話。
こんなアホナ!と言うことの連続で、これが、総理大臣で、これが、政治だと思うと、眉唾物だが、普通の人間が、もし、何かの拍子に総理大臣になったら、そんなものかも知れないと思わせるところが、カリカチュアを通り越した狂言紛いの物語で、非常に面白い。
傍若無人に「記憶にはございません」と総てを突っぱねて悪政を敷いてきた支持率2.5%のダメ総理が、暴漢の石つぶてを受けて記憶喪失となって、真っ当な総理に変身して行くと言う奇想天外なストーリーだが、あくまで、フィクションだと字幕にかかれても、今の政治と重ねて見てしまうのが、庶民の悲しさなのであろうか。
さて、まず、主なキャストだが、簡潔な説明で要を得ているので、公式HPから引用すると
(・・・)は私が記入
主人公の記憶喪失の総理大臣・黒田啓介に、中井貴一。
総理を支える怪しい首相秘書官・井坂に、ディーン・フジオカ。(総理のブレイン)
熱き事務秘書官に小池栄子、(総理に徹頭徹尾忠実な秘書官)
総理の訳ありの妻・聡子に、石田ゆり子。
マイペースな官邸料理人に斉藤由貴、(大統領への総理の手作り料理を黒衣で代理)
政界を牛耳る邪悪な官房長官・鶴丸に、草刈正雄。
総理をゆする謎のフリーライター・古郡に、佐藤浩市。
米国初の日系女性大統領に木村佳乃、
白いスーツの野党第二党党首に吉田羊、(総理の愛人)
総理の恩師に山口崇、(記憶喪失の総理に三権分立などを講義)
職務熱心な警官に田中圭、(病院を抜け出した記憶喪失の総理の世話)
あこぎな建設会社社長に梶原善、(国会議事堂の隣にビル建設を計画させ献金)
石を投げるのが得意な大工に寺島進、(石を投げ総理を記憶喪失にした元凶)
キャスター役のジャーナリスト・有働由美子
NHK朝ドラ「なつぞら」で、渋い感動的な老人を演じた官房長官鶴丸の草刈正雄が、様変わりの政界の悪の権化として登場し、この悪人を、秘書のフジオカの助言で、総理の中井貴一が、ヤクザ紛いのフリーライター古郡の佐藤浩市を遣って、鶴丸の悪事を暴かせて、追放に成功する。
この時、同時に、解決金を払わなかったので、総理は、古郡に、自分の妻聡子の石田ゆり子と秘書井坂のフジオカとの不倫を暴かれて窮地に立つ。
ところが、この解決に、秘書の助言で、安易な記者会見をせずに、野党の女党首の吉田羊の助けを借りて、国会の委員会の代表質問の回答時間を利用して、場外の妻にこれまでの不忠を詫びてアイラブユーの連発、復縁を懇願すると言う挙に出る。
官邸に飛び込んできた妻と抱き合うと言うハッピーエンドだが、何とも言えない大人の茶番劇で、これだけ、茶化すと、総理と政治の世界もホームドラマになる。
総理の中井貴一は、NHKのサラメシの語り口でもそうだが、コミカルタッチの芝居も上手い。それなりの風格を示しながら、無理なく笑劇に誘い込んで行く芸の冴えは抜群で、硬軟取り混ぜての芸達者ぶりである。
ディーン・フジオカは、NHK朝ドラの五代友厚よりも、「空飛ぶタイヤ」の営業課長と言うか能吏的な役で自分の能力を存分に示すと言ったキャラクターが素晴らしい。
佐藤浩市は、親父さんに似てきて、芸に渋みとコクの深さ、味が出てきて凄い。
夫々は書けないが、男性陣の脇役の層の厚さは、大変なもので、非常に楽しませてもらった。
ところで、野党党首の吉田羊は、総理の愛人と言う設定で、記憶喪失後に激しくアタックされるので、総理の中井貴一はタジタジ、実に、魅力的な女優で、是非、舞台で観たいと思っている。
チャーミングでコケティッシュな感じのアナウンサー有働由美子の一寸斜交いに構えた語り口が、中々魅力的である。
「空飛ぶタイヤ」の週刊誌記者でも感心したのだが、総理に好意的で献身的な小池栄子の好演は見逃せない。
米国大統領を演じた木村佳乃は、芸達者で、風格と洒脱の妙を見せて流石である。
総理夫人の石田ゆり子だが、若く見えて総理夫人と言うよりもフジオカの愛人と言った方が似合う感じだが、総理が、何度も私のタイプだと強調していたから、その魅力が分かる。
とにかく、2時間、非常に面白かった。