熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

参議院議員選挙は終ったが

2022年07月11日 | 政治・経済・社会
   昨日の参議院議員選挙について、夜8時頃からテレビを見続けていたが、面白くなかったので、適当に止めて、結果は、朝起きてから、NHKのテレビ放送で知った。
   結果は、報道機関の下馬評通りの結果で、何も目新しい進展はなかった。

   やはり、気になったのは、自分が投票した候補者の結果であった。
   自分自身の主義信条から言えば、リベラルな自由民主主義と言うことなので、どちらかと言えば、自民党の左派ということになるが、これまで、自民党に投票したことがなく、カウンターベイリング・パワー効果を期待して、左派系の野党に投票してきた。
   学生時代も、過激な全学連などには馴染めずに、英国労働党系に近い考え方の社会党右派が、しっくり来ていたので、民主社会党の系譜に投票していた。

   今も、主義信条にあまり拘らずに、その傾向が、続いている。
   選挙区は、立憲民主党、比例代表は、社民党に投票し、
   特に、政党存続用件がかかっている社民党なので、福島瑞穂と丁寧に名前を書いた。
   福島党首が当選し、比例代表で、2%以上の得票を得て政党要件を満たしたようなので、ホッとしている。

   昨日、このブログで、参院選について、次のように書いた。
   ハッキリしていることは、今の政治のように、自民公明与党が勝利し政権が安定したとしても、日本は少しも変らない、これ以上良くなるはずもないし極端に悪くなるとも思えない、茹でガエル状態となって、日本は徐々に悪くなって行くだけである。美辞麗句を重ねてマニュフェストを連呼しているが、実質が伴いそうにない政策をいくら強調しても無意味である。

   バブル崩壊後、Japan as No.1であった日本経済を鳴かず飛ばずに陥れて、30年間経済成長から見放されて先進国でも最低水準にまで至らしめた責任政党(一時は他党も)であったことを考えれば、期待など出来るはずがない。
   経済専攻の学生なら初歩知識の分配と成長の好循環などと銘打った新しい資本主義を標榜する稚拙さ、
   経済学的には、殆ど意味不明、
   賃上げに拘る小手先だけの手法、
   
   分配政策が大切だというのなら、ピケティに習って、高額所得者・高額資産保有者達から資金を吸い上げてより貧しい人たちに再分配する、大々的な財政的再分配を策するくらい、ドラスティックなことをやらなければ、分配と成長の好循環など起こりえない。
   より高い所得に対して一層の税金を課すなど、更に累進税を強化して、高所得者から低所得者への資金移転を促し、富者や強者に、所得が一方的に集中し続けるような歴史の流れを阻止することであり、
   また、資本所得分布の偏りが急速に進み、富者に益々資産が集積して行き極端な不平等が現出されているので、巨大な資産を持つ富者に対して、資産に対する累進税を一層強化すべきである。
   このような累進税をベースとした税制改革を実施し、財政政策の抜本的な転換を図って所得を平準化して、低所得者の所得を増大させれば、低所得者の生活条件が改善されると同時に、経済格差の解消にもなり、需要も拡大して成長に繋がる。
   これなら、新しい資本主義と言っても許されるであろう。

   We are the 99%%.運動が、ウォール街を震撼させて極に達したグローバルベースの経済格差拡大の深刻さが、民主主義社会の根幹を揺るがせており、早晩、日本社会をも窮地に追い込む。自民公明与党には、それに対処するドラスティックな才覚も能力も欠いており、日本経済の起死回生どころか、失われた○○年が継続し続けるとしか思えない。

   資産を継承しただけで雪だるま式に富豪になり、ICTへの知見があると言うだけで高所得を得る豊かな人がいる一方、給食代さえ払えずに登校拒否する貧困児童が増加の一途を辿っているなど、日本の貧困率が先進国で最悪だと言う経済格差の酷さ、
   温和しいので声を出せずに泣き続け路頭に迷う多くの貧困国民を窮地に追い込んで、何が分配と成長の好循環か、

   先日、早稲田の上村達男教授の言を引いて、
   明治以降営々と積み上げてきた日本の法体系、規範意識を、安倍政権が如何に破壊し続けてきたか、選挙によって一切が許される政権と言う幻想を抱いて、リーガルマインドなき政権運営、経済運営をしてきたか、・・・と書いた。
   違憲だと抗議する法曹界あげての反対を押し切って、安保法案を強行採決し、集団的自衛権への道を開いた。

   今度の参議院議員選挙で、自民党で過半数を制する圧勝であった。
   そして、憲法改正への道も切り開かれた。改憲勢力が、憲法改正に突っ走るのは必定。
   リーガルマインドなき政権運営、経済運営をしてきた安倍政権の後継者である岸田政権が、
   反対勢力が力を喪失して、有効なチェック機能が働かなくなってしまった政治の世界で、
   「選挙によって一切が許される政権と言う幻想を抱いて」、国政に当ったらどうなるのか、

   太平天国にどっぷり浸かって危機意識の欠如した日本の国民気質と能天気ぶり、
   何の理想も目標も国民に示し得なくて良識の府を守れずに敗退し続ける野党の不甲斐なさが、実に悲しい。

   末筆ながら、安倍元首相の偉業に敬意を表し、ご冥福を心からお祈り致します。
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