
最近、地球温暖化について、少し、一般の関心が戻ってきた感じがするのだが、スーパー台風や大雨洪水、大地震など巨大な自然災害が勃発すると、地球環境の危機を意識するものの、直接日常生活に深刻な不安がないので、宇宙船地球号が悲鳴を上げているという実感なり意識が全くなく、悲しいかな、「茹でガエル」状態に甘んじている。
ゴーストライターに書かせた自分の著書さえ真面に読んだ事もないし、本など殆ど読んだ事がないと言うトランプだから、当然、IPCCの報告書など読むはずがなく、初歩的な知識さえあるのかないのか、特々と、パリ協定破棄を宣言しており、それに、熱狂して拍手喝采する沢山のアメリカ国民を見ていると、 サミュエル・ハンチントンではないが、別な意味で、深刻な文明の衝突を感じざるを得ない。極論すれば、智と愚の衝突としか思えないのである。
さて、地球温暖化について、原因は色々あるが、
太陽の黒点が多い時には太陽が放つエネルギーが多く、少ない時にはエネルギーが少ない。地球に届く太陽の光の強さは、可視光線だけではなく波長の短い紫外線や長い赤外線も含め、今では人工衛星によって観測されているが、その数値は黒点の増減と一致している。黒点の減った20世紀後半には、太陽の放つ光の量が本当に減っていたので、地球の気温が下がる筈だったが、上がり続けたのである。
1963年にインドネシアのアグン、1982年にメキシコのエルチチョン、1991年のフィリピンのピナツボと相次いで大噴火し、広くまき散らされた火山灰が地球の一部を遮った。自然現象だけが温暖化の要因なら、黒点が少なく弱くなった太陽の光が火山灰に遮られた20世紀後半の地球は、表面温度が下がっていた筈である。
ところが、現実は逆で、20世紀半ば以降、温度は、華氏1度近く上がり続けている。今や自然の要因だけが地球の気候を支配しているのでない証拠で、人間の力が大きさを増し、自然のメカニズムに暗い影を落とし始めている。
2014年の第5次IPCC報告では、“人間の影響が20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な(dominant)要因で あった可能性が極めて高い(95%以上)” と述べている。
さて、人類の自然の破壊も凄くて、
中央アジアのアラル海は、北米の五大湖とアフリカのヴィクトリア湖に次ぐ世界第3位の広さの湖であったのが、湖に注ぐ2本の河を綿花畑の灌漑用に分水して、今や10分の1に縮小。
アメリカ西部からメキシコに流れる大河コロラド川は、上流のアメリカが取水して、メキシコまで流れる水は僅かで、海に届く前に干上がってしまう。
ガンジス川もナイル川でも状況はよく似たもので、河口付近の流れは極めて細い。
川は、工場排水や生活用水に含まれる危険な化学物質や、農地から流失した化学肥料や農薬などを運び、海の生態系を壊して微生物以外の生命体が消えた千か所に近い「デッドゾーン」を、海洋に広げている。
アメリカ人が1年間に汲み出す地下水は、コロラド川のおよそ15本だと言うが、再生不可能な地下水が枯渇するところも出たり、水位がどんどん下がっていて、お先真っ暗。
また、地球の温暖化は、この水源である氷河を危険にさらしており、人類に壊滅的な打撃を与える。
例えば、アジアの「世界の屋根」の氷塊、1万5000以上の氷河でおよそ3000立方マイルの淡水に相当し、この水とモンスーン降雨と雪解け水が、ブラマプト川、ガンジス川、インダス川に流れて、インド、パキスタン、バングラデシュを潤しているが、地球温暖化によって、過去20年間にヒマラヤの氷河が解け続けていて、20年か30年くらいで氷が殆ど底をついてしまい、大河が干上がってしまう。
海水面の上昇で、多くの大都市や国を水没させる危険は言うまでもない。
20世紀の石油、21世紀の「水」
21世紀には、水こそ最重要な資源となり、水を巡る国際紛争が熾烈を極める。
前述のコロラド川を巡るアメリカとメキシコは、何十年もの水争いが続いており、
9か国がドナウ川を、6か国がザンベジ川を、4か国がヨルダン川を共有しており、水不足は、どの国にとっても死活問題で国際紛争が絶えず、
トランプは、能天気だが、アメリカ国防総省は、国家安全保障に対する気候変動の影響に関する調査で、水不足は、国家間の関係を不安定にしかねない要因であると指摘し、「軍事的な対決は、イデオロギーや宗教、国家の威信を巡る争いよってよりも、エネルギーや食糧、水といった天然資源に対する切実な必要によって引き起こされるかも知れない。」と言っている。
水だけの問題を考えても、地球の温暖化によって、例えば、バングラデシュの場合、先のヒマラヤ氷河の凍解で、水位の低いガンジス川の水資源が枯渇し、逆に海水面の上昇で低地帯は水没する心配が増大するであろうし、水質悪化による汚染や、サイクロンなど自然大災害の増大などの危険が考えられ、大変な不安がある。
太平洋上の小国ツバルを考えても、島の殆どが海抜1メートルにも満たない状態であるから、海面が1メートル上昇すれば水没するのだが、今でも、潮は海岸線から内陸へ押し寄せるだけではなく、水中からサンゴと土壌を通って地上に水が染み出ていて、ぐしょぬれのスポンジの上で暮らしているようなものだという。
我々日本人も、地球温暖化による「これまでに経験したことのない、100年に一度の」大自然災害の直撃に会って苦難を味わわされているのだが、このままでは、
地球上の氷河がどんどん溶けて海水面が上昇して、東京や上海やニューヨークが水没するのは、時間の問題だという。
国の借金の増大で、孫の世代に禍根を残すべきではないと騒いで入るが、それと同じように、よって立つ宇宙船地球号を無人衛星にしても良いのか、真剣に考えるべきであろうと思う。
ゴーストライターに書かせた自分の著書さえ真面に読んだ事もないし、本など殆ど読んだ事がないと言うトランプだから、当然、IPCCの報告書など読むはずがなく、初歩的な知識さえあるのかないのか、特々と、パリ協定破棄を宣言しており、それに、熱狂して拍手喝采する沢山のアメリカ国民を見ていると、 サミュエル・ハンチントンではないが、別な意味で、深刻な文明の衝突を感じざるを得ない。極論すれば、智と愚の衝突としか思えないのである。
さて、地球温暖化について、原因は色々あるが、
太陽の黒点が多い時には太陽が放つエネルギーが多く、少ない時にはエネルギーが少ない。地球に届く太陽の光の強さは、可視光線だけではなく波長の短い紫外線や長い赤外線も含め、今では人工衛星によって観測されているが、その数値は黒点の増減と一致している。黒点の減った20世紀後半には、太陽の放つ光の量が本当に減っていたので、地球の気温が下がる筈だったが、上がり続けたのである。
1963年にインドネシアのアグン、1982年にメキシコのエルチチョン、1991年のフィリピンのピナツボと相次いで大噴火し、広くまき散らされた火山灰が地球の一部を遮った。自然現象だけが温暖化の要因なら、黒点が少なく弱くなった太陽の光が火山灰に遮られた20世紀後半の地球は、表面温度が下がっていた筈である。
ところが、現実は逆で、20世紀半ば以降、温度は、華氏1度近く上がり続けている。今や自然の要因だけが地球の気候を支配しているのでない証拠で、人間の力が大きさを増し、自然のメカニズムに暗い影を落とし始めている。
2014年の第5次IPCC報告では、“人間の影響が20世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な(dominant)要因で あった可能性が極めて高い(95%以上)” と述べている。
さて、人類の自然の破壊も凄くて、
中央アジアのアラル海は、北米の五大湖とアフリカのヴィクトリア湖に次ぐ世界第3位の広さの湖であったのが、湖に注ぐ2本の河を綿花畑の灌漑用に分水して、今や10分の1に縮小。
アメリカ西部からメキシコに流れる大河コロラド川は、上流のアメリカが取水して、メキシコまで流れる水は僅かで、海に届く前に干上がってしまう。
ガンジス川もナイル川でも状況はよく似たもので、河口付近の流れは極めて細い。
川は、工場排水や生活用水に含まれる危険な化学物質や、農地から流失した化学肥料や農薬などを運び、海の生態系を壊して微生物以外の生命体が消えた千か所に近い「デッドゾーン」を、海洋に広げている。
アメリカ人が1年間に汲み出す地下水は、コロラド川のおよそ15本だと言うが、再生不可能な地下水が枯渇するところも出たり、水位がどんどん下がっていて、お先真っ暗。
また、地球の温暖化は、この水源である氷河を危険にさらしており、人類に壊滅的な打撃を与える。
例えば、アジアの「世界の屋根」の氷塊、1万5000以上の氷河でおよそ3000立方マイルの淡水に相当し、この水とモンスーン降雨と雪解け水が、ブラマプト川、ガンジス川、インダス川に流れて、インド、パキスタン、バングラデシュを潤しているが、地球温暖化によって、過去20年間にヒマラヤの氷河が解け続けていて、20年か30年くらいで氷が殆ど底をついてしまい、大河が干上がってしまう。
海水面の上昇で、多くの大都市や国を水没させる危険は言うまでもない。
20世紀の石油、21世紀の「水」
21世紀には、水こそ最重要な資源となり、水を巡る国際紛争が熾烈を極める。
前述のコロラド川を巡るアメリカとメキシコは、何十年もの水争いが続いており、
9か国がドナウ川を、6か国がザンベジ川を、4か国がヨルダン川を共有しており、水不足は、どの国にとっても死活問題で国際紛争が絶えず、
トランプは、能天気だが、アメリカ国防総省は、国家安全保障に対する気候変動の影響に関する調査で、水不足は、国家間の関係を不安定にしかねない要因であると指摘し、「軍事的な対決は、イデオロギーや宗教、国家の威信を巡る争いよってよりも、エネルギーや食糧、水といった天然資源に対する切実な必要によって引き起こされるかも知れない。」と言っている。
水だけの問題を考えても、地球の温暖化によって、例えば、バングラデシュの場合、先のヒマラヤ氷河の凍解で、水位の低いガンジス川の水資源が枯渇し、逆に海水面の上昇で低地帯は水没する心配が増大するであろうし、水質悪化による汚染や、サイクロンなど自然大災害の増大などの危険が考えられ、大変な不安がある。
太平洋上の小国ツバルを考えても、島の殆どが海抜1メートルにも満たない状態であるから、海面が1メートル上昇すれば水没するのだが、今でも、潮は海岸線から内陸へ押し寄せるだけではなく、水中からサンゴと土壌を通って地上に水が染み出ていて、ぐしょぬれのスポンジの上で暮らしているようなものだという。
我々日本人も、地球温暖化による「これまでに経験したことのない、100年に一度の」大自然災害の直撃に会って苦難を味わわされているのだが、このままでは、
地球上の氷河がどんどん溶けて海水面が上昇して、東京や上海やニューヨークが水没するのは、時間の問題だという。
国の借金の増大で、孫の世代に禍根を残すべきではないと騒いで入るが、それと同じように、よって立つ宇宙船地球号を無人衛星にしても良いのか、真剣に考えるべきであろうと思う。