
環境問題については、このブログでも何回も書いたが、「宇宙船地球号」の危機に関しては極めて悲観的である。
人類の叡智は、大津波と同じで襲って来るまではその危険に気付かないと言う歴史の繰り返しでありいまだにこれから一歩も出ていないし、自然環境の破壊によるエコシステムの崩壊に関しては、起これば最後で人類の滅亡待ったなしであるからである。
人間は考える葦だとパスカルは言ったが、考えてなどいない唯の弱い葦に過ぎない、一吹きの蒸気で死んでしまう弱い生き物に過ぎないのである。
ナショナル・ジオグラフィックが、この1月号から、100周年を迎えたチャンスに「かけがえのない地球を守る」キャンペーンとして「地球の悲鳴」と言うシリーズ企画を打ち上げることにした
第一回目に「アマゾン 消えゆく地上最大の熱帯雨林」を特集して、如何に、最後に残された自然の宝庫であるアマゾンが崩壊しつつあるかを克明に綴っている。
この口絵写真は、30年前にブラジルで発行された観光ガイドの写真の上にナショナル・ジオグラフィックの表紙を重ねたものだが、熱帯雨林が鬱蒼と繁茂するアマゾン流域と切り裂かれてたった1本だけ木の残った台地との対比が象徴的である。
ブラジルの大地はテラロッサなので強烈な赤茶色で、ジャングルに切り開かれた道や農地の毒々しさは異様な光景である。
私は、ブラジルの真っ赤な川の流れを上空から始めて見たときにはビックリしてしまった。
ところで、ナショナル・ジオグラフィックは、
「ブラジル・アマゾンの熱帯雨林は、この40年間に20%近くが消滅した。これは、欧米諸国が南米に進出し始めて450年の間に失われた森林の総面積を上回る広さだ。今後20年間に更に20%が失われると見られ、そうなれば森林の生態系は崩壊する。」と言った出だしで、如何にアマゾンの熱帯雨林が危機的な状態にあるのかを語っている。
農業やその他の開発で毎年2万平方キロの熱帯雨林が失われており、最近ブラジル政府が6万5千平方キロの特別保護区を設けて国立公園や先住民居住区などの保護区を加えて開拓の拡大に対抗する「安全の砦」を設置したが、森林の違法乱伐や土地泥棒達の跋扈が後を絶たず、森林の消滅には歯止めがかからないのだと言うのである。
私がブラジルにいた頃は軍事政権であったが、あの頃に設定された法律で林業や牧畜に重点を置いて有力者達に土地を与えており、その不在地主である特権階級が独占した土地が大規模な乱開発の元凶であり、本来アマゾンのエコシステムを守り森の恵を共有していた小集団を駆逐しているようである。
アメリカ生まれのスタング修道女が、皆で力を合わせて環境に対する意識の高い闘う共同体を作り、自分達の生活の場を奪おうとする暴力的な人びとに抵抗しようとして頑張っていたが、乱開発土地泥棒の用心棒に射殺されてしまった。
森林破壊の元凶は道路で、公道以外に、マホガニー等の高価な材木を伐採する為に17万キロに及ぶ違法な私道が建設され、その後に、土地の不法占拠者が入り込み、ブラジル政府の「環境再生可能天然資源院(IBAMA)の役人を抱きこんで偽造した伐採許可書で熱帯雨林を蚕食して行く。
魚の骨のように白く剥き出しになった道路網が原始林を引っかくように写っている写真を見て、その醜悪さに暗澹としてしまった。
手薄なIBAMAの役人の監視監督が殆ど機能せず、無法者の乱開発者が我が物顔に振舞っているだけではなく、アマゾンを抱え込むマット・グロッソ州のブライロ・マジ知事は、世界最大の大豆生産会社の社長で、森林資源を搾取するグループの代表格だと言う。
もっと悪いことに、アマゾン地域に、アメリカの農機具メーカーが5店舗も出店しており、ADM,ゲンブ、カーギルと言った米系食品多国籍企業のサイロが林立している。市場原理主義で金儲けなら何でもすると言う米国主導のグローバリゼーションの毒牙と魔手がアマゾンのエコシステム破壊の片棒を担ぎ始めているのである。
京都議定書を拒否するブッシュ政権を支える多国籍企業の倫理概念がどの程度なのか、昔、学生時代に米国の多国籍企業が如何に中南米の経済を食い物にして来たのかを学んだ記憶があるが、何十年経っても何も変っていないのであろうか。
それよりも、アマゾンの熱帯雨林の消滅だが、地球規模で対処すべきこの重要な問題は到底ブラジル政府の手に負える仕事ではない。
人類の将来に対する存亡の危機だが、アメリカが頼りにならない今日、これこそ日本政府が先頭に立って戦略を立ててブラジルを助けるべき緊急の課題のような気がしているのだがどうであろうか。
人類の叡智は、大津波と同じで襲って来るまではその危険に気付かないと言う歴史の繰り返しでありいまだにこれから一歩も出ていないし、自然環境の破壊によるエコシステムの崩壊に関しては、起これば最後で人類の滅亡待ったなしであるからである。
人間は考える葦だとパスカルは言ったが、考えてなどいない唯の弱い葦に過ぎない、一吹きの蒸気で死んでしまう弱い生き物に過ぎないのである。
ナショナル・ジオグラフィックが、この1月号から、100周年を迎えたチャンスに「かけがえのない地球を守る」キャンペーンとして「地球の悲鳴」と言うシリーズ企画を打ち上げることにした
第一回目に「アマゾン 消えゆく地上最大の熱帯雨林」を特集して、如何に、最後に残された自然の宝庫であるアマゾンが崩壊しつつあるかを克明に綴っている。
この口絵写真は、30年前にブラジルで発行された観光ガイドの写真の上にナショナル・ジオグラフィックの表紙を重ねたものだが、熱帯雨林が鬱蒼と繁茂するアマゾン流域と切り裂かれてたった1本だけ木の残った台地との対比が象徴的である。
ブラジルの大地はテラロッサなので強烈な赤茶色で、ジャングルに切り開かれた道や農地の毒々しさは異様な光景である。
私は、ブラジルの真っ赤な川の流れを上空から始めて見たときにはビックリしてしまった。
ところで、ナショナル・ジオグラフィックは、
「ブラジル・アマゾンの熱帯雨林は、この40年間に20%近くが消滅した。これは、欧米諸国が南米に進出し始めて450年の間に失われた森林の総面積を上回る広さだ。今後20年間に更に20%が失われると見られ、そうなれば森林の生態系は崩壊する。」と言った出だしで、如何にアマゾンの熱帯雨林が危機的な状態にあるのかを語っている。
農業やその他の開発で毎年2万平方キロの熱帯雨林が失われており、最近ブラジル政府が6万5千平方キロの特別保護区を設けて国立公園や先住民居住区などの保護区を加えて開拓の拡大に対抗する「安全の砦」を設置したが、森林の違法乱伐や土地泥棒達の跋扈が後を絶たず、森林の消滅には歯止めがかからないのだと言うのである。
私がブラジルにいた頃は軍事政権であったが、あの頃に設定された法律で林業や牧畜に重点を置いて有力者達に土地を与えており、その不在地主である特権階級が独占した土地が大規模な乱開発の元凶であり、本来アマゾンのエコシステムを守り森の恵を共有していた小集団を駆逐しているようである。
アメリカ生まれのスタング修道女が、皆で力を合わせて環境に対する意識の高い闘う共同体を作り、自分達の生活の場を奪おうとする暴力的な人びとに抵抗しようとして頑張っていたが、乱開発土地泥棒の用心棒に射殺されてしまった。
森林破壊の元凶は道路で、公道以外に、マホガニー等の高価な材木を伐採する為に17万キロに及ぶ違法な私道が建設され、その後に、土地の不法占拠者が入り込み、ブラジル政府の「環境再生可能天然資源院(IBAMA)の役人を抱きこんで偽造した伐採許可書で熱帯雨林を蚕食して行く。
魚の骨のように白く剥き出しになった道路網が原始林を引っかくように写っている写真を見て、その醜悪さに暗澹としてしまった。
手薄なIBAMAの役人の監視監督が殆ど機能せず、無法者の乱開発者が我が物顔に振舞っているだけではなく、アマゾンを抱え込むマット・グロッソ州のブライロ・マジ知事は、世界最大の大豆生産会社の社長で、森林資源を搾取するグループの代表格だと言う。
もっと悪いことに、アマゾン地域に、アメリカの農機具メーカーが5店舗も出店しており、ADM,ゲンブ、カーギルと言った米系食品多国籍企業のサイロが林立している。市場原理主義で金儲けなら何でもすると言う米国主導のグローバリゼーションの毒牙と魔手がアマゾンのエコシステム破壊の片棒を担ぎ始めているのである。
京都議定書を拒否するブッシュ政権を支える多国籍企業の倫理概念がどの程度なのか、昔、学生時代に米国の多国籍企業が如何に中南米の経済を食い物にして来たのかを学んだ記憶があるが、何十年経っても何も変っていないのであろうか。
それよりも、アマゾンの熱帯雨林の消滅だが、地球規模で対処すべきこの重要な問題は到底ブラジル政府の手に負える仕事ではない。
人類の将来に対する存亡の危機だが、アメリカが頼りにならない今日、これこそ日本政府が先頭に立って戦略を立ててブラジルを助けるべき緊急の課題のような気がしているのだがどうであろうか。