熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

エスファハーン旱魃で干上がる

2022年06月13日 | 地球温暖化・環境問題
   今夜のNHK BS1の国際報道2022で、イランの古都エスファハーンが、地球温暖化の被害を受けて、異常な旱魃で干上がっていると報道していた。
   エスファハーンは、16世紀末にサファヴィー朝の首都として発展した東西交易の要所で、「イランの真珠」と称されるほど美しい都市で、ユネスコの世界遺産に登録されている。
   この口絵写真のジャーメ・モスクなどが、地下水汲み上げで地盤沈下して、美しいタイルの壁面に亀裂が入って毀損し始めているというのである。
   私は、イスラム圏では、サウジアラビアしか行っていないので、この素晴らしさは分からないが、スペインのグラナダのアルハンブラ宮殿へは、2度訪れているので、イスラム建築やその美については痛く感激しており、これらの毀損崩壊は、大変な人類遺産の損失だと思って心配している。
   

   放送の冒頭の映像は、33のアーチを備えた、アッバース2世の時代に完成した美しいハージュ橋で、満々と水をたたえて大河に影を映していたのが、今では、完全に干上がって川底を露出した大地に立った陸橋のような姿になっている。
   次の写真集の左上の橋で、開閉式になっていてダムとしても利用されているようだが、水が殆ど流れていないので、水のためようがない。
   エスファハーンの干上がった田園地帯では、多くの農地を放棄しながらも、200㍍の井戸を掘って汲み上げた地下水を使って、細々と小麦を耕作している様子を紹介している。
   このあっちこっちでの地下水吸い上げで、陥没や地盤沈下を起して、各地の文化遺産は勿論、一般市民の住宅にも打撃を与えて崩壊寸前だという。
   

   NHKの国際ニュースで、パキスタンの干害の酷さも報道していて、小麦生産の被害が壊滅的で、ウクライナ戦争の余波も絡んで、大変な食糧危機だと言う。
   インドの47度を超す熱波による被害も致命的で、これら報道されているのは、殆ど氷山の一角であろう。
   ロシアの国際秩序破壊戦争の悪影響が重なって、世界中、特に、弱者の最貧国の人々に与える食糧危機とその被害の甚大さは、いかばかりか、
   それに、コロナの蔓延問題も、まだ、終熄しておらず、発展途上国の社会を苦しめている。

   少し話が飛ぶが、中国による南太平洋諸島への進出が話題になってるが、隣国のオーストラリアを袖にして西側との距離を置くのは、オーストラリアが地球温暖化に対して消極的であったからだという。
   これら南太平洋諸島の国々にとっては、地球温暖化による海面上昇で国土が蚕食される危機は、まさに、死活問題なのである。

   地球温暖化の影響は、徐々に、地球のエコシステムを窮地に追い込み、地球が耐えきれずに、悲鳴を上げている。
   
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