熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

人生は、ジェットコースター・・・ewoman佐々木かをり社長

2007年07月30日 | 経営・ビジネス
   「人生は、ジェットコースター」
   「ジェットコースターのようにアップ アンド ダウンするのが人生である。落ちるときにはブレーキを踏まずに大声で万歳して落ちよ」と勇ましいことを言うのはイー・ウーマンの佐々木かをり社長で、日立のuVALUE CONVENTION 2007の基調講演「主役力を高める~元気の夢を実現するヒント」でユニークで面白い人生訓を展開した。
   「自分自身の生き方に責任を持って、人生を主役として生きることが大切で、そのような向上心と責任感のある主体的に生きる人間同士の営みが社会を豊かにして行く。
   自分の人生を一人称で語れるように I statementを書くことに心がけ、手帳に時間単位で行動計画表を書き込んで、アクションプランナーとして生きること、そして、自分の期待している行動と現実の行動の乖離を出来るだけ少なくするように時間管理をすることが肝要である。」
   こんな趣旨の話だったと思うのだが、私のように行き当たりばったりに、とにかく、無計画にやりたいことをやって生きてきた人間には、息の詰まるような話であった。

   たしか、ワタミの渡辺社長も同じ様に独自の手帳を作ってこれが自分の成功の秘密だと語っていたのを思い出したが、最近の起業家の人たちは、手帳にしろ何にしろ目標を掲げてこれに忠実に邁進すべく努力して夢を実現している人が多い。
   諦めたら何にもならない、それだけで終わってしまう。しかし、諦めずに努力しておれば、運が良ければいつかは実現する可能性はあるのだが、中々凡人はそれが出来ず、努力半ばで諦めて匙を投げてしまう。

   ところで、佐々木社長の話で面白かったのは、ジェットコースターに乗る人は落ちる時のスリルを楽しんでいる筈。人生も同じで、どうせ落ちたらまた上がるのだから、落ちる時にブレーキを踏まずに楽しみながら落ちよと言う論理展開である。
   落ち方にもよるが、どうして耐えるのか、他人事だからそんなことが言えるのであって、無責任といえば無責任な話である。

   ブレーキと聞くと何時もシュンペーターのブレーキ論を思い出す。
   「ブレーキは、何の為にあるのか。」
   止まる為にあるのに決まっているじゃないか、と答えたくなるのが凡人で、シュンペーターは「より早く走るためにある。」と答える。
   ブレーキを踏めば、何時でも好きな所で好きな時に止まれるのが分かっているから、思い切ってスピードを出せるのである。
   私は、ドイツのアウトバーンで、200キロをオーバーする速度で、ベンツやアウディを走らせていたが、スピード恐怖症の私にも不安はなかった。
   押して駄目なら引いてみよ、と言うことばと相通じる逆転の発想だが、この発想が出来るか出来ないかででは、人生生き方に雲泥の差が出る。

   佐々木社長の話を、こんな気持ちで聞いていた。
   何故、今、自分は必死になってブレーキを踏んでいるのか、急がば回れで、もう一度考え直してみると、案外、長いトンネルの向こうの雪国が見えてくる。

   余談だが、佐々木社長は、TVの取材で、アフリカ旅行で一緒した黒柳徹子と久米宏の会話を紹介していた。
   黒柳徹子「眠ることも仕事のうち。」
   久米宏「ベッドだけは良いものを買うこと。」
   元気の秘密と言うことで、健康管理の重要性を説明した時に語ったことだが、私自身、若い頃には世界中を歩いていたので、毎日ベッドは変わるし時差ぼけや気候の急激な変化などで体調を整えるのに苦労をしたので、この点は肝に銘じている。
   
   何れにしろ、佐々木社長の言うように「人生は、ジェットコースター」。何か良く分からないうちに、アップ アンド ダウンしている時が一番幸せなのかも知れないと言う気がし始めている。
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