
心理学者として活躍中の和田秀樹氏が「大人のための読書法」と言う新書を出した。
読書嫌いであった和田先生が何故読書の達人になったのか、それはアメリカ留学による必要に迫られたリーディング・アサインメント(授業前必須の読書宿題)の結果であるとして、有益な大人の読書法を開陳している。
本の帯の見出しが、『速読よりはやく斜め読みより確実な本の読み方教えます』と言うことだが、本当かどうか、教えられることが結構あったので、私なりの感想を記してみたい。
私の経験から言えば、アメリカの大学院では、その日のテーマが決まっているので、その授業の始まる前に、学生は十分にテキストや参考資料等熟読して勉強し準備万端整ったと言う前提で授業に臨まなければならない。
MBAコースの場合であるが、例えば、某大企業の労働争議のケース・スタディとなると、その争議について書かれた膨大なケース本のみならず、人事労務管理の専門書、労働法や労働争議の歴史や色々なケースを扱った関連参考書・参考資料等、時には、何百ページにも亘るリーディング・アサインメントが義務付けられる。
普通、最初の授業の時に、授業スケジュール一覧が渡されて、その中に、細部にわたって参考書やリーディング・アサインメントが、詳細に記載されていて、日本のように2冊や3冊の参考書で済む訳はなく、図書室に篭って膨大な資料をコピーしなければならないこともある。
リーディング・アサインメントで読む本なり参考書は、全頁ではなく、当該テーマの勉強に必要な章なり部分だけであることに目をつけて、和田先生の指摘ポイントは、本を読む時に、完全主義者は前頁を読もうとするがこれは愚の骨頂であり、必要な所だけを抽出して読めばそれで十分であり、この方法が最適であると言うことである。
完全主義者は、本も完璧に最後まで読まないと気がすまないので、無駄な部分も時間を取って読むので遅くなるが、今日のように本や情報が溢れている時代には、ジャンルを絞っても全てをカバーできる状態ではないから、『全部読む』と言う発想を捨てない限りやって行けない、と仰る。
これには全く異存はないが、私の場合は、使い分けていて、仕事や勉強の為の読書には、必要な箇所を重点的に読む方法を取って、他の本は、残念ながら、ダメだなあと思いながらも最後まで読もうとする性向が強かった。
従って、どちらかと言うと、完全主義者に近い方で、時間を無駄にしてきた口だが、膨大な本に囲まれて、ボツボツ人生もユーターンになり始めると、読みたい本が多くて時間が惜しくなり、並行読み、飛ばし読み、とにかく、多くの本を読みこなす方に方向転換してきた。
もう一つ完全に読み通す理由があったのは、アマゾンのブックレビューに投稿していたからでもある。レビューするためには、著者への礼儀としても当然である。
ところが、最近、私のレビューに対して何でも「いいえ」と打ち込む悪意の評価者が出たので、投稿を止めにして、このブログで読後の感想などを書くことにした。
さて、和田先生のコメントで最も重要なことは、読書は、自分を高める為の道具や武器として使うべきもので、頭の中に知識を蓄えるのが理想である、と言うことである。
知識が頭の中にあるものとすれば、情報は頭の外にあるもので、今のように情報で溢れている時代には、沢山の情報に触れることはそれ自体に価値がない。知識化を優先して、取り入れる情報は少なくする方が良い、と仰る。
完全主義者からの脱却が鍵であり、良質な情報をキャッチして如何に知識化するかがポイントなのであろうが、正直な所、中々難しい。
「本以外の情報源をどう活用するか」と言うことで、新聞や雑誌、TVラジオ、インターネット等について書かれているが、本に優る情報源はないと言う説には賛成である。情報発信者としては、他の手段に比べて本に一番注力を結集するからである。
私は、昔から本一辺倒で、週刊誌は普通読まない。今定期購読しているのは日経からの日経ビジネス等、それに、FOREIGN AFFAIRS 程度で、月間総合誌や経済経営専門誌等は、必要に応じて買っている。
昔、社長に、「新聞を読みませんね。」と言われて困ったことがあったが、その上、在勤や出張で海外にいると日本語の新聞へのアクセスが困難になる。今でこそ、アップツーデイトな情報には結構注意しているが、確かに、マトモナ書籍尊重主義で、新聞や雑誌などにあまり注意を払わなかった時期があった。
日常の情報源は新聞とインターネットで十分である。
アップツウデイトな経済経営関係は、野村證券のホームトレード・サービスで、日経関係の膨大な情報は言うに及ばず多岐に亘る貴重な情報が瞬時に手に入る。
インターネットは、日本のメディアの他に、NEWYORK TIMES, WASHINGTON POST、WALL STREET J,FT,THE TIMES, INDEPENDENT,それに、THE ECONOMIST, BUSINESS WEEK, TIME, MEWSWEEK等の電子版を流し読みしている。
それに、BBCやCNN,ABC,NBC等の放送関係の情報源も役に立つ。
FTやECONOMISTは、最近、購読者専用となりブロックされて読めない記事が多くなったが、別に不都合はなく購読するほどのこともないので、読める所だけで満足している。
しかし、日本の新聞や放送メディア等のインターネット・ページは、動画を含めても、何故、あんなに大衆迎合的で程度が低いのか不思議に思っている。
もう一つ役に立つのは、メルマガで、日経関係の多くのもの、野口悠紀雄、大前研一と言った先生方のモノで、これが結構役に立っている。
とにかく、情報の洪水、如何に優良な情報源にアクセスして、それを咀嚼して取り込み自分のものとして消化出来るか、日々の戦いの継続、これが現状である。
読書嫌いであった和田先生が何故読書の達人になったのか、それはアメリカ留学による必要に迫られたリーディング・アサインメント(授業前必須の読書宿題)の結果であるとして、有益な大人の読書法を開陳している。
本の帯の見出しが、『速読よりはやく斜め読みより確実な本の読み方教えます』と言うことだが、本当かどうか、教えられることが結構あったので、私なりの感想を記してみたい。
私の経験から言えば、アメリカの大学院では、その日のテーマが決まっているので、その授業の始まる前に、学生は十分にテキストや参考資料等熟読して勉強し準備万端整ったと言う前提で授業に臨まなければならない。
MBAコースの場合であるが、例えば、某大企業の労働争議のケース・スタディとなると、その争議について書かれた膨大なケース本のみならず、人事労務管理の専門書、労働法や労働争議の歴史や色々なケースを扱った関連参考書・参考資料等、時には、何百ページにも亘るリーディング・アサインメントが義務付けられる。
普通、最初の授業の時に、授業スケジュール一覧が渡されて、その中に、細部にわたって参考書やリーディング・アサインメントが、詳細に記載されていて、日本のように2冊や3冊の参考書で済む訳はなく、図書室に篭って膨大な資料をコピーしなければならないこともある。
リーディング・アサインメントで読む本なり参考書は、全頁ではなく、当該テーマの勉強に必要な章なり部分だけであることに目をつけて、和田先生の指摘ポイントは、本を読む時に、完全主義者は前頁を読もうとするがこれは愚の骨頂であり、必要な所だけを抽出して読めばそれで十分であり、この方法が最適であると言うことである。
完全主義者は、本も完璧に最後まで読まないと気がすまないので、無駄な部分も時間を取って読むので遅くなるが、今日のように本や情報が溢れている時代には、ジャンルを絞っても全てをカバーできる状態ではないから、『全部読む』と言う発想を捨てない限りやって行けない、と仰る。
これには全く異存はないが、私の場合は、使い分けていて、仕事や勉強の為の読書には、必要な箇所を重点的に読む方法を取って、他の本は、残念ながら、ダメだなあと思いながらも最後まで読もうとする性向が強かった。
従って、どちらかと言うと、完全主義者に近い方で、時間を無駄にしてきた口だが、膨大な本に囲まれて、ボツボツ人生もユーターンになり始めると、読みたい本が多くて時間が惜しくなり、並行読み、飛ばし読み、とにかく、多くの本を読みこなす方に方向転換してきた。
もう一つ完全に読み通す理由があったのは、アマゾンのブックレビューに投稿していたからでもある。レビューするためには、著者への礼儀としても当然である。
ところが、最近、私のレビューに対して何でも「いいえ」と打ち込む悪意の評価者が出たので、投稿を止めにして、このブログで読後の感想などを書くことにした。
さて、和田先生のコメントで最も重要なことは、読書は、自分を高める為の道具や武器として使うべきもので、頭の中に知識を蓄えるのが理想である、と言うことである。
知識が頭の中にあるものとすれば、情報は頭の外にあるもので、今のように情報で溢れている時代には、沢山の情報に触れることはそれ自体に価値がない。知識化を優先して、取り入れる情報は少なくする方が良い、と仰る。
完全主義者からの脱却が鍵であり、良質な情報をキャッチして如何に知識化するかがポイントなのであろうが、正直な所、中々難しい。
「本以外の情報源をどう活用するか」と言うことで、新聞や雑誌、TVラジオ、インターネット等について書かれているが、本に優る情報源はないと言う説には賛成である。情報発信者としては、他の手段に比べて本に一番注力を結集するからである。
私は、昔から本一辺倒で、週刊誌は普通読まない。今定期購読しているのは日経からの日経ビジネス等、それに、FOREIGN AFFAIRS 程度で、月間総合誌や経済経営専門誌等は、必要に応じて買っている。
昔、社長に、「新聞を読みませんね。」と言われて困ったことがあったが、その上、在勤や出張で海外にいると日本語の新聞へのアクセスが困難になる。今でこそ、アップツーデイトな情報には結構注意しているが、確かに、マトモナ書籍尊重主義で、新聞や雑誌などにあまり注意を払わなかった時期があった。
日常の情報源は新聞とインターネットで十分である。
アップツウデイトな経済経営関係は、野村證券のホームトレード・サービスで、日経関係の膨大な情報は言うに及ばず多岐に亘る貴重な情報が瞬時に手に入る。
インターネットは、日本のメディアの他に、NEWYORK TIMES, WASHINGTON POST、WALL STREET J,FT,THE TIMES, INDEPENDENT,それに、THE ECONOMIST, BUSINESS WEEK, TIME, MEWSWEEK等の電子版を流し読みしている。
それに、BBCやCNN,ABC,NBC等の放送関係の情報源も役に立つ。
FTやECONOMISTは、最近、購読者専用となりブロックされて読めない記事が多くなったが、別に不都合はなく購読するほどのこともないので、読める所だけで満足している。
しかし、日本の新聞や放送メディア等のインターネット・ページは、動画を含めても、何故、あんなに大衆迎合的で程度が低いのか不思議に思っている。
もう一つ役に立つのは、メルマガで、日経関係の多くのもの、野口悠紀雄、大前研一と言った先生方のモノで、これが結構役に立っている。
とにかく、情報の洪水、如何に優良な情報源にアクセスして、それを咀嚼して取り込み自分のものとして消化出来るか、日々の戦いの継続、これが現状である。