熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

発掘された日本列島2007・・・東京都江戸博物館

2007年06月19日 | 展覧会・展示会
   久しぶりに両国の東京都江戸博物館に出かけて「発掘された日本列島2007」を見てきた。
   昨年、日本では8000件以上の発掘調査を行われたようで、そのうち特に注目される51遺跡の470点の出土品を展示されている。
   旧石器時代から近世までの展示と、テーマ展としての「発掘されたアクセサリー」展で、地味だが結構面白かった。

   入り口正面に展示されているのが、口絵写真の千葉県千葉市の人形塚古墳から出土した埴輪群で、兵士の埴輪であろうか、蒙古兵のような格好をした男性像で、3~4世紀の古墳時代のものである。
   実際に出土したのは、埴輪の断片で、欠落した部分を補って像にしているのであるが、まだ、日本文化がしっかりと根付いていなかった当時は、この服装から見ても、完全に大陸の影響を受けた文化であったような気がしている。
   昨年、METオペラビューイングで、タン・ドンの始皇帝を見て記憶を新たにしたのであるが、セビリア万博で、秦の兵馬俑を見た時には桁違いのスケールにビックリした。
   
   興味深かったのは、同じ千葉県成田市の空港近くの十余三稲荷峰遺跡空港No.67遺跡で出土した「組み合わせ式の小さな小さな槍の刃」の一群で、ミリ単位の実に精巧で美しい刃や針で、13000年前の縄文時代の作品かと驚いたのだが、元々千葉では産出しない石を北関東から移入して製造していたと言う。
   成田が関東最大の製作拠点であったと言うから、正に、縄文時代と言っても、日本国内では分業体制が整い、相当職人や工人の質や製造水準が高く、商業など交易も進んでいたのであろうと思った。
   現在の日本史の教科書は知らないが、私の習った頃は、卑弥呼辺りからで、縄文弥生の時代は可なり端折られていたような気がする。
   その所為でもないが、私自身、奈良や京都の神社仏閣にはよく出かけるが、古代遺跡は、青森の三内丸山、佐賀の吉野ヶ里など可なり少ない。

   日本の古代の遺物で素晴らしいと思っているのは、縄文土器で、今回も、4~5000年前の上の方に末広がりの優美で複雑な造形の土器が何点か、群馬県の三原田諏訪上遺跡・上三原田東峯遺跡から出土のものが展示されていた。
   宗教的な意味があるのか、或いは、当時の工人の創作なのか分からないが、あの斬新でオリジナリティに富んだデザインがなんとも言えないのである。

   その後、常設展の江戸の風景などの展示を見ていたので、中途半端な時間になってしまい、同時併設のロシア秘宝展の方は見ずに、次の予定先へ急いだ。
   何時も思うのだが、イギリスなどのように展示場に並んで併設された喫茶室なりがあると良いのだが、残念である。
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