熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

東アジア中世街道・・・海商・港・沈没船 (国立歴史民族博物館)

2005年04月28日 | 展覧会・展示会
   3月23日から2ヶ月間、佐倉城址にある「歴博」で、「東アジア中世街道…海商・港・沈没船」の企画展示が開かれている。場所柄か、休日以外は何時も鑑賞者が少ないので、勿体無いが平日は閑散としており、ジックリ勉強するのには都合が良い。

   この特別展は、積極的な対外政策をとって海外と交流していた南宋以降12~16世紀の東アジアの海を舞台に活躍した人々の育んだ歴史と文化の煌きを扱っている。海のシルク・ロードの東の端の部分であるが、東シナ海が丁度内海の様に海民や海商を結びつけ、東アジアに花開いた文化・文明の交流が、考古、文献、美術、民俗資料等と共に語られている。

   最初の部屋に展示されている、まだ、日本の形が定かでない地図が面白いが、もっと興味深いのは、当時の日本人の世界観には、天竺(インド)、震旦(中国)、本朝(日本)の三国しかなかった事。
19世紀までは、中国の経済力は世界最大であったし、歴史上、この三国の経済力と実力が欧米に遅れをとったのは20世紀のみで、21世紀のBRIC’sの明るい未来を想定すると、あながち間違っていないかもしれない、と思うと面白い。

   交易の途中に沈没した多くの商船に船積みされていた多くの陶磁器、銭、武具、生活用品等など、引き上げられた品々が展示されており、興味が尽きない。
日宋貿易で栄えた博多や、琉球、明、南蛮貿易で栄えた堺の港等の様子も面白いが、「舶来物への憧憬」の所で、ステータス・シンボルであろうか生活空間の中にこれ見よがしに高級磁器が飾られている様子を描いた絵などを見ていると、日本人の舶来崇拝のルーツが見えて興味深い。

   この佐倉の「歴博」、豊かな常設展をも鑑賞すると優に半日はかかるが、疲れれば、季節の花々や自然の輝きに安らぎを与えてくれる広大な佐倉城址公園を散策するのも楽しみの一つ、今、最後の八重桜が咲き乱れており、「くらしの植物苑」で季節の花々に接するのも、また楽しい。

   
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