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プロジェクト・シンジケートのジョセップ・ボレルの「ロシアに対する戦略は機能しており、継続する必要あり The strategy against Russia is working and must continue」が興味深い。
ジョセップ・ボレルは、EUの外交・安全保障政策担当上級代表であり「世界におけるより強いヨーロッパのための欧州委員会」の副委員長であり、EUが、どの様にしてウクライナ戦争に取り組んでいるのか、分かるからである。
まず、この論文は、
ロシアの対ウクライナ戦争は新たな段階に入った。ウクライナ軍は目覚ましい進歩を遂げ、多くの町や村を解放し、ロシア軍を撤退させている。ウクライナの反撃がどこまで進むかはまだわからないが、地上での戦略的バランスが変化していることはすでに明らかだ。として、ウクライナ軍の優勢から語り始める。
EU はロシアのエネルギーへの依存を終わらせるという歴史的な決定を下して、エネルギー危機に立ち向かうために総動員していることや、グローバル・サウスのパートナーが、ロシアの残忍な侵略と、エネルギーと食料の冷笑的な武器化による影響に対処するのを支援していることなどを述べ、要するに、EUの全体的な戦略は機能しており、引き続きウクライナを支援し、ロシアに制裁を課し、連帯の精神で世界のパートナーを支援しなければならない。と詳細にEUの対応を説いている。
私は、この記事の後半部の、西側の経済制裁が効果があったのかどうかという見解に興味があった。
その部分を引用すると、
制裁は、明らかに説得力のある効果ももたらした。西洋の技術へのアクセスの喪失は、戦車、航空機、通信システム、精密兵器も輸入部品に依存しているロシア軍に打撃を与え始めている。
さらに、漏洩したロシア政府の内部報告書は、輸入制限によるロシア経済への長期にわたる損害を警告している。農業では、家禽生産の 99% が輸入投入物に依存している。航空では、ロシアの乗客の 95% が外国製の飛行機を利用しており、今、スペアパーツの不足により、ロシアの民間航空隊は縮小している。医薬品では、国内生産の 80% が輸入原材料に依存している。最後に、コミュニケーションと情報技術においては、ロシアは 2025 年までに SIM カードが不足する可能性があり、電気通信セクターの他の部分は何年も遅れている。 この厳しい評価は、ロシアの内部情報源からのものであることを銘記しておいて欲しい。
制裁だけで侵略者を倒すのに十分であろうか? ノー、しかし、それが、我々が、ウクライナに大規模な経済的および軍事的支援を提供し、ウクライナ軍をさらに強化するためにEUの軍事訓練任務を展開するために取り組んでいる理由である
戦争は終わっておらず、プーチン政権はまだいくつかのカードを持っている。
しかし、現在の西側の戦略では、クレムリンは、形勢を変えることは事実上不可能であることがわかるであろう。 時間と歴史はウクライナ人の味方である — 我々が戦略を堅持する限り。
テレビ放送や巷の情報では、ロシア人の生活状態が殆ど変っていないので、欧米の経済制裁が殆ど効果を現していないという印象である。
しかし、この論文の見解は、私がこのブログで当初から書いている考えに近く、ロシア経済は根冠から病巣に蝕まれており、その機能不全と凋落を語っていて興味深い。
高級部材や高度なサービス産業を欧米企業に依存せざるを得ないロシアが、グローバルサプライチェーンから排除されればどうなるか、結果は明白であり、早い話、ロシアの航空機や鉄道のスペアパーツがなくなって、どんどん、動かなくなっているというのだが、メインテナンス不十分のロシアの交通機関には危なくて乗れない、どうするのか。部品がないので、戦車も戦闘機もミサイルも生産できない、プーチンは、いくら経済音痴でも、それくらいは分かるはずである。
元々、経済弱小国のロシア、
欧米日の先進国に見限られて世界の孤児になれば、
いくら強がりを言って足掻いても、どんどん、外堀が埋まって行き墓穴を掘るだけである。
インドやブラジルなど頼りにならないし、中国シフトには膨大なコストと時間がかかり、中国も欧米の二次制裁を懸念して腰が引けており、成功しても経済的属国に落ちぶれてしまう。
プーチンの誇大妄想の悪夢から覚めて、経済的凋落、国力疲弊から一刻も早く脱却しなければ、ロシアの明日は暗い。
ジョセップ・ボレルは、EUの外交・安全保障政策担当上級代表であり「世界におけるより強いヨーロッパのための欧州委員会」の副委員長であり、EUが、どの様にしてウクライナ戦争に取り組んでいるのか、分かるからである。
まず、この論文は、
ロシアの対ウクライナ戦争は新たな段階に入った。ウクライナ軍は目覚ましい進歩を遂げ、多くの町や村を解放し、ロシア軍を撤退させている。ウクライナの反撃がどこまで進むかはまだわからないが、地上での戦略的バランスが変化していることはすでに明らかだ。として、ウクライナ軍の優勢から語り始める。
EU はロシアのエネルギーへの依存を終わらせるという歴史的な決定を下して、エネルギー危機に立ち向かうために総動員していることや、グローバル・サウスのパートナーが、ロシアの残忍な侵略と、エネルギーと食料の冷笑的な武器化による影響に対処するのを支援していることなどを述べ、要するに、EUの全体的な戦略は機能しており、引き続きウクライナを支援し、ロシアに制裁を課し、連帯の精神で世界のパートナーを支援しなければならない。と詳細にEUの対応を説いている。
私は、この記事の後半部の、西側の経済制裁が効果があったのかどうかという見解に興味があった。
その部分を引用すると、
制裁は、明らかに説得力のある効果ももたらした。西洋の技術へのアクセスの喪失は、戦車、航空機、通信システム、精密兵器も輸入部品に依存しているロシア軍に打撃を与え始めている。
さらに、漏洩したロシア政府の内部報告書は、輸入制限によるロシア経済への長期にわたる損害を警告している。農業では、家禽生産の 99% が輸入投入物に依存している。航空では、ロシアの乗客の 95% が外国製の飛行機を利用しており、今、スペアパーツの不足により、ロシアの民間航空隊は縮小している。医薬品では、国内生産の 80% が輸入原材料に依存している。最後に、コミュニケーションと情報技術においては、ロシアは 2025 年までに SIM カードが不足する可能性があり、電気通信セクターの他の部分は何年も遅れている。 この厳しい評価は、ロシアの内部情報源からのものであることを銘記しておいて欲しい。
制裁だけで侵略者を倒すのに十分であろうか? ノー、しかし、それが、我々が、ウクライナに大規模な経済的および軍事的支援を提供し、ウクライナ軍をさらに強化するためにEUの軍事訓練任務を展開するために取り組んでいる理由である
戦争は終わっておらず、プーチン政権はまだいくつかのカードを持っている。
しかし、現在の西側の戦略では、クレムリンは、形勢を変えることは事実上不可能であることがわかるであろう。 時間と歴史はウクライナ人の味方である — 我々が戦略を堅持する限り。
テレビ放送や巷の情報では、ロシア人の生活状態が殆ど変っていないので、欧米の経済制裁が殆ど効果を現していないという印象である。
しかし、この論文の見解は、私がこのブログで当初から書いている考えに近く、ロシア経済は根冠から病巣に蝕まれており、その機能不全と凋落を語っていて興味深い。
高級部材や高度なサービス産業を欧米企業に依存せざるを得ないロシアが、グローバルサプライチェーンから排除されればどうなるか、結果は明白であり、早い話、ロシアの航空機や鉄道のスペアパーツがなくなって、どんどん、動かなくなっているというのだが、メインテナンス不十分のロシアの交通機関には危なくて乗れない、どうするのか。部品がないので、戦車も戦闘機もミサイルも生産できない、プーチンは、いくら経済音痴でも、それくらいは分かるはずである。
元々、経済弱小国のロシア、
欧米日の先進国に見限られて世界の孤児になれば、
いくら強がりを言って足掻いても、どんどん、外堀が埋まって行き墓穴を掘るだけである。
インドやブラジルなど頼りにならないし、中国シフトには膨大なコストと時間がかかり、中国も欧米の二次制裁を懸念して腰が引けており、成功しても経済的属国に落ちぶれてしまう。
プーチンの誇大妄想の悪夢から覚めて、経済的凋落、国力疲弊から一刻も早く脱却しなければ、ロシアの明日は暗い。