6年生とうぶ移動教室 「一致団結 ~悔いのない3日間~」

6年生のとうぶ移動教室の間に、子供たちに話した校長講話の内容をお伝えします。

【1日目 出発式・開園式】
◎自分たちで立てた「一致団結 ~悔いのない3日間~」を言いかえてみると、全員が一つに到る。まるで一つのかたまりの様に、心と心が結び合っている。そういう状態に近付けていくことが、この移動教室の目標です。
◎成功イメージをもつために、私がこれまで経験した中で、最高レベルの小学生の例を三つ紹介します。
・今から25年以上前の6年生の女子が移動教室の最後に代表児童として言った言葉「この3日間で私たちは宝石のようなたくさんの思い出を作ってきました。私は私の心の引き出しの中に、この宝石の思い出をいつまでも大切にしまっておきたいと思います。」
・12年ほど前に担任した6年生は、単学級であったこともあって、移動教室中のすべてを子供たちの力でやり通した。担任していた私は、三日間、全員の前では本当にほとんど話すことなく、すべて子供たちで進めてしまった。
・私が初めて副校長を務めた学校では、移動教室の最後に「全力清掃」をして、宿舎の方々が驚くくらいまでやり通すことを伝統としている。このことを先輩学年が次の学年に毎年指導している。
今年のとうぶ移動教室で、矢口小学校の6年生がどんな伝統を築けるだろうか。それは三日間の取り組みがスローガン通りになれば実現することでしょう。

【2日目 朝会】
◎今日は気持ちよい晴れになりました。周りに見えるように、あの雲の上まで山を登りに行きます。2000メートルを超える天空の世界を思う存分味わいましょう。
◎食事の時の「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶で、手を合わせる時のことを教えます。今、矢口小のみんなは、当番の「手を合わせてください。」の声に合わせて、パチンと音を立てていますが、これはちょっと幼稚な挨拶になります。幼稚園の子供たちだと、手を合わせることを分かりやすくするために、「はい、パチンと手を合わせて、いただきます。」というようにすることもありますし、そのような園児向けの「いただきますの歌」まであります。しかし、本来は「合掌する」という意味があります。私たちの命を支えるために、命をくれた生き物や植物、心を込めて時間をかけて食事を作ってくださった方々への感謝の気持ちを表す「いただきます」は、静かな気持ちでそっと手を合わせることが大人の振舞いだと思います。
そして「ごちそうさま」の「馳走」というのは、大切なお客様のために食材を用意したり、料理を作ったりと、走り回るかのように作ってくれた方々へ、「ありがとうございました。」の気持ちを込めて深々と挨拶するのが大人だと思います。

【3日目 朝会 】
◎この3日間、相生小学校の皆さんとも一緒に過ごしました。「学ぶ」という言葉は「まねする」「まねぶ」からきて、人のよいところを「学ぶ」という言葉になったとも言われています。その意味では、相生小学校の皆さんからも学べる点がたくさんあると感じます。この後の朝食時間が一緒に過ごす最後の時になりますが、何かひとつでも相生小の皆さんから学び取れると、君たちの世界も広がるでしょう。さて、出発式で「全力清掃」という成功イメージを紹介しました。いよいよその時が来ました。ぜひ「全力清掃」を合言葉に、チャレンジしてください。

【閉園式】
◎この3日間を安全に、そして快適に過ごさせていただいた「とうぶ休養村」の皆さんに、心より御礼申し上げます。
◎少しゆっくり話しますので、この3日間を頭に思い浮かべて、振り返ってみましょう。1日目、バスの運転手さんやガイドさんにお世話になりながらとうぶへ着きました。午後はみんなで楽しく体育館レクをしました。夜は雨もやんで、予定通りキャンプファイヤーをすることができました。2日目、あの天空の世界、東篭ノ登山に全員が登り切り、360度の素晴らしい眺めを目に焼き付けました。夜には木星や土星を観測することができました。一人一人が係活動に責任をもって取り組みました。そして今を迎えています。このような言葉があります。「蔵の宝、つまり財産よりも身の宝、健康とか体力とかが大切である。身の宝より心の宝が一番素晴らしい。」きっと君たちの心の宝がたくさん残っていることでしょう。

【解散式】
◎道が渋滞し、帰りがこんなに遅くなってしまいました。長くは話しません。この3日間、「一致団結 悔いのない3日間」というスローガンに向かって、皆さんは本当によく努力しました。3日間を通して、どんどん成長していく姿を見ることができて、私はとても嬉しかったです。点数で100点満点とよく言いますが、今回の移動教室、私からは300点をあげたいと思います。そんな素晴らしい移動教室をやり通した子供たちに、お迎えに来てくださっている皆さん、どうぞ大きな拍手を贈ってあげてください。(校庭 大拍手)
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