地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

東関東新緑DC紀行 (2) 久留里線キハ38

2006-05-06 21:04:38 | 国鉄型車両


 木更津機関区でのキハ30・三並びに感激した後は、11時50分発の上総亀山行 (キハ38の2連) に乗車しまして、馬来田~俵田間のどこかで撮影しようと思い (出たトコ勝負 ^^;)、まずはロケハンに励みました。ノタノタと進んで無人駅に丹念に停まってゆくのんびりまったりムードといい、横田でのタブレット交換儀式といい、何度乗っても「こういう路線が首都圏のJREに残っているとは本当に貴重なことだなぁ……」と思います。一応、撮影の第一候補は馬来田~下郡間の切り通しだったのですが、今年は菜の花の咲き具合が全然スカで通過 (-_-)。下郡~小櫃間の、水を張ったばかりの水田や芽吹きの森があちこちにある風景とDCをからめることにして、小櫃にて下車しました。
 しかし……ちょっとした寒冷前線の通過によるものでしょうか。雲行きが急に怪しくなり始め、ピーカンな空に真っ暗な雲がたくさん浮かんで猛烈なスピードで流れて行くという……この上もなくマニュアル露出撮影派泣かせの空模様となってしまったのです! (T_T) 特に↑のカットは、「あぁ……ちょうど列車が来るときに限って真っ暗だぁ……!」と嘆きながら、シャッター速度をギリギリまで遅くして絞りを開けたのですが、列車が目の前に迫って来るや否や再び空はみるみるピーカンに戻って行ったという最悪の緊急事態に! 大慌てでシャッター速度を上げ、絞りも絞った結果、空は少々トーンが飛んでしまったものの (泣)、辛うじて決めることが出来たのでした……。ここまで冷や汗かきながら鉄道撮影をしたのは初めてです (-_-)。

 それはさておきこのキハ38、国鉄末期に地方交通線のレベルアップを目指すべく、キハ30・35系を種車に車体を新造することによって登場した車両ですが、結局八高線に少数を投入しただけで製造が打ち切られた珍車です。それからはや約20年、内装も含めてあちこちに痛みが……。そしてこれから水郡線・小海線用の新型車が登場すれば、キハ30よりも全然車体が新しいキハ38といえども、いつ玉突き置換の対象となってもおかしくないなぁと思っています。国鉄末期の「矢尽き刀折れ」という財政破綻にもかかわらず、必死にローコストな新型冷房車を用意しようとした……そんな事情をしのぶことが出来る車両をしみじみと味わうのも、まさに今のうちかも知れません。
 今回の訪問で残念だったのは、久留里線のもう一つの珍車にして、キハ38と並ぶ「国鉄末期のチープな落とし子」であるキハ37が、3両とも木更津のクラの奥で寝ていたことです (-_-)。前回訪問時はキハ30が全部クラの中だったり……たった10数両だけでやりくりしている路線の割には極端なんですよね……(爆)。