さて、琴電シリーズもいよいよ本命に突入! まずは、琴電開業に合わせて大正15年 (1926) に新造されて以来、ヌシとして奇跡的な活躍を続ける1000形 (120) と3000形 (300) です!
1000形と3000形、基本的なスペックはほとんど同じで、如何にも大正末期から昭和初期にかけての地方私鉄開業ブーム華やかなりし頃にお金をかけて作られたという感じの、非常に頑丈なリベット車体に独特のプチなセンスが絶妙に組み合わされたスタイルがこの上もない魅力ですが、特に1000形はウインドヘッダーがなく窓の縁が曲線を描いているあたり、素晴らしい気品が漂ってくる電車です (*^^*)。
しかもこの日は、1日1運用しかない長尾寄り増結 (→現役の長尾線旧型車は長尾寄りが前パンとなるため、旧型車が前パンを振りかざし快走するシーンを見たいと思えばこの運用を狙うしかありません) に120が用いられ、片原町のカーブを行く最高の晴れ姿を記録できてとにかく大満足でした v(^o^)v 後ろに連結されている600形が「ことちゃん遍路号」ではなく標準塗装車だったらなお良し……だったのですが (^^;)、まあこの際ゼイタクを言うべきではないでしょうね (^^;;)。
いっぽうこちらは3000形・300号。私が前回訪れた頃は余り調子が良くなかったらしく、瓦町の留置線の一番奥や仏生山の車庫で寝ていることが多かったようですが (実際、朝から動いていませんでした)、その後戸袋窓の丸窓復活!と合わせて徹底的なレストアがなされたようで、今ではすっかり増結車の主力として大活躍!
そしてこのスタイル、日本車輌製ということもあり、貫通路を塞げば上田交通の丸窓電車・5250形とほとんど全く同じです! (^^) 思い起こせば今からちょうど20年前の夏、上田交通の5250形は1500V昇圧による廃車を控えた最後の活躍をしていましたが、そんな5250形に乗るにつけ「60年間こんな電車が走り続けたなんて奇跡としか言いようがないよなぁ……」と10代ゴコロに思ったものです。しかし、こうして丸窓が復活した兄弟・琴電3000形は、何と車齢80年!! (@o@) シンプルかつ頑丈に作られた古き良き時代の釣掛式電車は、きっちりと保守さえすればいくらでも走ることが出来るんですね……。
これはまさに、職人技によって発展してきた工業国家日本の近代史をそのまま物語るという意味で、とてつもなく素晴らしい産業遺産だとしか言いようがないのですが、そんな電車に今まで毎日乗ることが出来た高松の皆さんがうらやましすぎ……(暑いしボロいでイヤだと思われているのかも知れませんが ^^;)。
そして、恐らく来年になると思われる定期運用の冷房化100%達成・旧型車の運用消滅後も、琴電はこの2両の電車を大切に現役で保存し、イベント走行などで活用するようですから、本当に拍手喝采ものです (ありがたや……)。
でも、やっぱり何気なく日常風景の中で営業運転している姿が一番魅力的なことには違いありませんので、何とか来年までにもう1回くらい行きたいなぁ……と思っています。