地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

銚子電鉄訪問記 (2) 元伊予鉄のデハ801

2006-12-01 20:40:00 | 地方民鉄 (関東北東部)


 銚子電鉄で現在在籍している車両のうち、個人的に最もお気に入りの車両がこちら、もと伊予鉄道モハ106改めデハ801号です (*^_^*)。均整の取れた「如何にも」な雰囲気の半鋼製釣掛式電車にして、台車も銚子電鉄入線時に名鉄戦前・戦時製AL車が装備していたものと思しき (?) D-16を装備した結果、古き良き私鉄電車の面影を最も良く現在まで伝え続けている車両なのではないかと思います。
 もともと私鉄旧型電車のめくるめく (?) 世界にズブズブとのめり込んでいった中学生時代、関西よりももっと西にありながら、如何にも関東風なテイストのオリジナル電車に加えて元西武・京王・東急・相鉄・小田急・南武鉄道 (いまの南武線) の電車がひしめき合う伊予鉄は、「行きたい!」と渇望せずにはいられない私鉄のひとつでしたが、僅かな小遣いで生きる中学生には当然それはムリ (-_-)。そして80年代半ば、京王2010系改め800系が大量入線したことにより、伊予鉄オリジナルのモハ100・200が総崩れになって行き「ああ……」と絶句したのですが、そのうちの1両が銚子電鉄に入線したことに拍手喝采したものです (^_^)。しかしその後高校時代も他の路線を優先してしまい (銚子って神奈川県からだと行きにくいんですよね……^^;)、90年代は非鉄でしたので、結局はじめてデハ801に乗ったのは02年の8月となってしまいました (^^;;)。
 その後04年春に再訪した際もうまい具合にデハ801は運用に入ってくれまして、過去2回の訪問はどちらも大満足に終わったのですが、敢えて不満を言うとすれば、やはり前の親会社の方針によるゴリラHMや飾り帯……。これらさえなく、赤とクリームの旧塗装、さらにはブルーとイエローの旧旧塗装にしてくれればどれだけ素晴らしいだろうか!と思ったものです。
 そして今回改めて訪れてみて……私ははっきり言って驚喜しました! (^O^) ゴリラHMは既に04年の銚子電鉄80周年の段階で特製HMに変わっていましたが、今回はそれすらなく、飾り帯も消え、その代わりに取り付けられたのが小さなサボ!! これでこそ地方私鉄の小粋な旧型電車というものでしょう! そして、これまでは余り感心しなかった赤と茶色の塗装も、余計なものを省いた結果、これはこれで銚子電鉄らしくて良いのではないか、と思えてきました。要するに、醤油の濃淡と申しますか……あるいは茶色は煎餅の焦げた色と申しますか (^^;;;)。
 これからは全ての所属車両がこのようなシンプルで美しい装いになるのだとしたら、こんなに素晴らしいことはありませんので、何とか銚子電鉄が現在の猛烈な逆風を乗り切って欲しいものだ……と強く思わずにはいられません。そのためにも、新年に入って18きっぷシーズンが終わったらまた訪れてみようと思い始めております (^_^)。[※1枚目の画像の撮影は許可を得ております]