地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

伊勢湾周辺鉄参り (2) 名鉄築港線の旅

2006-12-09 00:19:33 | 都市民鉄 (中京圏)


 常滑線大江駅で入れ替わり立ち替わり姿を現すパノラマカー7000系に狂喜した後は、名古屋臨海鉄道を楽しむついでに名鉄築港線に初めて乗ってみました。路線延長1.5kmという超ミニ臨港路線にして、朝夕のみの運行ともなれば、まさに鶴見線大川支線と良い勝負なわけで、こういう地味ながらも特徴がてんこ盛りな路線は基本的に大好きなのですが……何故か後回しになってしまいました (^^;)。
 しかも、かつて名鉄のAL車や揖斐谷汲線の旧型車を追い求めて名鉄をたびたび訪れた10代の頃は、西武から東濃鉄道を経て築港線専用車となった3790形 (S60年廃車)、そしてHL車の代表格3730形が走っており、その後90年代から数年前までは本線系における最後のAL車となった3300系 (2代目。戦後の2扉セミクロス車3900系の車体更新車) が走っていたはずなのですが……今や濃いぃ路線に似つかわしい面白みに欠ける3100系が運行されていますので、何故もっと早く来なかったのだろうと激しく後悔 (爆)。
 しかしまぁ、今や鶴見線も205系なわけで、これも時代の趨勢。それでも変わらず漂って来る臨海ゾーンの通勤電車の雰囲気を嗅ぎ取ることが大事だ!というわけで、大江駅5番ホームに向かってみますと、通勤客が後から怒濤のように来るわ来るわ! 電車が東名古屋港まで往復している数分の間に、狭いホームは身動きできないほど埋まってしまいました。
 それでも、何とか運転席直後の「かぶりつき」コーナーを確保しまして (普段私は「かぶりつき」をしないのですが、こういう路線の場合は特別 ^^;)、駅員氏が持ってきたジャラリと大きな棒状スタフ (今や名鉄築港線は棒状スタフによる閉塞を行っている貴重な路線の一つです) を運転士氏が受け取って、いざ出発進行! 



 発車後すぐに急カーブを切って西に向かいますと、複線分あるはずながらも単線しかない線路をほどほどのスピードで走ります。かつて、築港線は東名古屋港界隈の貨物輸送を一手に担っており、確か熱田・神宮前あたりで国鉄から入線した貨車が名電築港 (現・東名古屋港) からさらにスイッチャーへと引き継がれ、その輸送は隆盛を極めたそうなのですが、名古屋臨海鉄道が完成して貨物輸送が笠寺経由に移行して以来火が消えたようになってしまい、単線化・貨物輸送廃止という道筋をたどったのだとか……。
 そんな「つわものどもが夢の後」的な光景を眺めながら進みますと、突然「ダダダダッ!」という尋常ではないジョイント音が! 豊川の日車からの輸出車両や名鉄の新造車が東名古屋港へ回送される時 (または名鉄から他社に車両が譲渡される時) だけ列車が運行される名古屋臨海鉄道・東港線との平面クロスです! ここを列車が通過する瞬間を1枚目の画像の左下にはめ込んでみましたが、伊予鉄道・大手町駅前の高浜線と市内線との平面クロスはもっとゆっくりと通過しますので、「このスピードでこの音かよ!」という新鮮な感動を味わいました (*^o^*)。
 ここを通過後、すぐに名臨・東港線と合流しまして (名鉄の北側に名臨のスイッチバック線があり、名臨はそこから90度カーブします)、僅か3分間のプチ過ぎる旅を終えた電車は東名古屋港駅に到着! 1両の電車はこれだけの客を詰め込めるのか!と驚きたくなるほど膨大な数の通勤客を吐き出した電車は、折からの黄色く染まった銀杏並木を横目に再び大江へと折り返して行きました。
 ここから先、大通りの踏切の先に続く名臨東港線の末端部も散歩してみたかったのですが、今回は時間の関係上省略 (^^;)。しかし、余りにも濃過ぎる光景を目の当たりにして、今度はここで甲種輸送を撮りたいなぁ……と思わずにはいられないのでした (^^;