地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

さよなら鹿島鉄道 (1) 朝8時前の石岡駅

2007-02-14 22:00:24 | 地方民鉄 (関鉄系)


 戦前製キハ07の貴重な生き残りである日本現役最古DCや、典型的な湘南フェイスとバス窓の組み合わせが感動的なDCが生息し、しかも霞ヶ浦のほとりの風光明媚な沿線を走り抜けることでも知られていた鹿島鉄道。存続へのあらゆる努力も空しく、TXの開業により親会社・関鉄の高速バスがこうむった大打撃の影響をもろに受けるかたちで、来る3月末日をもって廃線となります (号泣)。
 私としても、これまで数回通ってその侘び寂びに満ちた雰囲気に心酔していたことから、廃止は本当に悲しい限り……。そこで、廃止になる前にせめて一度は訪れて名残を惜しもうと思ったのですが、同じことを考えている人が多いためでしょうか、最近は土日はもとより平日も相当の賑わいとなっているらしいことが判明。人混みが嫌いな私は行こうか行くまいか迷ったのですが、今春の激安18きっぷが使用開始となる前の平日であればまだましなのではないかと思いまして、平日休みを利用して石岡駅に降り立ちました。



 鹿島鉄道の平日朝の名物といえば、高校生輸送を行う11レ (石岡8:07発) の2両編成。主力のキハ600に加え、夕張鉄道から入線したキハ714が連結されることで知られていました。しかし……それは受験シーズン入りにともなう高校生利用の減少により、毎朝の2連は今や永遠に過去のものに……(T_T)。それでも、それなりに乗客が多く、車掌が乗務するということで、キハ714が相変わらず1日1往復の役目を果たしています。まぁ客が多いと言っても、高校生とわずかな地元客、それに平日でも10名ほど乗っていた「鉄」を足しても座席定員に余裕がありましたので、そのこと自体が定期券利用客の減少を感じさせました……。
 それはさておき、単行運転に伴う隠れた (?) 儀式が見られたことだけは、早起きして来た甲斐があった……と思うひとときでした。2連の11レを仕立てるには、鉾田から戻ってきたキハ600にキハ714を連結する作業があるだけでしたが (記憶違いでしたらすみません ^^;)、単行運転ではキハ600を引っ込めてキハ714を出庫させる作業がありますので、この両者が昼前まで寝ているキハ430と一瞬だけ並ぶという感動的な光景が展開していました (*^^*)。
 なお、廃止をついに1ヶ月半後に控えて、どの車両にもさよならHMが装着され始めています。先週はなかったそうですので、恐らく今週に入っての装着と思われます。訪れる前までは、あくまでふだんの姿を目に焼き付けて名残を惜しむつもりだったのですが、HMを目にするとやはりこれが現実か……と思わずにはいられませんでした。