箱根登山といえば、旧型車愛好趣味の立場から申しますと、古典的な半鋼製車体を持つモハ1・2形をまず意識するわけで、とりわけ釣掛式駆動で残るモハ103+107を個人的にはイチオシしたいところですが、実質的な主力は既に1000・2000形へと移行して久しいのも事実です。
そのきっかけになった1000形の登場も、早いもので今から27年前、1981年のこと。如何にも重装備な旧型電車の世界だった箱根登山に、突如「ベルニナ号」の愛称とともに、姉妹提携先のスイスの私鉄車両を強く意識した大きな窓の1000形が現れたときは、小学生ゴコロに本当に圧倒されました……。たまに箱根温泉旅行に連れて行ってもらうときなど、ホンネとしては白熱灯装備のモハ111~115 (特にボックスシートの111が超特選 *^o^*) に乗りたかったものの、1000形に偶然当たったときには転クロ (当時) の座り心地を楽しみながら、大きな窓からの素晴らしい景観を心の底から味わったのも確かです (^^;)。そんな1000形がブルーリボン賞を受賞したのも当然の成り行きで……思い出しても見れば1980年前後の時期は、江ノ電1000形、国鉄185系、小田急7000形の登場も合わせて、相模の国を走る鉄道車両の印象が大きく変わった画期でした。
そんな箱根登山1000形も、登場当初の小田急3100・7000形風塗装から、いつの間にか10000形に合わせた塗装となり、さらには現在のサンモリッツ塗装へと姿を変えてきました。個人的には、1000形は未だに「バリバリの新型」という印象なのですが、3種類の塗装を経た分だけいつの間にか車齢を重ね、初代塗装もそれだけ「懐かしの塗装」になっていました (^^;
そこでこのたび、箱根登山が前身の小田原馬車鉄道創立から数えて120周年となったのを記念して、1003Fに初代ベルニナ塗装を施したことには、もう拍手喝采! (1000形冷房化のために組み込まれた中間車のモハ2202は、2000形初のベルニナ塗装ということになります) しかも昨日の午前中、別の緊急の目的で箱根登山を訪れた際 (「緊急の目的」の中味は後日改めて ^^;)、入生田から出庫する超大当たりシーンをさっそく激写することが出来ました! \(^O^)/ 最初入生田に着いた際には「入庫とは勿体ないことを」と思ったのですが、よく見るとパンタを上げており、やがて洗車→点検態勢に……。そこで「これはもしやすると、もうすぐ出庫?!」と期待しながら待っていますと……本当に御登場!! 思わず「ベル様!」と叫びながら、一気にデジカメのメモリを消費したのは申すまでもございません (爆)。午後からの仕事のために帰る直前にやって来てくれたことも幸運の極みでした。花粉症の身としては、この時期の箱根登山訪問は誠にツラいものがあったのも確かですが、偶然ながら早速このシーン撮っただけでも「来た甲斐があった」と思ったのでした……。
ちなみに、1003+1004が1984年秋に登場し、「こんにちは、ベルニナⅡです。よろしく!」という巨大HMを掲げて走り始めたとき、代替で廃車となる113・115も大きく車体に「みなさんさようなら」というラッピングを施して走りました。それを撮りに行った当時中学生の私が、1000形を見かけると「ベルよぉ……」と悪態をついていたのは、とりあえずここだけの秘密です (→秘密になってない ^^;)。