
出張撮り鉄で早朝から甚目寺・二ツ杁でのパノラマカー撮影を楽しんだ後は、瀬戸線沿線にある用務先に向かい、その前にちょいと瀬戸線でも撮り鉄を……と思ったのですが (笑)、二ツ杁から瀬戸線へとアプローチするならば、JRCの枇杷島駅まで歩いて行き (二ツ杁から徒歩数分)、名古屋経由で大曽根まで行くのが安くて無難なルートと言えるでしょう (金山まで名鉄でももちろん良いのですが ^^;)。
しかし、この際是非試してみたい……と思ったのが城北線の旅! たまに東海道線や中央西線、または名鉄犬山線の車内から、城北線の巨大な高架線が大仰な姿を晒しているのを目にするたびに、「この計画倒れなバイパスルートの全貌は一体どうなっているのか」ということが気になっておりましたので……(^^;)。
まずは枇杷島駅にて比良までの切符を購入。事前にリサーチしたところでは、尾張星の宮・小田井・比良のいずれもそれなりに撮り鉄できる環境らしい……ということで、気に入ったところで降りようと思ったのですが、運賃高っ! (汗) 最初にグワッと運賃が上がり、遠距離になるほど上昇率が逓減するという、短距離客が多い路線でありがちな運賃カーブですが (一番典型的なのは秩父? ^^;)、そのような運賃設定で何とか収入を稼ごうとしていることは、乗ってみて一発で分かりました。枇杷島を7:31に発車する列車は、ラッシュ時だというのにガラ~ンとしており「をいをい大丈夫かよ!」と思うほどでしたが、次の尾張星の宮で一気に十数人が乗り、その次の小田井でドドッと下車……。観察結果を総合して申しますと、最寄りの駅からJR・名鉄・地下鉄いずれか路線との乗換駅まで、1~2駅だけ乗るという利用が圧倒的に多いようです。

さて、比良までの切符を購入していた私はと言えば……結局小田井で下車。高架橋をゆく城北線ならではの特色と、軽快DC・キハ11との組み合わせを一番良い感じで撮れそうだなぁ……ということで、ロケハンセンサー (何じゃそりゃ) が「ビビッ」と反応しました (笑)。実際にホームの両端から勝川方と枇杷島方を望んでみますと、をを、これは何ともダイナミック!! 複線の堂々たる大高架橋の上を小さなDCがトコトコとやって来るという、最高にギャップあり過ぎなシーンを楽しむことが出来ますし、高架の名鉄をさらにオーバークロスする関係で非常に高い位置にホームがありますので、列車が来ない間もJRCの本丸御殿・セントラルタワーをはじめ、見渡す限りビルや住宅で埋め尽くされた大名古屋都市圏の一大パノラマをほしいままにすることが出来ます (*^^*)。
小田井での撮影を楽しんだ後は勝川まで乗り通し、瀬戸線の接続駅・大曽根へ向かったのですが、比良・味美あたりでは北側に高速道路がピタリと接近し、車窓展望が妨げられますので御用心! 勝川は中央線との接続の夢も空しく、中央線・勝川駅まであと数百mというところでブツリと途切れており (乗り換え面倒過ぎ! -_-;)、中央線の新しい高架も城北線との接続など眼中にないかのような頑丈なつくりになっているのを見て「もはや城北線は現状維持のまま腐るのを待つ状態なのだろうか……」と複雑な気分になりました。ただ、中央線の高架が上下分かれた構造になっているのを見ますと、やりようによっては城北線の高架を低く作り直して中央線とアンダークロスさせることも可能なのかも知れません。
何はともあれ、当初はいまの愛環と一体化した名古屋圏環状路線(国鉄瀬戸線)として計画されていたという城北線も、少なくとも現状は完璧な宝の持ち腐れ……。それでも、最近撤去工事が始まったという南方貨物線 (東海道線の共和付近で無意味に放置されていた複線はその一部) のように、造っても全く営業せずに放置されるよりはマシなのかも知れません (沿線住民に便益を提供するという意味で)。枇杷島から名古屋への直通 (さらにはあおなみ線との一体営業化?……という妄想が ^^;)、あるいは勝川での接続改善がなされればどれだけ便利になるだろうか……と思ったのですが、現状ではソロバン勘定に照らしてそれも難しく、結局単行DCが今後も行ったり来たりの繰り返しなのでしょうか。
それにしても、城北線ネタはどのカテゴリーに分類しようか、結構悩みました (^^;)。大都会のド真ん中を走っている路線とはいえ、軽快DCの単行オンリーという存在形態のほうが余程際だっていましたので……。