
在籍する全ての車両の塗装を変更するといえば、西では京阪の動きに熱い注目が集まっていますが、東では相鉄の動きが地味~にまっったりと進行中です (^^;)。まあ、関西私鉄王国の雄たる京阪と、神奈川県限定私鉄にして準大手から大手に格上げされてからの歴史も浅い相鉄では、趣味界一般における注目度に天地の違いが生じるのは必然と言えましょう。
そもそも、鉄道系の各種HP・ブログなどをウロウロしていますと、神奈川県民、特に根っからの相鉄沿線民は総じて「相鉄」と略称兼愛称で呼んでいるのに対し、沿線民以外、特に神奈川県外の方がたまに相鉄を撮ったり乗ったりする場合には、やけに律儀に「相模鉄道」と記すのが圧倒的多数であるようです(とくに2年前の相模大塚イベントの際には目立ちましたなぁ……笑)。逆に、地元でわざわざ「相模鉄道」と呼ぶ人がいるとしたら、間違いなくヨソ者扱い、または「お前一体どうしたの?」扱いされることでしょう (爆)。この事実にもはっきりと現れている通り、相鉄沿線ファンは総じて「相鉄ってトロくて華がないよなぁ……でも大好き♪」と思っているはずですが (たぶん)、そういう相鉄への熱い思いは極めて地域限定になりがちだ……というところに、相鉄趣味の独自な性格があるのでしょう。

では、相鉄趣味の独自性と、相鉄沿線ファンを結びつける鍵は一体どこにあるのでしょうか? 個人的には恐らく……これだけ10両編成の電車が洪水のように運行されていながら、東京には直結しておらず、しかも5000系から9000系まで直角カルダンを頑なに採用しつつ、形式ごとにさまざまな新機軸と独自のデザインを盛り込もうと試行錯誤してきた歴史と現実が、まさに神奈川県民の東京に対して抱いている独自性やコンプレックスとピッタリと重なるからなのだろうと思っております。横浜市民はハマっ子としての意識を横浜市歌を通じてたたき込まれ、横浜市民以外の相鉄民も、都会・観光地・田舎が凝縮された横浜や神奈川県の雰囲気を気に入っているわけですが、やっぱりどこか東京の圧倒的な巨大さを意識してしまうという……(^^;)。そこで、独自性がビンビンに盛り込まれながらも地味な存在でしかない相鉄の電車にいとおしさを感じることにつながると思われます。
というわけで、新しい電車には興味のない私も、相鉄8000・9000系については結構好き (笑)。まぁ、旧6000系を廃車に追いやった下手人ではありますが、これだけ快適で、しかも相鉄ならではの濃いぃスペック (VVVF+直角カルダン) を備えているならば文句は言えない……と登場時に思ったものです。
しかし、そんな相鉄もついに「走るんです」陣営に走り、数年後には都心直通のはこびとなりました。このこともまさに、神奈川県民の東京に対するコンプレックスを端的に表現しているように思うのですが (^^;)、相鉄独自の世界がやがて「東京の論理」によって塗り替えられて行くのは寂しさを感じます。
それだけに、7000・8000・9000系には頑張ってもらいたいものだと思うのですが、実は塗装面では新塗装の方がお気に入りだったりします (^^;)。この新塗装も恐らく都心直通を意識してのことだと思いますが、基本的に6000系新塗装を思い出させる塗り分けは、同時に「都心直通を実現しても相鉄らしさを忘れまい」という意思表示なのだろうと思っています。その陰で、バブルの頃を引きずった8000・9000系の塗装は消えることになり……もともと写欲の起きない塗装とは言いながら、やはり撮っておこうかと思った次第です。
と申しますか……この日はもともと5000 (5050) 系狙い。前日まで41→42→43運行と順調に流れていたのを通勤ついでに確認していましたので、平日休みにパスポートを更新するついでに「よっしゃ、44運行は終日運転だ!」と期待しつつ西谷でカメラを構えてみたのですが……オーマイガー!車両交換! (号泣) 仕方がないのでしばらくテキトーに撮っていたところ、たまたま8000旧塗装の並びと9000の試運転が撮れたという次第 (^^;)。ま、西谷もこれから激変しますし、何事も記録記録……(笑)。