地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

真夏の京都鉄路巡礼 (1) 麗しの阪急6300系!

2008-08-10 00:04:46 | 都市民鉄 (近畿以西)


 先月末の京都出張のついでに撮影したカットにつきまして、レタッチが進みつつありますので、ぼちぼちシリーズとしてお送りしたいと思います。……って、いま合計何シリーズが進行中だったっけ (爆)。
 その最初を飾るのは、かつて山崎付近で新幹線0系とのカーチェイスを繰り広げた阪急6300系です! (新幹線相手では、結果は阪急の完敗だと思いますが ^^;)。
 6300系といえば、言わずと知れた阪急電車の最高峰にして、非料金制・都市間連絡私鉄電車の珠玉でもあります。とくに関東の人間から見ますと、シックなマルーンをまとった直線的な車体に、ズラリと並んだ横長の窓、端に寄った両開きドア、分散クーラー……そして正面のシルバーのアクセント……全てが高級そうに見えます。とりわけ、1980年頃のRF誌で確か「京阪神ライバル物語」と銘打った大特集が組まれ、戦前からの各社入り乱れた名車絵巻がふんだんに紹介される中、その究極の決定版として阪急6300系が華々しく誌面を飾っているのを目にして、当時小学生だった私は心の底から嘆息せざるを得ませんでした。関東の非料金制特急の華といえば京急の快速特急 (「快特」ではありませんぞよ、そこのボク!^^;) でしたが、そのスターとして輝いていた600系 (琴電1070形として現存) ですらセミクロスシートであり、しかも日中の快速特急運用をまかなうのには到底編成が足りない状況でしたので、快速特急で普段当たるのはロングシートの1000系ばっかし (8両固定編成が消えた今となっては信じられないことですが)。というわけで、これほど豪華な車両が頻繁運転している阪急、そして関西という地域は、鉄道趣味的には夢のようなところだ、という印象を子供心に強烈に感じたのでした……。



 しかし、その後10代の頃の撮り鉄が半鋼製釣掛式電車に偏ったこと、そして20代の頃は非鉄だったことから、結局阪急6300系に初めて乗ったのは数年前のことでした (汗)。そのとき既に阪急京都線は、JRWアーバンネットワークの軍門に伏すかたちとなっており、特急停車駅が増えるなどかつての栄光は陰り、6300系も登場から相当の年月を経て車内が色褪せていたことは否めませんでした。それでも、圧倒的に安定した乗り心地、そして分厚い (?) 椅子の座り心地に「王者」の血筋を感じ、悦楽に浸ったのを覚えています。
 そんな6300系も、ついに9300系に追われるように廃車が始まっているようです。阪急の他の車両が40年以上大切に使われるのに対し、約30年で消えつつある6300系には、「夭折」というほどではありませんが、そこはかとない不運を感じます……(-_-)。やはり、途中駅でのそれなりの乗降を前提とした輸送へとシフトした今日、2扉の6300系は使い勝手が悪いということなのでしょう。
 そこで、まだ6300系が多数走っているうちに是非記録を……と思いまして、沿線で激写してみました (*^^*)。見とれ過ぎてカツカツの構図になってしまったのはご容赦を (^^;)。この日は何と、いったん廃車前提で運用を離脱しながらも、人身事故で破損した9301Fの代わりに一時復活したという6354Fも見られました! これは何ともラッキー!ですが、今頃は再び離脱しているのでしょうか……?
 何はともあれ……これほど美しいのに廃車とは勿体なさ過ぎます。ネット上で囁かれている3扉化説や嵐山線転属説の真偽は知る由もありませんが、今後も出来るだけ長く京都線の主として君臨し続け、有終の美を飾って欲しいものです……。