地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

東急9000系のありふれた午後 (11年4月)

2011-04-07 00:00:00 | 大手民鉄 (東急)


 大震災以来、安全確認や計画停電の影響で大いに乱れた首都圏の鉄道ですが、やはり鉄道がなるべく通常に近いかたちで常時運行されることが首都圏の社会生活を維持して行く上で欠かせないという暗黙の (?) コンセンサスが成立し、節電ダイヤの設定を条件に (?) 鉄道が常時受電できる環境が整った結果、今週に入って主要鉄道会社はどこも輸送力を 回復し、移動の便が格段に向上しているのは喜ばしい限りです。もっとも、節電ダイヤのキモは多くの事業所が稼働する日中に通常の7~8割の運行とするという点にありますので、朝夕はほぼ時刻表通りで安心な反面、日中の移動に際してはまだ多くの鉄道会社の公式HPに節電ダイヤが反映されていない中、利用する路線ごとに勝手が分からず戸惑う場面がしばらく続きそうです (汗)。
 たとえば東急田園都市線の場合、日中の急行運転は30分間隔となり (かつての快速運転みたいな・・・)、しかも通常ダイヤとズレた時間の運行となっていますので、主要駅の時刻を体得するまで手間がかかりそうでヤレヤレという感じです。それでも、先月末までは全て各停だったことを思えば格段の「進歩」であることは間違いないでしょう。その点東横線は、同じく今週から復活した湘南新宿ラインとの対抗もあってか、特急や急行の頻繁運転が復活しているのはうらやましい限りです……(とはいえ特急は30分間隔に間引かれていますが)。



 先日川崎でエチレンコキ・フィーバーを楽しんだ後、そんな東横線を久々に (^^;) 撮影してみたところ……早速やって来たのは9000系の急行! (^O^) しかも、先月恩田に入場し、大井町線転属の可能性を見事振り切って東横線に復活したばかりの9010Fが、ピカピカな屋根&クーラーに「01」運行表示も輝き……(*^_^*)。
 東横線といえば、最近は「走るんです」新5000系列が急激に増え、まさか8000系に続いて9000系も脇に追いやられて行く運命にあるとは……という寂しさが募る今日この頃であり、そんなオッサンからみて「え?4000系?……5050系の10連バージョンなんてそんなのどうでも宜しい……」という気分を個人的に禁じ得ません (爆)。このような状況に加えて、震災後の優等列車全面運休という異常事態を見聞しますと、いつの間にやら既知の鉄道の世界が静かに崩れて行くかのような錯覚さえ覚えます。そんな思いにとらわれた直後に改めてこうして9000系急行の勇姿を目にしますと、昭和気質な9000系が優等列車として当たり前のように東横線を飛ばしていること自体が何とかけがえのないことなのだろうか!と思う次第です。しかもその後、さほど時間を置かずして、9011Fの各停も斜光線を浴びて車体をギラつかせながらやって来ました……。嗚呼、切妻!幕!分散クーラー!菱パン! 副都心線直通準備がこれから大詰めを迎える中、予想される4000系の急増とともに東横線残存9000系がどのような運命をたどることになるのか知る由もありませんが、一日でも長く東横線の日常を当たり前のように颯爽と走り続けて欲しい……と思うのは私だけではないでしょう。