朝の1往復を除いて完全にJR伊東線との直通が中止されている伊豆急の電車は、もっぱら伊東駅の3番線から発車し、接続するJR側の列車は必ず2番線に入線するようになっています。そして、1往復の直通列車は伊東駅で2番線を使用している模様であることから、1番線の伊豆急下田方と3番線の熱海方のレールは錆が浮いた状態です (T_T)。嗚呼、伊豆急の開業と伊東線直通から50周年を迎える節目において、直通運転の枢要である伊東駅がかくも悲しい光景であるとは……。
伊東駅での乗換は、原則として定期普通列車のスジを利用したまま、伊豆急側の本数を日中5割削減するというものですので、元のスジで伊東駅での停車時間が短い場合には乗換時間は僅か。しかも伊東線6連2本分の伊豆急直通客が3連1本になだれ込む勘定ですので、1~2分の乗換時間でJR側編成から下車した客が伊豆急側編成に乗り込む光景はまさにカオス……。伊東駅で521M等を撮り鉄していた私は、早めに5637M (伊豆急側) に乗り込んでボックスシートに陣取っていたのですが、5637M (伊東線側) の到着とともに全ての座席が埋まり、立ち客すら出るという状況を眼にしまして、「観光路線において3連の70~80分間隔・平日での立席続出はきつ過ぎる……」と思わずにはいられないのでした。以前、平賀での脱線事故後間もない弘南鉄道を訪れた際、全線1閉塞で80分間隔運転という極限状況 (?) を眼にしたものですが、それでも7000系4連には収容力面で余裕がありましたので、このたびの伊豆急節電ダイヤは日常との落差が余りにも激しいものがあります……。
しかしともあれ、通常は7~10連の特急列車やリゾート21が頻繁に (?) 行き交う路線で、多少の立ち客こそあれ20m車3連・70~80分間隔で間に合っているという事実は、地震以来それほど観光客が激減していることを示しているのか、それとも元々オフシーズンはその程度の利用客しかいないのか……。前者であるとすれば、伊豆急が置かれた苦境は相当深刻なものがあるわけで……(号泣)。伊豆高原の車庫にて運用を失ったリゾート21・3編成が全て眠っており、8000系も3連6本が入庫しているという光景は、明らかに通常とはほど遠いものがあります (-_-;)。桜満開を迎えた伊豆高原界隈も、明らかに人が少ない……。どうかこのブログをご覧の皆様、当たれば↑こんな感じで、前後とも東急8000系原形顔で熱海方モハがちょんまげパンタ化されたTB編成の標準カラー編成が単独でやって来ますので、是非伊豆急のことも頭の片隅で気にかけてやって下さいませ……m(_ _)m 但し、日中は計3編成で伊東~伊豆急下田間を回している関係上、トランバガテルまたは「フォトトレイン」が入り、標準カラーのTB編成が全く来ない可能性も勿論高いです (汗)。
3両編成に満席+αの客を乗せた8000系は、駅間が長くアップダウンに富んだ線路上を豪快に飛ばし、神秘的なサウンドを響かせまくっていることには変わりありませんが、今回ばかりはそんな8000系の走りも、車窓に広がる桜と芽吹きの彩りも平常心では楽しめないことは否めず、豊饒なはずの相模湾も大津波の牙を剥いた太平洋とつながっているかと思うと眺めていて不安……。そこで思わず一句。
暗き海 涙を映す山桜 地震う春は 悲しかりけり