地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ヤンゴン熱鉄記 (20) 環状線DD900客レ (上)

2013-09-16 00:00:00 | ミャンマーの鉄道


 ビルマ (ミャンマー) 国鉄の撮影記録、日本中古DC (及び代用の軽量客車列車) 編が一段落してからしばらく間が開いてしまいましたが、今度は罐+客車の様々なバリエーションをご紹介したく存じます。
 このうち、恐らくヤンゴンを訪れる日本人鉄ヲタや、少々鉄道にも色気を示した観光客にとって最も身近な存在なのは、朝から晩までそれなりの本数がやって来るヤンゴン環状線の客車列車であると言えましょう。ヤンゴン環状線は、ヤンゴン~マンダレー本線のマラゴン駅 (ヤンゴンから2駅目) から分岐して、ヤンゴン~ピィ本線のダニンゴン駅 (以前アップした線路市場の駅) に至るヤンゴン市街の外郭線、そして上記2本線のヤンゴン近郊区間を組み合わせ、通勤客や買い物客、それにダニンゴン市場への行商客の便宜を図っている路線となっています (一部、ダニンゴンから環状線に入らず、ピィ方面本線のハローガ[コンピュータ大学支線分岐駅]まで行く列車、及びマラゴンからマンダレー本線を直進してヤワッタージーに至る、日本中古DCと全く同じ行路を走る列車もあり)。そして、英領ビルマ時代に建設されたと思われる駅舎・構内歩道橋などが多くの駅で現役であるのみならず、客車も英国または英領インド製のものを後生大事に使っていると思われます。



 そこで、英国が当時東南アジア最大の都会といわれたヤンゴンにおいてどのような都市計画を布こうとしていたのか……という歴史的遺産を大いにかぎ取ることが出来ますが、とりわけ行政・商業の中心はヤンゴン中央駅の南側の細長いダウンタウンに集中させ、ヤンゴン中央駅から北側の丘陵地も多い一帯には田園都市的なものを配置し、その住民を環状線列車に乗せてダウンタウンに運ぶ……という構図が見えて来ます。
 そんな構想は、たとえ列車がボロであっても何となく活きているようで、例えば列車の本数が最も集中するのは公務員の出退勤時間にあたる朝9時前後と夕方5時前後となっています。この時間帯は約10分間隔で運行されることもありますが、逆に10時~15時台には1時間以上間隔が開くことも……(滝汗)。というわけで、効率良く乗って撮るためには、ネットを駆使した事前の下調べが重要です。とりわけ、一周する列車は意外と少なく、インセインやミンガラドンといった途中駅で折り返す列車も多数ありますので、チャリンコ以下の鈍足で一周3時間の旅を楽しみたい方は、ヤンゴン中央駅6番線西側の事務室 (外国人用切符販売所) で時刻を訊ねれば親切に教えてくれることでしょう。何しろ、白人・日本人など、そういう外国人観光客が多いため、説明のために英語の路線図 (配布用ではありませんが) まで用意してあるほどですので……(笑)。