地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

タイ国鉄激変前? (5) 10系風3等客車

2016-05-29 00:00:00 | タイの鉄道


 客室側窓10枚の車両 (洗面所無し?)……BTC1028。



 客室側窓9枚の車両 (洗面所あり)……BTC1350。



 腰回りにグレー帯・黄色は細帯……BTC1206。



 12系のクーラーを流用? 電源荷物車……BFV1024。

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 日本国有鉄道消滅という取り返しの付かない天変地異から来年4月で30年。道理で、電車や気動車も含めて国鉄型車両が加速度に減りつつあるわけで、鉄ヲタ界一般における国鉄型車両飢餓現象はますます深刻になっているように思われます。
 それを象徴するのが、去る4月下旬に運行された大井川鐵道のEL牽引・午前中から夜まで旧型客車乗りっぱなしツアーでしょうか。他のあらゆる脚色を廃し、釣掛サウンドを発する罐が率いる客車列車に純粋に揺られ続けて弁当をつつくというもので、しかも1人1ボックスで相席無し保証付きということですので、かつてワイド・ミニ周遊券や18きっぷで旧客の旅をしたことがあるヲタでしたら誰もが飛びつかざるを得ない内容……。勿論、大井川・津軽鉄道(冬季限定)で旧客は定期的に運転され、JREでも臨時列車で旧客が動員されることもありますが、大井川にせよ津軽にせよ乗車距離は長くなく、JREの場合相席必至ですから (見ず知らずのヲタが4人も1ボックスに詰め込まれる列車に、私は乗りたくない)、今回の大井川の徹底的にヲタ目線に応えた企画は、もう一度でも良いので1ボックスを占拠して長距離客レの旅をしてみたいというあらゆるヲタの願望を叶えるものでしょう。しかし果たせるかな、倍率は凄まじくなり、抽選外れで死屍累々の惨状となったとか……。今後も何度でも催行して下されば、ツアーバス問題以来経営が極度に不安定化している大井川鐵道にとって福音の定番となるでしょうが、ちゃんと頻繁に催行して頂かないと、何度でも乗りたいというヲタの応募殺到を捌き切れず、さらに欲求不満の死屍累々を重ねてしまう恐れがあります。
 そして、諦めた人は台湾の南廻線へ……。しかしその南廻線にしても、いくら風光明媚な中をスハ44風車両で旅することが出来るとは言え、乗車時間は必ずしも長くないため、「もう終わりかよ」という遺憾は残ります。東部・西部幹線で平快車が走っていた頃までが華だったのですが、その当時台湾旧客の魅力を知っていた日本人ヲタは僅少……。一方、そんな台湾の旧客も、いつまで毎日運行を続けるか分かったものではありませんし、たまに団体客がドッと乗ってきて雰囲気が最悪になることもありますから油断できません (私も経験あり……-_-)。
 というわけで、日本の旧客テイストを完璧に共有する客車に長時間乗り、しかも1ボックス占拠という幸福を味わいつつ、日本の本線急行客レを彷彿とさせる時速100km/h前後の高速走行とドッシリとした乗り心地に興奮するとしたら、タイ国鉄の3等車こそナイスな選択であると言えましょう。とくに、東本線の空いている時間帯の列車or区間と、南本線のトンブリー~ランスアン鈍行は超オススメ級ですね……。ランスアン鈍行は、東京~大阪間に匹敵する距離で、朝出発して夕方着くという理想的な列車ですし、少なくともトンブリー→ナコーンパトムでは1ボックス占拠も不可能ではありません (微妙な乗車率ですので他の客が入ってきてアウト!となる可能性もありますが)。また、東本線のバーンプルタルアン鈍行(平日運転)は、チャチュンサーオから先は空いており、とくにパタヤ以南はほとんど誰も乗っていないことで有名です。私も次回の訪泰時にはこれに乗りたいと画策しています……。