地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

ソウル保存車両周遊 (2) プラハ路面電車

2018-09-03 23:38:00 | 韓国の鉄道


 いつも当ブログを楽しみにして下さっている皆様には、更新間隔が大幅に開いていることを大変恐縮に存じます。先月後半以来、出張が相次いだ上に、受注品の納期が差し迫っておりましたためです。当面一段落付きましたので、更新間隔を詰めることが出来れば良いのですが・・・
 それはさておき、ソウルメトロ6号線の花郎台駅から京春線の廃線跡を進み、ナローSLヒョキ1が待ち構える「京春線森の道」にたどり着きますと、奥の広大な国鉄花郎台駅跡には、をっ!無事お目当ての車両が鎮座しています♪ 出発前にGoogle Mapで航空写真拡大図を見てみたところ、車両にカバーがかけられて塗装整備中?と覚しき情景が映っていましたので、まさか訪れて実車と対面しても撮れないのかよ……と心配していたのです。



 そんな花郎台駅跡の目玉展示といえば、まずはこれ!チェコのプラハを走っていたタトラカー! 旧ソ連・東欧のコメコン経済圏に広く輸出された車両として余りにも有名な存在であり、計画経済的大量生産の安普請ではありながら、「人民のために服務する」精神 (これは中共か ^^;) を遺憾なく発揮した優美なデザインから、マニアックな志向の海外鉄の間では広く高い評価を得ている車両かと存じます。そんなタトラカーは、旧社会主義圏の付き合いもあって、38度線の北の平壌では走っているわけですが、まさか38度線の南側に姿を現すとはかつて想像も出来ませんでした。
 しかし、事実は小説よりも奇なり……。そんなタトラカーがここ花郎台に展示されることになったわけですから、いつもお世話になっておりますインドネシア鉄の皆様の間でもまさに騒然。西船junctionどっと混む様の紹介記事を目にしながら、「なるべく早いうちに、塗装がハゲハゲになってしまう前に韓国出張の機会でもないものか」と念じておりました (自分の金で、この車両のために韓国に渡ろうと思うほどではない ^^;)。
 勝手に推測するに、花郎台駅での展示車両としてプラハの市電に白羽の矢が立ったのは、韓国における海外旅行先としてのプラハ人気もあるのではないかと勝手に想像しております。本屋に行くと、日本旅行ガイドほどではないにせよ、チェコガイド本が結構うずたかく積まれていますので……。首都が山に囲まれた盆地の、自称「韓流」音楽と芸術の国にして、しかも周りの大国を向こうに張って独立を維持しようとする国柄からみて、チェコ・プラハという存在は何となく思慕の対象に思えてしまうのでしょう。