地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

常磐線の旅2018夏 (2) 651系

2018-09-18 12:00:00 | JR発足後の車両


 かつて常磐線で目にする度に「圧倒的に新しい」という印象であった651系……実はJR発足間もない頃の記念碑的存在であり、バブル真っ盛りの要素も入っていたことが、この車両をいつまでも新しく見せていたのかも知れません。しかし直流モーターで世代が古く、サービス面でも和式トイレがあるなど、いつの間にか古い車両の仲間入りをしていたようです。そしてあっという間に常磐線の定期特急列車はE657系に置き換わり、勝田を追われた651系の多くは直流化されて高崎線方面か伊豆方面に活路を見出すか、廃車の憂き目に遭っています。廃車となったうちの4両は、震災の影響で原ノ町に長期間放置されていたことは記憶に新しいところでしょう。



 それでも勝田には依然として波動用の651系が残っており、そのうちの4連1本を使って普通列車としていわき〜竜田間を往復するという報せが発表されたとき、多くのヲタが「復活しつつある常磐線福島浜通りゾーンに豪華普通列車キターッ!」と歓喜の声を上げたのではないかと想像します。そこで、運行当初は連日ヲタで賑わったと側聞しますが、それではやはり面白くない。当初のヲタ・フィーバーが一段落し、運転区間も津波の惨禍から復旧した富岡まで延び、かつ代行バスも運行されている今が旬だと思い、高坊甥っ子を連れての豪華普通列車エクスカーションを決行したのでした。
 まずはE501系を激写したのち、仙台方に留置されていた651系の入線シーンを無事ゲット! 18きっぷシーズンだというのに他のヲタはおらず、甥っ子ともどもガッツポーズです (笑)。その後はM車に陣取り、僅か40分弱ではありますが、静穏な中に直流モーターの重厚さがある走行音と、次第にみちのく感を増して行く海辺の風景を堪能しているうちに、やがて列車は広野以北のとりわけ被害が大きい地域に進み、津波発生廃棄物を処理するプラントを横目にしつつ、真新しい富岡駅へと進んだのでした。
 いわき〜富岡間という僅かな距離を、1日に2往復だけのんびりと走る運用は、651系にとっては不本意な晩年かも知れません。しかし同時に、かつて特急として駆け抜けた栄光と、今後もしばらく復興の過程を見届ける番人としての役割を帯びたオーラが、「普通・富岡/いわき」という幕を出した車体から漂っているのを感じるのは、私だけではないでしょう。