地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

常磐線の旅2018夏 (1) E501系

2018-09-04 12:00:00 | JR発足後の車両


 報道各社が伝えるところによりますと、JREは山手線へのE235の投入が一段落したら、次は横須賀・総武快速のE217、その次は小山所属のE231……という要領で置き換えを図って行くようです。E217はいい加減車内がボロく、音も機器更新で面白みが減っていることから、正直なところ「早くE235への置き換えカモ〜ン」といったところですが、あの顔が横須賀線を走るのは勘弁して欲しいところです (※)。一方、余ったE217は、千葉支社の209系を置き換えるのかも知れませんが、個人的には同じハリボテのボロでも、E217よりは209系の方がスッキリしたデザインで好感を抱いています。先頭車はセミクロス化されキレイですし。
 さて、事ここに至れば、「走るんです」初期世代の209系ボディも見納めが近いことになります (八高線も時間の問題でしょう)。とはいえ、内装に金がかかっている (?) りんかい線の70-000形や、交直流対応で電装品に金がかかったE501系はもう少々走り続けることになるのでしょうか。

※17時補筆……JRE公式HPに掲載されたばかりのプレスリリースを見てみたところ、山手線と同じ顔……。もっとも、カラーリングからして何となく切妻のスカ色73系を思い出したのも事実です (汗)。



 何はともあれ、あれほど「要らねぇ〜!」とこき下ろし、全く趣味的に対象外であったはずの209系ボディに対し、今や「ボロさが良さげ」という感覚を抱くようになってしまいました。これこそが、約30年にわたった平成が終わるということであり、昭和がいよいよ遠くなるということでしょうか。実際、最近は関西で103系や113系を見かけますと、かつて子供ながらに旧国の全金属車を眺めたときと同じ圧倒的前時代感を感じるようになりましたし……。
 そんなことをつらつら思う平成最後の夏、
*E501系が「誰も注目していないけれど斜陽期に入り今が乗り頃」と思えるようになったこと。
*常磐線の不通区間が相当短縮されたこと。
*651系の普通列車が竜田止まりから富岡に延伸され乗車時間が延びたこと。
*何よりも震災から7年経ち、代行バスという期間限定品に乗りつつ原発被災地の現状を生で見るのにも悪くない頃合になったこと
……等々を考えまして、高坊になった甥っ子と日帰りで18きっぷを使って常磐線を北上しました (これだけ乗れば、18きっぷの元は余裕で回収)。常磐線は今から10数年前、鉄ヲタに復帰して間もない頃に、415・455・717系に揺られて北上して以来、2度目の「完乗」となりますが、あの当時と比べれば、車両も沿線も何もかもが変わっており、諸行無常を感じる旅でした・・・

 というわけで、まずは上野6:04の水戸行きで北上すると (私はグリーン車に乗りたかったですし、高坊のグリーン料金も叔父さんとして気前よく出してやるつもりでしたが、音鉄高坊は「ボックスシートのM車に乗りたい」と主張……トホホ。さすがにトシとりましたので、18きっぷでグリーン車に乗れる制度を使いたかったのですが ^^;)、水戸駅はラッシュアワーで大混雑! 乗り継ぐ8:18発のいわき行きE501系も、水戸から離れて行く列車であるというのに、何と発車時には全ての椅子が埋まっており、発車直前まで水郡線を撮ろうと粘っていた我々は座れなかったのでした (しかも、水郡線も遅れで撮れず -_-;)。
 とはいえ、日立を発車する頃には、車内はスカスカに。日立電鉄の廃線跡、そして次第に南東北の雰囲気が増して行く沿線風景、さらに勿来の関界隈の海岸線に何とない寂寥感を感じつつ、最高120km/hで飛ばすE501系のブッ壊れそうな走りを堪能したのでした。そして泉からはいわき市内へ向かう客が増え、「福島臨海、行こう行こうと思って一度も行っていないな……」と思っているうちにいわきに到着〜。1時間半のE501の旅はちょうど手頃な距離で楽しめました。下車後は高坊甥っ子と2人だけで撮影会 (笑)。折返し発車まで大分時間があるというのに、点灯サービスとは何とも有り難いことです m(_ _)m
 今後E501系が引退するにしても、東京から水戸・友部・小山までそこそこ遠いことから、京浜東北線209系撤退時のような騒動にはならないでしょうが、スッカスカな車内を楽しみ、他のヲタを気にせず駅撮りできるのは、まさに今のうちと言えましょう。