最近、ジャカルタ郊外の山岳路線・スカブミ線が熱い (偏見)。
いつもお世話になっておりますパクアン急行様のブログを拝見しておりますと、インドネシア国産との鳴り物入りで製造されたもののごく少数にとどまり、運用にほとんど入らず引きこもり状態が続いていた赤罐CC300の用途として、スカブミ線の客レ「パンランゴ」「シリワンギ」(同じ列車ながらスカブミで列車名が変わり、ボゴール〜スカブミ間が前者、スカブミ〜チアンジュールが後者) に白羽の矢が立てられたようで、先日タナアバン機関区〜ボゴール線〜スカブミ線を直通する試運転が大勢のヲタを集めて実施されたとのこと。思えば、スカブミ線は多少の勾配が連続するとはいえ、せいぜい6〜7両の客車を牽引する程度なら非力な (?) 罐でも何とかなるでしょうし、余った超主力機CC206については、スカブミ線最大の稼ぎ頭であろうアクア (ミネラルウォーター) 貨物の増発にでも使えば良いことになります。
そんなスカブミ線、風光明媚な山岳路線ではありながらも意外と沿線人口は多く、スカブミの盆地には恐らく甲府盆地よりも多くの人が住んでいるはず (パッと見ですが)。そう……実はスカブミ線には「インドネシアの中央東線」としてのポテンシャルが秘められているのです (超偏見)。しかし、確か8年前にボゴール〜スカブミ間の列車が再開されるまでは、基本的に休止線として放置されていました。その後、チアンジュールまで運行が再開され、バンドゥンまで直通まだか……と首を長くして待ち続けているのですが、一方のバンドゥン側・チアンジュール〜パダララン間は、橋脚の老朽化か何かで引き続き休止中……。きちんと軌道改良・輸送力増強に務め、とりわけボゴール〜スカブミ間は一日に3〜4往復とケチなことをせずフリークエンシーを確保すれば、確実に稼げるはずと思うにつけ、もどかしいものを感じておりました。
しかし最近、どこかでチラ見したのが、スカブミ線の複線電化計画! もちろん、ジョコウィ政権再選戦略の一つでもあるのでしょうが、電化によってとにかく早くて便利になり乗客数もうなぎ登りなスルポン=バンテン線という実例があり、途中のド田舎度という点ではかつてのスルポンから先の区間も今のスカブミ線もそう大して変わりませんので、とりあえずスカブミまで複線電化が成ったのちは、ジャカルタ・コタからスカブミまで所要2時間半〜3時間程度で205系の旅を楽しめるのを期待したいものです。もっとも、トイレをどうするのか……ということを考えますと、やっぱりスルポン線のタナアバン〜ランカスビトゥン間、2時間弱が限界なのかも知れませんが。
というわけで、そんなジャカルタ鉄道シーンのアツい未来を夢想しつつ、スカブミ線再開からチアンジュール延伸までの間活躍していた日本製KRD「ブミグリス号」の懐かしシーンをお楽しみ下さい。当時は基本的にボゴール電車区に常駐しながらも、週に確か2〜3度、正式な所属先であるタナアバン機関区での整備とタナアバン市場への買い出し客の便宜を図るのを兼ねて、ボゴール線内をノンストップで爆走していたものです。2011・12年の撮影ですが、当時はまだマンガライもボゴールも駅撮り・線路撮りしたい放題で、ヲタ活動するには本当に良い時代だったのを思い出します……。ジャカルタ訪問時には (否、東南アジア鉄活動時には)、如何なる列車も撮れるなら全て漏らさず撮れ!を鉄則としておりますが、数年後にHDをほじくり返して諸行無常を痛感するたびに、ますますそんな思いを強くするものです。