地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

昭和の近鉄特急車・奈良線の急勾配を行く

2010-02-17 06:55:00 | 大手民鉄 (近鉄)


 近鉄は先日、来る3月のダイヤ改正を発表し、平城京1300年記念に関連した名古屋=西大寺直通特急の運転という如何にもマニアックな目玉が用意されましたが、一方では伊勢志摩方面への輸送需要が振るわないことから賢島・鳥羽行き特急の一部を宇治山田・松阪止まりに変更し、吉野線の列車も土曜休日を中心に大幅に削減する等、かなり後ろ向きな内容も目立っているのも否めないところ……。これはある意味で、デフレと少子化で経済の規模がどんどん収縮する日本の未来を先取りしたものか……と暗い気分にならざるを得ないのですが、同時に近鉄自身の財務事情が悪いのだろうか?ということをヨソ者にも感じさせるものがあります。
 それはどうやら事実だったようで……近鉄は連結子会社で起こった不正経理・財産着服事件を処理する必要から利益が大幅に減ることが明らかになっただけでなく、暫時財務内容を公表しがたい状況に陥って東証の監理ポストに回された結果、今週に入って近鉄株が一気に急落しているようです (-_-;)。まぁ、財務処理が進んで情報が再公開されれば監理ポストから外れるわけですが、どうやら時価総額で数百億円が吹っ飛んだようでもあり、これと比べれば東急がJAL株処理で被った損失は大したことない……と思えるレベルですなぁ……こりゃ。



 というわけで、事は12200系(さらにいずれはビスタカーも?)の代替車・新ACEの新造ペースにも及ぶことが予想されます。昭和の近鉄特急を撮って楽しむ向きにとっては、とくに12200系の延命は喜ぶべきことではあるのですが……ACEシリーズが極めて快適な車両であり、今後一層の近鉄特急の繁栄のためには欠かせない車両であることも百も承知でありまして、非常に複雑な気分。東急と近鉄という、東西私鉄の雄を見舞った経済的不振の問題は、相当根深いものがありそうです……。
 思い出してもみれば、昨年の今頃は阪神なんば線との相互直通運転に対する関心が激しく高まっており、私自身もたまたまの出張に合わせて直通運転初日を楽しみまくるなどしまして、近鉄のますますの商売繁盛に明るい希望を感じたものです。そして、阪神直通列車を撮りまくった際にやって来た12200系や30000系が急勾配に挑んで力強く走り去って行く姿にメロメロな気分 (*^O^*) だったものですが、いやはや、本当に世の中一寸先は闇だということを思い知らされます……。
 何はともあれ近鉄には、堂々たる21m級車両が生駒の嶺や青山峠に果敢に挑むが如く、逆境をはねのけて頑張って欲しいものです……。
 ※今回の画像は2カットともかなりヤバ目なカツカツ構図になってしまいました (^^;)。ファインダーの奥からやって来る姿に見とれすぎ、気がついたらこうなってしまったという……(苦笑)。

JRF、DE10の後継機HD300を発表

2010-02-16 09:10:00 | 貨物列車


 既に先週の話題となってしまいましたが、このたびJR貨物から、登場以来44年を経たDE10の後継機として、ハイブリッドDL・HD300を新造する旨の発表がありました。もっとも、DE10のかなりの部分が1980年代に断行されたヤード系貨物輸送の全廃とともに廃車となって久しく、現役のDE10は製造年次が新しい後期機(かつ機関も更新済み)が中心となっていたわけですが、やはり経済の先行きが不透明で二酸化炭素の一層の排出削減が求められている時代にあっては、先手を打って思い切った省エネルギー車を開発・投入しようということなのでしょう。JRFの思い切った施策とモーダル・シフトがうまく噛み合えば……と思うのですが、与党がああいうようではJRFの企業努力だけで終わってしまいそうな悪い予感も……(-_-;)。
 ともあれ、901号機が3月下旬に完成するということで、実物がJRF発表のイラストと比べてどれだけイケているか楽しみですが、最近の臨海鉄道系新型機と同じ60トンという重量であるにもかかわらずセミセンターキャブを貫いているのには少々オドロキでした (^^;)。センターキャブであれば「新時代のDD13」という感じか?と思うのですが、JRF自身がセミセンターキャブに思い入れがあるのか、はたまたハイブリッド関連機器の配置の関係でセミセンターキャブの方が有利なのか……。



 こうして新世代DLへの期待が高まる一方で、これまで長らくJRFの入換・小運転シーンを彩ってきたDE10が退場してゆくことが決まったことにつきましては、やはり時代の流れを感じ寂しいですね……。まぁ、同時代に製造された国鉄型ELが続々と置き換えられつつある現状を考えますと、DE10とて全く例外ではないことは百も承知なのですが……国鉄型車両の影が薄くなった首都圏にあって最も濃厚に《国鉄》を代表し続けている車種のひとつであるだけに、貨物スポットからDE10の姿が消えたあかつきには多分大きな喪失感を味わうことになりそうです(それでも何のかの言って、DLが貨車や甲種車両を牽引しさえすれば気分は盛り上がるのは間違いないのですが ^^;;)。
 それにしても、最近ネット上をウロウロするにつけ個人的に痛切に感じるのは、車両の引退そのものによる寂しさや切なさを押し流して嫌気しか残らなくなってしまうほど、引退間際の駅や車内・沿線の雰囲気が悪化しすぎているのではないか……ということ。そこで最近は個人的に「引退・激減しそうな車両を、多くの撮り鉄・乗り鉄・にわか鉄が殺到する前に、如何にのんびり・ひっそり・まったりと楽しみ尽くしておくか」ということばかり考えています。これまで甲種・特大輸送以外誰も見向きもしなかった (少なくとも同業者をまるで見かけなかった) DE10の日常シーンも、今後DE10の激減があらわになるにつれ大変な事態になって行くのか……と思うと、何だかなぁという感じです。もっとも、DE10はJRF所属車だけでなく、各地の臨海鉄道や専用線でも活躍している車両がありますので、完全に消滅するのは相当遠い将来の話だと思われ、この点ではやや楽観しているのですが……。

ヨコハマ鉄道模型フェスタ2010見物録

2010-02-14 19:37:00 | 模型素人物欲見聞記


 新幹線やJR型が幅を効かせるジオラマ群の中で、ここだけは癒し……。



 鉄コレ秩父1000系・小豆旧塗装……発売が楽しみ♪



 GMの東急8500系軽量鋼体車、折角全体的に良いのにライトが……(-_-;)。



 鉄コレ秩父7000&長電8500、正面の塗装がダメ過ぎ……(T_T)。

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 第6回目を迎えて恒例となった感のあるヨコハマ鉄道模型フェスタ、今日までの3日間開催されておりましたが、確か2年前に鉄コレ発売につられて初めて訪れた私も今春の新製品の出来が気になりまして、いつもお世話になっております「ぱれっと」さんとご一緒に出掛けて参りました。
 とくに今回期待していたのは、GM東急8500系軽量鋼体車と鉄コレ秩父7000・長電8500系の出来具合だったのですが……GMは正面の造形に、鉄コレは塗装にものすっごい不安が……。既にどちらも近所の模型屋に予約しているだけに、正式な発売の段階ではきっちりと改善されていることを願うばかりです。
 いっぽう、今日は3日間で最も天気が良く、かつ日曜日ということもあり、場内は人人人……。サクッと記録を撮ろうにも、へばりついたク○○キ、いやお子様がいつまでたっても退かず、1カット撮るのにもかなりの時間がかかりヘトヘト……。まぁ予想されていたことなので自業自得であるわけですが(苦笑)。
 見物を終えたあとはそのままクィーンズ・スクエア内で昼食にしようか……と思ったのですが、少ないメシ屋に人が並び過ぎ。しかも本日は菓子屋の悪辣な陰謀の日(爆) につきイチャイチャ・カポー多数……。というわけで、ちょこっと移動して横浜駅に向かい、駅地下のタイめし屋でエスニックな味を楽しみつつ、最近の鉄事情あれこれについて「ぱれっと」さんと歓談し、お互い確保していた鉄コレ限定品などを交換してプチ・エクスカーションを終えたのでした。ぱれっとさん、本日はどうもお疲れ様でした~! ご転居先の名古屋でまた飲みましょう!


 えー、私自身は普段いわゆる「萌え」系趣味度ゼロな人間なのですが、東武系のこのお2人サンのコンテナだけ欲しいです……(爆)。GMの東武8000系をいじったフリーランス牽引車をつくってコキを牽かせるとか (笑)。他は要らないので、この2種類だけ確実に複数ゲットする方法ってないものですかねぇ~(あるわけないか ^^;)。東武ファンフェスタで特別に売って下されば良いと思うのですが、どうでしょう、東○商事様……(^^;;;)。

上州の野武士 (?)・上信電鉄150形を撮る

2010-02-13 23:06:00 | 地方民鉄 (関東北東部)


 当ブログではこれまで上毛電鉄を度々扱っているものの、高崎駅の脇から発車しておりアプローチしやすいはずの上信電鉄については、そういえば以前一度、デジタル一眼導入前に撮った200形を扱ったきりでした。もちろん、途中数々の味わい深い駅舎を構えつつ山里を結んで走る上信電鉄の雰囲気は絶品というべきものがあり、そこを走る電車もシブい役者が揃って悪くないはずなのですが……如何せんド派手なラッピング車両が多過ぎるという問題が……(-_-;)。折角の200形も、富岡製糸場の世界遺産登録キャンペーンとからめて、何やら余計な煉瓦模様と宣伝文句が車体にデカデカと入れられてしまいましたし……(T_T)。1000系の登場とともに鮮烈な印象を放った標準ストライプ塗装は大好きですが、何故せっかくの上信オリジナル車(しかも昭和50年代に放たれた地方私鉄の輝ける星!)である1000系・6000系・デハ251・デハ252+クハ1301のいずれも超ド派手なラッピング姿になってしまっているのかと……(デハ252+クハ1301の水色ストライプ化直後の姿を撮らなかったのは痛恨です -_-;;)。



 とはいえ、そうラッピングを毛嫌いしていますと、何時まで経っても標準ストライプ塗装の車両を撮影出来ないわけで、今から2年前に青春18きっぷで秩父鉄道を訪れたついでに「そう言えば上信もご無沙汰だなぁ……ここは一発500形(元西武新101系) の登場に期待して行ってみようか」と思い立ちまして高崎駅へ……。停車していた「か○とう」ラッピングの250形に「嗚呼……せっかく車体は質実剛健なのに」とぼやきつつ、お手軽な撮影地へ向かったのでした。ただ、肝心の赤帯500形は到着後すぐに下仁田からやって来てしまい、ロクな位置で構えることが出来ず……しかもそのまま高崎で入庫 (号泣)。
 というわけで、他の編成を何本か撮ってみたのですが、ことごとくラッピング……。デハ252+クハ1301に至っては余りにもセンスのない姿に落ちぶれ、ファインダーで覗いているだけでも悲しくて涙が出そうな気分 (T_T)。そんな中、辛うじて「まぁマシかな」と思い真面目に撮ったのが、今回アップした「マン○ンライフ」ラッピングの155+156編成。計3編成ある150形は、3本それぞれが401・801・701系を出自としており、形態がまちまちではありますが、まぁ性能が同じということで単一形式にまとめられているのでしょう。その中でも155+156編成は、701系+堂々たる2丁パンタということで、まさにスタイルは申し分なく……上州の野武士たる風格が漂って来ます。そんな印象がラッピングで大幅に変わっているのは残念ですが、他の編成のラッピングと比べると相当マイルドなデザインですので、まぁこんなものでしょう。
 標準塗装といえば、151+152編成 (元401系) が長年のラッピングを解除されて緑ストライプになっているそうで、是非いずれ撮りたいものですが、私が訪れるときに限って高崎や下仁田で寝ていそうでコワイです……。

秩父鉄道2010ダイヤ改正発表 (画像は6000)

2010-02-12 22:52:00 | 地方民鉄 (秩父)


 秩父鉄道公式HPにてこのたび、来る3月6日にダイヤ改正を実施する旨が発表されました。詳しくは公式HPのPDFファイルをご覧頂きたいのですが、気になるキーワードは「見直し」……。過去数年間、JRや東武・西武のダイヤ改正に応じて調整しつつも、基本的なダイヤの姿は大きく変わらず保たれてきた秩父ですが、他社ダイヤ改正での「見直し」という言葉が列車本数の削減や区間短縮を意味しているのと同じく、恐らく利用客が少ない時間の間引き運転が断行されるのでしょう……。



 このうち急行につきましては、ラッシュ時や新幹線接続用として一層利用しやすいスジに変える一方、「一部列車の運転区間見直し」とありますので、真っ昼間の三峰口・影森行に手が入れられるのではないかという気が……。普通も混雑が激しい羽生=熊谷間で増発される一方で、日中の間引きを示唆する文言が……。沿線で鉄活動する際、運転間隔が開くのは非常に困るのですが……(とくに、日中は空気輸送としか言いようがない影森以遠でバッサリ半減なんてことになりはしないかと懸念……)。まぁ、とりあえずは正式な時刻発表を待つしかないでしょう。せっかく7500系がデヴューするというのに、秩父の春は諸々の世相を反映して少々寂しいものになるかも知れませんね……(-_-;)。
 画像は全然季節感がない紅葉HMでスミマセン (^^;