近鉄は先日、来る3月のダイヤ改正を発表し、平城京1300年記念に関連した名古屋=西大寺直通特急の運転という如何にもマニアックな目玉が用意されましたが、一方では伊勢志摩方面への輸送需要が振るわないことから賢島・鳥羽行き特急の一部を宇治山田・松阪止まりに変更し、吉野線の列車も土曜休日を中心に大幅に削減する等、かなり後ろ向きな内容も目立っているのも否めないところ……。これはある意味で、デフレと少子化で経済の規模がどんどん収縮する日本の未来を先取りしたものか……と暗い気分にならざるを得ないのですが、同時に近鉄自身の財務事情が悪いのだろうか?ということをヨソ者にも感じさせるものがあります。
それはどうやら事実だったようで……近鉄は連結子会社で起こった不正経理・財産着服事件を処理する必要から利益が大幅に減ることが明らかになっただけでなく、暫時財務内容を公表しがたい状況に陥って東証の監理ポストに回された結果、今週に入って近鉄株が一気に急落しているようです (-_-;)。まぁ、財務処理が進んで情報が再公開されれば監理ポストから外れるわけですが、どうやら時価総額で数百億円が吹っ飛んだようでもあり、これと比べれば東急がJAL株処理で被った損失は大したことない……と思えるレベルですなぁ……こりゃ。
というわけで、事は12200系(さらにいずれはビスタカーも?)の代替車・新ACEの新造ペースにも及ぶことが予想されます。昭和の近鉄特急を撮って楽しむ向きにとっては、とくに12200系の延命は喜ぶべきことではあるのですが……ACEシリーズが極めて快適な車両であり、今後一層の近鉄特急の繁栄のためには欠かせない車両であることも百も承知でありまして、非常に複雑な気分。東急と近鉄という、東西私鉄の雄を見舞った経済的不振の問題は、相当根深いものがありそうです……。
思い出してもみれば、昨年の今頃は阪神なんば線との相互直通運転に対する関心が激しく高まっており、私自身もたまたまの出張に合わせて直通運転初日を楽しみまくるなどしまして、近鉄のますますの商売繁盛に明るい希望を感じたものです。そして、阪神直通列車を撮りまくった際にやって来た12200系や30000系が急勾配に挑んで力強く走り去って行く姿にメロメロな気分 (*^O^*) だったものですが、いやはや、本当に世の中一寸先は闇だということを思い知らされます……。
何はともあれ近鉄には、堂々たる21m級車両が生駒の嶺や青山峠に果敢に挑むが如く、逆境をはねのけて頑張って欲しいものです……。
※今回の画像は2カットともかなりヤバ目なカツカツ構図になってしまいました (^^;)。ファインダーの奥からやって来る姿に見とれすぎ、気がついたらこうなってしまったという……(苦笑)。