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ミステリ感想-『ジュリエットの悲鳴』有栖川有栖

2000年12月10日 | ミステリ感想
~収録作品~
落とし穴
裏切る眼
遠い出張
危険な席
パテオ
多々良探偵の失策
登竜門が多すぎる
世紀のアリバイ
タイタンの殺人
幸運の女神
夜汽車は走る
ジュリエットの悲鳴


~感想~
『落とし穴』
計画がずさんかつテキトーすぎるところに目をつぶれば、なかなかにうまい作り。タイトルはぜんぜんうまくないけど。

『裏切る眼』
展開に予想がつく。もっととことん皮肉にすればいいのでは?

『遠い出張』
オチが利いている。

『多々良探偵の失策』
これまた巧い。ショートショートに意外な才能?

『危険な席』
展開がそのまんますぎ。ひねってよ。あと、許すなよ。

『パテオ』
幻想的落語。オチがちょっと解りづらい。

『登竜門が多すぎる』
逆にオチなんてなくてよかった一編。関西人らしいシャレのよさはいいのだが、もっとふざけまくってくれて良かったのに。

『世紀のアリバイ』
本書中の白眉。

『幸運の女神』
そのまんますぎる。

『タイタンの殺人』
真相があっけない。もっと風刺を利かせても。

『夜汽車は走る』
結局のところ、なんなのか? なにを言わんとしていたのか? 釈然としない。

『ジュリエットの悲鳴』
読後感はとにかく退屈。完全にタイトル負けしている。


~総括~
ショートショートは鋭いのに……。僕の嫌いな「文学寄りに傾いたアリス」ばっかりなので、楽しめなかった。


00.12.10
評価:☆ 1
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