小金沢ライブラリー

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ミステリ感想-『「Y」の悲劇』アンソロジー

2000年12月18日 | ミステリ感想
~収録作品~
あるYの悲劇  ――有栖川有栖
ダイイングメッセージ《Y》  ――篠田真由美
「Y」の悲劇―「Y」がふえる  ――二階堂黎人
イコールYの悲劇  ――法月綸太郎


~感想~
『あるYの悲劇』
こういったトリック(ネタバレ→雑学・ウンチク)をメインに据えるのはどうかと思うが、アリス作品としては近年まれに見る完成度の高さ。余分すぎる文学味さえとっぱらい、トリック主体で行けばまだまだやれるはずなのに。
……でも、文学味のない、論理に磨きをかけたアリスって、つまり法月じゃん。

『ダイイングメッセージ《Y》』
蒼の物語である必然性が感じられない。展開・真相もつきなみ。

『「Y」の悲劇―「Y」がふえる』
なにか嫌なことでもあったのだろうか。読んでいてとにかく不快。
ユーモアセンスの欠如はいつものこと。

『イコールYの悲劇』
二転三転の展開や終局の逆転といい、ダイイング・メッセージ物としては出色のでき。


~総括~
冒頭のアリスと巻末の法月が、明と暗の対比を見せる。間の2編はまあ、あえて触れまい。


00.12.18
評価:★★★ 6
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