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ミステリ感想-『私が捜した少年』二階堂黎人

2000年12月08日 | ミステリ感想
~収録作品~
渋柿信介、独身。ライセンスを持たない私立探偵。
日常のしがらみに追われながらも、鋭敏な頭脳と大胆な行動力で、次々に舞い込む事件を解決へと導く。

アリバイのア
キリタンポ村から消えた男
センチメンタル・ハートブレイク
渋柿とマックスの山


~感想~
『私が捜した少年』
渋柿探偵の描写がもっとも凝っている。というか以降尻すぼみ。二階堂氏の新たなる一面を(この時点では)見せてくれる。

『アリバイのア』
トリックが感覚的に無理そう。

『キリタンポ村から消えた男』
氏にしては珍しいトリックが使われている。

『センチメンタル・ハートブレイク』
トリック云々よりも描写で楽しませる。

『渋柿とマックスの山』
トリック自体はよくできているのだが、短編集後半になるにつれ、ネタ切れになった気が。


~総括~
作者の名を聞いて驚いたのも最初だけ。どんどん地金が出てきていつのまにか二階堂丸出しに。
トリックに(それほど)手を抜かず、まっとうな仕掛けをしてくれたのはさすが。


00.12.8
評価:★★★ 6
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