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ミステリ感想-『犯罪は二人で』天藤真

2002年11月12日 | ミステリ感想
~収録作品~
運食い野郎
推理クラブ殺人事件
隠すよりなお顕れる
絶命詞
のりうつる
犯罪は二人で
一人より二人がよい
闇の金が呼ぶ
純情な蠍
採点委員
七人美登利
飼われた殺意


~感想~
『運食い野郎』
本線よりも横道の逸話に妙味か。

『推理クラブ殺人事件』
なんとも珍しい趣向。設定といい細工といい異色。

『隠すよりなお顕れる』
おのれ金田一。またかよ。

『絶命詞』
逆転……もあのセリフはどう考えてもそうとしか取れないような。

『のりうつる』
そういう結末か、といたく納得。

『犯罪は二人で』
以下三作はミステリと呼ぶより「怪盗譚」と言った方がすわりがいい。まずは発端。長編の冒頭といったところ。

『一人より二人がよい』
タイトルに込められた意味に苦笑。

『闇の金が呼ぶ』
意外性に乏しいか。

『純情な蠍』
伏線を張ってない(よね?)のは手落ち。

『採点委員』
いつかどこかで見た話。つまりその元祖か。

『七人美登利』
晩年の作品とは思えない周到な伏線など、まさに老練。傑作。

『飼われた殺意』
没後発見のやや異色作。結末が珍しい。


02.11.12
評価:★★★ 6
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