~あらすじ~
ふと立ち寄った古本屋で手に取った一冊の本が、10年前の記憶を呼び起こす。小学6年生のクリスマスの夜、「びっくり館」と呼ばれる洋館に招かれた三知也は、密室殺人に巻き込まれ――。
~感想~
「かつて子供だったあなたと少年少女のために」がコンセプトのミステリーランド。そこに綾辻が放ったのは、まさかの館シリーズ最新作。
しかしはっきり言ってこれは、とても子供に見せられる代物ではない。
(↓以下ネタバレ↓)
館・密室・隠し通路・狂気・血縁と綾辻テイストのオンパレード。人形を介しトシオとリリカを双子(綾辻作品に欠かせない要素である)として描いてみせた――と読むのは勘ぐりすぎか。
ざっと取り上げてみても、母親による子殺し・純粋悪・精神病・近親相姦・狂気・祖父殺し・虚無への供物と、子供に「これなあに?」と聞かれた親が答えに窮するような題材ばかり。こんなものを少年少女に提出していいのだろうか?
疑問はさておき、本来の読者層である大人向け、綾辻ファン向けとして捉えるならば十分に及第点。
薄味ながらに館シリーズとしての面目を保ち、意外な叙述トリックあり、密室トリックあり、ラストでは「暗黒館の殺人」を思わせる幻想的な締めくくりと、期待はまずまず裏切らなかった。
しかしどう考えても――自分の子供には読ませたくないよなぁ。
06.3.22
評価:★★★ 6
ふと立ち寄った古本屋で手に取った一冊の本が、10年前の記憶を呼び起こす。小学6年生のクリスマスの夜、「びっくり館」と呼ばれる洋館に招かれた三知也は、密室殺人に巻き込まれ――。
~感想~
「かつて子供だったあなたと少年少女のために」がコンセプトのミステリーランド。そこに綾辻が放ったのは、まさかの館シリーズ最新作。
しかしはっきり言ってこれは、とても子供に見せられる代物ではない。
(↓以下ネタバレ↓)
館・密室・隠し通路・狂気・血縁と綾辻テイストのオンパレード。人形を介しトシオとリリカを双子(綾辻作品に欠かせない要素である)として描いてみせた――と読むのは勘ぐりすぎか。
ざっと取り上げてみても、母親による子殺し・純粋悪・精神病・近親相姦・狂気・祖父殺し・虚無への供物と、子供に「これなあに?」と聞かれた親が答えに窮するような題材ばかり。こんなものを少年少女に提出していいのだろうか?
疑問はさておき、本来の読者層である大人向け、綾辻ファン向けとして捉えるならば十分に及第点。
薄味ながらに館シリーズとしての面目を保ち、意外な叙述トリックあり、密室トリックあり、ラストでは「暗黒館の殺人」を思わせる幻想的な締めくくりと、期待はまずまず裏切らなかった。
しかしどう考えても――自分の子供には読ませたくないよなぁ。
06.3.22
評価:★★★ 6