~あらすじ~
妻子をつれて泊まった大湯ホテルで、私は十年ぶりに弟の妻だった千明多美子に出会う。
翌々日のこと、ホテルのスキーバスが川に転落し、死傷者7人が出たが、その中で多美子だけは絞殺されていた。
容疑をかけられた私は、自分の手で犯人を捜すべく捜査を開始するが、行く先々で相手が殺され、容疑はますます濃くなっていき……。
~感想~
これは掘り出し物。話の流れはややもすると2時間ドラマさながらだが、終わってみればまぎれもない本格ミステリ。
意外な犯人、意外な伏線、意外な動機と大盤振る舞い。
ドラマじゃないのだからそんなに派手にしなくてもと思うほど、主人公の行く先々でバタバタと容疑者が殺されていくのは、いっそ喜劇的ですらある。
「罠がある。トリックがある」と眉にツバつけて読んでいけば、真相を見抜くのはさほど骨ではない。だがその処理の巧みさは実にすばらしい。本格魂はここにもあった。
「模倣の殺意」「天啓の殺意」の再刊行で注目される、知られざる強豪・中町信。古本屋で氏の作品を何冊か仕入れられたので、ちょっと重点的に読んでいきたいと思う。
06.4.26
評価:★★★ 6
妻子をつれて泊まった大湯ホテルで、私は十年ぶりに弟の妻だった千明多美子に出会う。
翌々日のこと、ホテルのスキーバスが川に転落し、死傷者7人が出たが、その中で多美子だけは絞殺されていた。
容疑をかけられた私は、自分の手で犯人を捜すべく捜査を開始するが、行く先々で相手が殺され、容疑はますます濃くなっていき……。
~感想~
これは掘り出し物。話の流れはややもすると2時間ドラマさながらだが、終わってみればまぎれもない本格ミステリ。
意外な犯人、意外な伏線、意外な動機と大盤振る舞い。
ドラマじゃないのだからそんなに派手にしなくてもと思うほど、主人公の行く先々でバタバタと容疑者が殺されていくのは、いっそ喜劇的ですらある。
「罠がある。トリックがある」と眉にツバつけて読んでいけば、真相を見抜くのはさほど骨ではない。だがその処理の巧みさは実にすばらしい。本格魂はここにもあった。
「模倣の殺意」「天啓の殺意」の再刊行で注目される、知られざる強豪・中町信。古本屋で氏の作品を何冊か仕入れられたので、ちょっと重点的に読んでいきたいと思う。
06.4.26
評価:★★★ 6