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ミステリ感想-『真夏の方程式』東野圭吾

2011年06月27日 | ミステリ感想
~あらすじ~
夏休みに美しい海辺の町にやってきた少年。そこで起きた事件は、事故か殺人か。少年は何をし、湯川は何に気づいてしまったのか。
※コピペ


~感想~
「容疑者Xの献身」、「聖女の救済」と本格ミステリ的においしい作品を立て続けに放ったシリーズだが、今回は本格としての旨みはほとんど無し。
だが上記二作とドラマくらいでしかガリレオシリーズを知らない僕から見ても、湯川と子供の交流という物語は珍しく、奇人・湯川といささか類型的だがこまっしゃくれた子供の会話が楽しい。
謎は多いが地味な事件、刑事の地道な捜査、湯川の科学ネタとオーソドックスな、というか観光、料理、環境問題、恋愛、子役、ドロドロした人間関係と、このまま2時間ドラマにしても全く問題のないような展開で、真相も予想の範疇を出なかったが、そこは国民的作家の筆力で、飽かせず読み進められるようにできているのは流石といったところ。
まるで「2時間ドラマの設定でどこまでガリレオシリーズを描けるか」に挑戦したような雰囲気ながら、それだけに老若男女、全方面からの支持を受けられ気楽に読める、東野圭吾らしい作品でした。


11.6.23
評価:★★★ 6
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