例によってレッスルマニアはPPV買ってます。以下ネタバレ注意。
・ハルク・ホーガンのオープニングトーク
大会ホストのホーガンが軽快なトークで客を煽る。会場名を素で間違えたのを観客に指摘され、明らかに照れているところは普通のおじいちゃんにしか見えない。
そこにストーンコールドがサプライズ登場し会場は一気にヒートアップ。数年前にホーガンがレッスルマニア対決を望んだオースチンと握手するだけでも歴史的瞬間なのに、さらにロック様までも見参!
ストンコが出てきた瞬間にホーガンの顔を映してる糞カメラワークも許す!
オースチンもロックも先程のホーガンの間違いをいじり倒す。数年前のホーガンならブチギレて去ってしまってもおかしくないが、丸くなったようで笑顔を見せる。
最後は三人揃って乾杯。数年ぶりのはずなのにオースチンにビールを投げ渡すスタッフのコントロールも、それを受け取るオースチンのキャッチ力も全く衰えていない。
今夜これ以上盛り上がる瞬間は絶対訪れないな。
・世界王座挑戦権争奪戦
ダニエル・ブライアン ○-× HHH
(ランニング・ニー)
勝ったほうがメイン戦に進めるため、疲労も考え最も盛り上がるだろうこの試合が第一試合に設定された。
HHHは現在ヒールだが、久しぶりの試合とあって客席は歓迎ムード。厨二病な入場演出も素敵。
対するダニエルは場内人気ナンバーワン。ストーリーも噛み合いまさにスーパースターといったおもむき。
この後もう一試合控えているにも関わらず、一進一退の激しい攻防が繰り広げられ、ともにクラシカルなレスリングスタイルで、地上戦主体のHHHと空中戦主体のダニエルは非常に手が合う。
リング下のステフ(HHH夫人)はますますパパに似てきた顔で一喜一憂し、この三人が揃えば面白いに決まっている。
たがいに必殺技を返しあった末に、温存していたダニエルのハイニーが一閃し勝負あり。
今夜これ以上盛り上がる試合は絶対ないな。
・6人タッグ戦
シールド(セス・ロリンズ&ディーン・アンブローズ&ローマン・レインズ) ○-× ケイン&ニューエイジ・アウトローズ(ビリー・ガン&ロード・ドッグ)
(合体Wパワーボム)
前の試合が長引いたのか、笑えるほどマキの入った展開に。
試合開始から全員の必殺技ゲージがMAXになっているらしく、次から次へとフィニッシャーを繰り出し合い、あっという間の決着。
面白かったがわざわざレッスルマニアでやる必要のない試合だったような。
・アンドレ・ザ・ジャイアント杯争奪バトルロイヤル
勝者:セザーロ
ビッグショー、ミステリオ、シェイマス、デル・リオ、ジグラー等々まとめて出すのがもったいないメンツが勢揃い。
PPVどころかテレビに出てくるのも稀なヨシ・タツが瞬殺されたのを皮切りに、目まぐるしくスパスタが退場していく。
ロイヤルランブルのような明確な台本は無いようで、普段なら雑多な印象になってしまうところだが、さすがに一線級が揃っているだけに、うまく各自の見せ場が作られている。
最後はどうせ優勝するんだろと思われていたビッグショーをセザーロが持ち前の怪力でリフトアップし、アンドレに捧げるボディプレスで場外へ投棄。
個人的に応援しているセザーロへの今後のプッシュが期待される。
あとヨシはロープを掴み損ねていたようだが?
・シングル戦
ジョン・シナ ○-× ブレイ・ワイアット
(AA)
片手間に観たが予想よりワイアットへの歓声は少なく、思ったより二人の手は合っていた。
・シングル戦
アンダーテイカー ×-○ ブロック・レスナー
(F5)
21勝1敗。ついにこの時が訪れた。会場の9割9分の人間がキックアウトするだろうと思っていた三発目のF5を返せず、カウント3が叩かれた。
客席は茫然自失の顔と「すげーもん見ちまった」という昂揚した顔に分かれた。
レスナーへのブーイングもさほど上がらず、というか誰もがブーイングどころではない心境のようで、どよめきが収まらない。
やがてこれが最後の勇姿なのだろうと誰もが予感し、テイカーへの賞賛の声と拍手が起こり始めたが、テイカー本人は試合の序盤で重度の脳震盪を起こしていたそうで、朦朧とした表情でなかなか立ち上がれない。
思い当たるのは序盤で喰らったベリー・トゥ・ベリーだが、開始早々に負傷してしまうのはやはり試合勘の欠如が大きいだろう。
場外へのノータッチ・トペが出来なくなったのは何年前だったろうか。オールドスクールやフライング・クローズライン、ラストライドを完璧に決められたのは何年前までだったか。
身体はとっくに限界を迎えていて、近年は苦戦の末にというよりも、一方的に追い込まれながら辛うじて勝ちを拾う試合も多く、年に一回レッスルマニアで勝つだけの簡単なお仕事と揶揄されるのも仕方なかった。
来るべき時を迎え、無敗のまま引退することを良しとしなかったテイカーは偉大である。
それにしても連勝を止めたのがレスナーか……。できればフルタイムで出ている相手が良かったが、連勝を止めるだけの説得力を持ち、将来のある相手となると確かに他に見当たらない。
ビッグショーやケインも引退は遠くないし、バティスタやシナでは暴動が起こり兼ねない。オートンはすでに一度負けているし、やはりレスナーしかいないか……。
・DIVA王座バトルロイヤル戦
AJ・リー ○-× ナオミ
(ブラック・ウィドー)防衛成功
テイカー敗北の余韻を引きずる中、良い箸休めになった。やはりDIVAの試合はメイン前に限る。
退団者が続出し人数が絞られたおかげで、動けるDIVAばかり残っているため、意外と見栄えのする好試合になった。
AJのブラック・ウィドーもフィニッシュとして説得力十分であった。
・WWE世界王座3WAY戦
ランディ・オートン ×バティスタ ○ダニエル・ブライアン
(ランニング・ニー→イエス・ロック)防衛失敗
ここ数年まったく空気の読めなかったWWEが、ダニエル参戦と戴冠という正しい判断を見せた。
絶大な人気を誇るダニエルと絶大な不人気を誇るバティスタに挟まれ、影の薄かったオートンも試合が始まればやはり別格。
ヒール王者らしいふてぶてしい態度でルーチンワークをこなしつつ、小柄でタイプの違うダニエルと塩筋肉の間を巧みにつなぐ絶妙な潤滑油としても機能した。
もし当初の予定のままオートンとバティスタだけで争われていたら、WWE史上に残る惨劇になったことは間違いなく、それはそれで見たかった気もするが。
長尺の試合を2つも強いられながら、2試合とも違う魅力を見せたダニエルは文句無し。バティスタも自分の果たすべき役割はこなせていた。
テイカー敗北の後とあってはダニエルの戴冠は必然。内容的にも無理のない展開で、観客の後押しも受けたニューヒーローの誕生という素晴らしい幕切れだった。
余談だが試合後、若い女性と少女がリングに上がりダニエルと抱擁を交わしていて、ダニエルの嫁はブリー・ベラのはずだからあれは誰だろうと思っていたら、妹と姪だったとのこと。
妻と娘ならまだしも妹と姪があの場でリングに上がるなんて、アメリカ人の家族愛の深さを改めて思い知った。
総括して30回記念にふさわしい大会だったのでは。試合数は少なすぎだが、余分なアーティストやセレブの出演もなく、何よりホーガン・ストンコ・ロックの競演とテイカー敗北という大事件に、ダニエル戴冠が合わされば不満のあるはずもない。
レッスルマニアとロイヤルランブルはPPVを買う価値がある。
・ハルク・ホーガンのオープニングトーク
大会ホストのホーガンが軽快なトークで客を煽る。会場名を素で間違えたのを観客に指摘され、明らかに照れているところは普通のおじいちゃんにしか見えない。
そこにストーンコールドがサプライズ登場し会場は一気にヒートアップ。数年前にホーガンがレッスルマニア対決を望んだオースチンと握手するだけでも歴史的瞬間なのに、さらにロック様までも見参!
ストンコが出てきた瞬間にホーガンの顔を映してる糞カメラワークも許す!
オースチンもロックも先程のホーガンの間違いをいじり倒す。数年前のホーガンならブチギレて去ってしまってもおかしくないが、丸くなったようで笑顔を見せる。
最後は三人揃って乾杯。数年ぶりのはずなのにオースチンにビールを投げ渡すスタッフのコントロールも、それを受け取るオースチンのキャッチ力も全く衰えていない。
今夜これ以上盛り上がる瞬間は絶対訪れないな。
・世界王座挑戦権争奪戦
ダニエル・ブライアン ○-× HHH
(ランニング・ニー)
勝ったほうがメイン戦に進めるため、疲労も考え最も盛り上がるだろうこの試合が第一試合に設定された。
HHHは現在ヒールだが、久しぶりの試合とあって客席は歓迎ムード。厨二病な入場演出も素敵。
対するダニエルは場内人気ナンバーワン。ストーリーも噛み合いまさにスーパースターといったおもむき。
この後もう一試合控えているにも関わらず、一進一退の激しい攻防が繰り広げられ、ともにクラシカルなレスリングスタイルで、地上戦主体のHHHと空中戦主体のダニエルは非常に手が合う。
リング下のステフ(HHH夫人)はますますパパに似てきた顔で一喜一憂し、この三人が揃えば面白いに決まっている。
たがいに必殺技を返しあった末に、温存していたダニエルのハイニーが一閃し勝負あり。
今夜これ以上盛り上がる試合は絶対ないな。
・6人タッグ戦
シールド(セス・ロリンズ&ディーン・アンブローズ&ローマン・レインズ) ○-× ケイン&ニューエイジ・アウトローズ(ビリー・ガン&ロード・ドッグ)
(合体Wパワーボム)
前の試合が長引いたのか、笑えるほどマキの入った展開に。
試合開始から全員の必殺技ゲージがMAXになっているらしく、次から次へとフィニッシャーを繰り出し合い、あっという間の決着。
面白かったがわざわざレッスルマニアでやる必要のない試合だったような。
・アンドレ・ザ・ジャイアント杯争奪バトルロイヤル
勝者:セザーロ
ビッグショー、ミステリオ、シェイマス、デル・リオ、ジグラー等々まとめて出すのがもったいないメンツが勢揃い。
PPVどころかテレビに出てくるのも稀なヨシ・タツが瞬殺されたのを皮切りに、目まぐるしくスパスタが退場していく。
ロイヤルランブルのような明確な台本は無いようで、普段なら雑多な印象になってしまうところだが、さすがに一線級が揃っているだけに、うまく各自の見せ場が作られている。
最後はどうせ優勝するんだろと思われていたビッグショーをセザーロが持ち前の怪力でリフトアップし、アンドレに捧げるボディプレスで場外へ投棄。
個人的に応援しているセザーロへの今後のプッシュが期待される。
あとヨシはロープを掴み損ねていたようだが?
・シングル戦
ジョン・シナ ○-× ブレイ・ワイアット
(AA)
片手間に観たが予想よりワイアットへの歓声は少なく、思ったより二人の手は合っていた。
・シングル戦
アンダーテイカー ×-○ ブロック・レスナー
(F5)
21勝1敗。ついにこの時が訪れた。会場の9割9分の人間がキックアウトするだろうと思っていた三発目のF5を返せず、カウント3が叩かれた。
客席は茫然自失の顔と「すげーもん見ちまった」という昂揚した顔に分かれた。
レスナーへのブーイングもさほど上がらず、というか誰もがブーイングどころではない心境のようで、どよめきが収まらない。
やがてこれが最後の勇姿なのだろうと誰もが予感し、テイカーへの賞賛の声と拍手が起こり始めたが、テイカー本人は試合の序盤で重度の脳震盪を起こしていたそうで、朦朧とした表情でなかなか立ち上がれない。
思い当たるのは序盤で喰らったベリー・トゥ・ベリーだが、開始早々に負傷してしまうのはやはり試合勘の欠如が大きいだろう。
場外へのノータッチ・トペが出来なくなったのは何年前だったろうか。オールドスクールやフライング・クローズライン、ラストライドを完璧に決められたのは何年前までだったか。
身体はとっくに限界を迎えていて、近年は苦戦の末にというよりも、一方的に追い込まれながら辛うじて勝ちを拾う試合も多く、年に一回レッスルマニアで勝つだけの簡単なお仕事と揶揄されるのも仕方なかった。
来るべき時を迎え、無敗のまま引退することを良しとしなかったテイカーは偉大である。
それにしても連勝を止めたのがレスナーか……。できればフルタイムで出ている相手が良かったが、連勝を止めるだけの説得力を持ち、将来のある相手となると確かに他に見当たらない。
ビッグショーやケインも引退は遠くないし、バティスタやシナでは暴動が起こり兼ねない。オートンはすでに一度負けているし、やはりレスナーしかいないか……。
・DIVA王座バトルロイヤル戦
AJ・リー ○-× ナオミ
(ブラック・ウィドー)防衛成功
テイカー敗北の余韻を引きずる中、良い箸休めになった。やはりDIVAの試合はメイン前に限る。
退団者が続出し人数が絞られたおかげで、動けるDIVAばかり残っているため、意外と見栄えのする好試合になった。
AJのブラック・ウィドーもフィニッシュとして説得力十分であった。
・WWE世界王座3WAY戦
ランディ・オートン ×バティスタ ○ダニエル・ブライアン
(ランニング・ニー→イエス・ロック)防衛失敗
ここ数年まったく空気の読めなかったWWEが、ダニエル参戦と戴冠という正しい判断を見せた。
絶大な人気を誇るダニエルと絶大な不人気を誇るバティスタに挟まれ、影の薄かったオートンも試合が始まればやはり別格。
ヒール王者らしいふてぶてしい態度でルーチンワークをこなしつつ、小柄でタイプの違うダニエルと塩筋肉の間を巧みにつなぐ絶妙な潤滑油としても機能した。
もし当初の予定のままオートンとバティスタだけで争われていたら、WWE史上に残る惨劇になったことは間違いなく、それはそれで見たかった気もするが。
長尺の試合を2つも強いられながら、2試合とも違う魅力を見せたダニエルは文句無し。バティスタも自分の果たすべき役割はこなせていた。
テイカー敗北の後とあってはダニエルの戴冠は必然。内容的にも無理のない展開で、観客の後押しも受けたニューヒーローの誕生という素晴らしい幕切れだった。
余談だが試合後、若い女性と少女がリングに上がりダニエルと抱擁を交わしていて、ダニエルの嫁はブリー・ベラのはずだからあれは誰だろうと思っていたら、妹と姪だったとのこと。
妻と娘ならまだしも妹と姪があの場でリングに上がるなんて、アメリカ人の家族愛の深さを改めて思い知った。
総括して30回記念にふさわしい大会だったのでは。試合数は少なすぎだが、余分なアーティストやセレブの出演もなく、何よりホーガン・ストンコ・ロックの競演とテイカー敗北という大事件に、ダニエル戴冠が合わされば不満のあるはずもない。
レッスルマニアとロイヤルランブルはPPVを買う価値がある。