~あらすじ~
秋元透は喧嘩別れした恋人との「毎年、六月二十八日には何があってもいっしょに槍ヶ岳へ行こう」という約束をよすがに、約束の日に登山へ向かう。
恋人の時任冴は確かに来ていたが、男と同行しており、さらにもう一人の同行者の女が神隠しにあったように忽然と姿を消してしまう。
~感想~
作者は登山愛好家で多くの山岳小説をものしているらしい。
文庫版の解説が指摘するように、山は移動に掛かる時間や悪天候などによって物理的な密室状況を作りやすく、本作も堅牢な密室の構築に成功している。
一方で堅牢すぎる密室にありがちな、条件を絞りすぎてトリックはわかりやすく、特に神隠しの謎はああも同時多発されると真相はアレだろうと即座に察しがついてしまった。
しかしギリギリのところで真犯人を隠し通すことはできており、また終盤にかけてジャンルがさらに別物へと移り変わるのも上手かった。
作者や山岳ミステリの入門編にちょうどいい佳品ではある。
23.1.2
評価:★★★ 6
秋元透は喧嘩別れした恋人との「毎年、六月二十八日には何があってもいっしょに槍ヶ岳へ行こう」という約束をよすがに、約束の日に登山へ向かう。
恋人の時任冴は確かに来ていたが、男と同行しており、さらにもう一人の同行者の女が神隠しにあったように忽然と姿を消してしまう。
~感想~
作者は登山愛好家で多くの山岳小説をものしているらしい。
文庫版の解説が指摘するように、山は移動に掛かる時間や悪天候などによって物理的な密室状況を作りやすく、本作も堅牢な密室の構築に成功している。
一方で堅牢すぎる密室にありがちな、条件を絞りすぎてトリックはわかりやすく、特に神隠しの謎はああも同時多発されると真相はアレだろうと即座に察しがついてしまった。
しかしギリギリのところで真犯人を隠し通すことはできており、また終盤にかけてジャンルがさらに別物へと移り変わるのも上手かった。
作者や山岳ミステリの入門編にちょうどいい佳品ではある。
23.1.2
評価:★★★ 6