小金沢ライブラリー

ミステリ感想以外はサイトへ移行しました

ミステリ感想-『離婚しない女』連城三紀彦

2023年07月04日 | ミステリ感想
~あらすじ~
水産会社社長のお飾りにされた美しい妻と、その浮気相手の男。二人は共謀して社長の山川を殺す。
だが男は別の女とも心を通わせて、両者の間を行き来しており…。


~感想~
短めの長編「離婚しない女」と短編2作を収録。
一読まず、やることなすこと意味不明でいったい何が目的なのかさっぱりわからない二面性を持つ男に戸惑うが、そんなことはどうでもよくなるほど強烈な結末に脳を焼かれる。
全く予想だにしない全てを台無しにする結末に読者は驚くとともに呆れ果てるだろうし、感想はやはり「いったい何が目的なのかさっぱりわからない」で一致するのだからすさまじい。
いやわかるよ? わかるけどだからってそんなことする??

残りの短編2作も全く違った色合いで、特筆すべきは「植民地の女」の方。
絶対そんなわけがないんだけどこれまた強烈な結末に仰天させられる。連城は本当に変なこと考えつくよな…。

なお文庫版解説はミステリ関係者ではないだけあり完膚なきまでにネタバレされているので要注意である。


23.7.4
評価:★★★ 6
コメント