~あらすじ~
高尾山で失踪した友人の服を着た、別人の遺体が発見された――。
奇妙な事件の調査を依頼に来た篠村美弥子は、偶然居合わせた呉美由紀と意気投合し、ともに高尾山へ向かう。
ところが落とし穴にはまって遭難してしまい……。
~感想~
「百器徒然袋 鳴釜」の篠村美弥子とさらにあの人が再登場。きっぷの良さではひけをとらない呉美由紀姐さんと当然のように意気投合し、篠村無双とでも言うべき談義を延々と繰り広げる。
天狗についても考察が続くが、そこは外伝で中禅寺秋彦も多々良勝五郎もいないため専門的な話や結論は出ないが、これはこれで面白い。
事件の様相は前作「河童」と同じく、まるで天狗にさらわれたように不可解かつ魅力的な百鬼夜行シリーズらしいもので、その真相は悪魔的。そこへ中禅寺敦子が兄譲りの論理だけではなく、駆け引きの妙まで見せて黒幕と対決するので、ほとんどシリーズ本編と変わらないクオリティである。
それに加えてお待ちかねのあの人が「いったいったテリーがいったーーっ!」と黒幕をテリーマンのようにナックルパートで殴りつけ、コーナーへ追い詰めストンピングまで浴びせる猛攻を見せてくれるのだからたまらない。「我はメシア、明日この世界を粛清する」のノリで闇堕ちしかけたのも笑った。
百鬼夜行シリーズ本編さながらの事件・真相・推理と、今昔百鬼拾遺シリーズならではのキレ芸が堪能できる良作である。
それにしても、こんなまるであの頃のような作品を書かれたら、しれっと刊行予定に復活していた「鵼の碑」が本当に出版されることにも期待せざるを得ない。
21.3.27
評価:★★★☆ 7
高尾山で失踪した友人の服を着た、別人の遺体が発見された――。
奇妙な事件の調査を依頼に来た篠村美弥子は、偶然居合わせた呉美由紀と意気投合し、ともに高尾山へ向かう。
ところが落とし穴にはまって遭難してしまい……。
~感想~
「百器徒然袋 鳴釜」の篠村美弥子とさらにあの人が再登場。きっぷの良さではひけをとらない呉美由紀姐さんと当然のように意気投合し、篠村無双とでも言うべき談義を延々と繰り広げる。
天狗についても考察が続くが、そこは外伝で中禅寺秋彦も多々良勝五郎もいないため専門的な話や結論は出ないが、これはこれで面白い。
事件の様相は前作「河童」と同じく、まるで天狗にさらわれたように不可解かつ魅力的な百鬼夜行シリーズらしいもので、その真相は悪魔的。そこへ中禅寺敦子が兄譲りの論理だけではなく、駆け引きの妙まで見せて黒幕と対決するので、ほとんどシリーズ本編と変わらないクオリティである。
それに加えてお待ちかねのあの人が「いったいったテリーがいったーーっ!」と黒幕をテリーマンのようにナックルパートで殴りつけ、コーナーへ追い詰めストンピングまで浴びせる猛攻を見せてくれるのだからたまらない。「我はメシア、明日この世界を粛清する」のノリで闇堕ちしかけたのも笑った。
百鬼夜行シリーズ本編さながらの事件・真相・推理と、今昔百鬼拾遺シリーズならではのキレ芸が堪能できる良作である。
それにしても、こんなまるであの頃のような作品を書かれたら、しれっと刊行予定に復活していた「鵼の碑」が本当に出版されることにも期待せざるを得ない。
21.3.27
評価:★★★☆ 7
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます