~あらすじ~
6歳の少女を猟奇的に殺した犯人の名は大山正紀。
全国の同姓同名の大山正紀たちは大山正紀の犯行によって人生に影響を受けた。
大山正紀たちは「同姓同名被害者の会」を作り、犯人の大山正紀を探そうとするが…。
~感想~
作者はもともと作品の多くで並の作家ならば手を出さないような難解なテーマを果敢に取り扱って来たが、本作は主要登場人物のほぼ全てが同姓同名というトリッキー過ぎる作品。
だが3年半を掛けて執筆し、これが駄目ならミステリーを諦めるという覚悟で心血を注いだだけはあり、同姓同名の大山正紀たちは完全に書き分けられ、混乱することはない。
社会派な作品も多く書いているが、本作は本格ミステリに振り切ったもので、この設定でできることのほぼ全てをやり尽くした、本格ファンの読者が期待する通りの代物である。
惜しげもなく繰り出される仕掛けの数々により、それまで見えていた構図は何度も何度も引っくり返される。にもかかわらず前述の通り読者は一切混乱せず、豊富に張られていた伏線に感心しながら、新たな構図に驚かされ続ける。
これだけ複雑な話をこれだけ平易に書き切るには、そりゃ3年半は掛かって当たり前だし、凡百の作家ならば混乱させずに読ませることすらできまい。
あらすじだけ聞いて期待した通りのものを、期待以上の出来で読ませてくれた、素晴らしい傑作である。
20.12.4
評価:★★★★☆ 9
6歳の少女を猟奇的に殺した犯人の名は大山正紀。
全国の同姓同名の大山正紀たちは大山正紀の犯行によって人生に影響を受けた。
大山正紀たちは「同姓同名被害者の会」を作り、犯人の大山正紀を探そうとするが…。
~感想~
作者はもともと作品の多くで並の作家ならば手を出さないような難解なテーマを果敢に取り扱って来たが、本作は主要登場人物のほぼ全てが同姓同名というトリッキー過ぎる作品。
だが3年半を掛けて執筆し、これが駄目ならミステリーを諦めるという覚悟で心血を注いだだけはあり、同姓同名の大山正紀たちは完全に書き分けられ、混乱することはない。
社会派な作品も多く書いているが、本作は本格ミステリに振り切ったもので、この設定でできることのほぼ全てをやり尽くした、本格ファンの読者が期待する通りの代物である。
惜しげもなく繰り出される仕掛けの数々により、それまで見えていた構図は何度も何度も引っくり返される。にもかかわらず前述の通り読者は一切混乱せず、豊富に張られていた伏線に感心しながら、新たな構図に驚かされ続ける。
これだけ複雑な話をこれだけ平易に書き切るには、そりゃ3年半は掛かって当たり前だし、凡百の作家ならば混乱させずに読ませることすらできまい。
あらすじだけ聞いて期待した通りのものを、期待以上の出来で読ませてくれた、素晴らしい傑作である。
20.12.4
評価:★★★★☆ 9
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます